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「Quake II RTX」や新型VR HMD「Rift S」への最適化を行った「GeForce 430.86 Driver」が登場。Hotfix版の「430.97」もリリース済み
Release 430世代のWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版ドライバであるGeForce 430.86 Driverは,北米時間6月6日にNVIDIAが配布予定のFPS「Quake II RTX」と,5月29日に発売されたレースゲーム「Assetto Corsa Competizione」向けた「Game Ready」ドライバという位置づけだ。
ちなみに,id Softwareの名作FPS「Quake II」を,Vulkan APIでリアルタイムレイトレーシングを可能にする拡張機能「NVIDIA VKRay」を使ってリファインしたQuake II RTXは,Quake IIのデモ版と同様に最初の3つステージを無料で,
なお,Quake II RTXをサポートするGPUは「GeForce RTX 2060」以上。該当するGPUを利用しているゲーマーは,本ドライバを導入してリリースを待つといいだろう。
NVIDIAによると,GeForce 430.86 Driverではゲームへの最適化と同時に,
Facebook製のVRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)「Rift S」とHTC製「Vive Pro Eye」への対応も実現しているという。
Rift Sでは,ゴーグル部分前面に装備するカメラの映像をVR映像にオーバーレイ表示する処理に,Turing世代のGPUを使ったフレーム補間技術「Optical Flow」を用いて,スムーズな表示を可能にしているそうだ。同様に,Vive Pro Eyeでは,Turing世代GPUによる「Variable Rate Shading」による最適化を行っているとのことだ。
さて,いつもならここで,入手先のリンクかGeForce Experienceの利用を勧めるところだが,GeForce 430.86 Driverには,
- 「Forza Horizon 4」でトンネル通過時にゲームがクラッシュすることのある問題
- Sandy Bridge世代のIntel製CPUを使用しているPCに,GeForce 430.86 Driverがインストールできないことのある問題
などが確認されており,それに対応するWindows 10用のHotfix版ドライバ「GeForce Hotfix Driver 430.97」が北米時間5月31日にリリースされている。
つまり,該当する問題に遭遇している人は,GeForce Hotfix Driver 430.97を,それ以外のGeForceユーザーは,GeForce 430.86 Driverを導入するのがいい。ただ,WHQL未通過のHotfix版ドライバは「当該アップデートをより早く届けるためのもの」とNVIDIAは位置付けており,WHQL通過版よりも品質保証工程を省略しているとのこと。ドライバソフトの導入が自己責任であるのは当然だが,Hotfix版ドライバの導入に不安を感じる人は,次のWHQL通過版ドライバソフトを待つのもいいだろう。
なお,GeForce Driverには,既存のドライバソフトである「Standard」ドライバと,Windowsの新しいドライバモデルであるWindows Modern Driver(またはUniversal Windows Driver)に対応する「DCH」ドライバの2種類がある。ほとんどのゲーマーはStandardドライバを導入すればいいが,どちらのドライバを入手すべきか分からない場合は,「NVIDIAコントロールパネル」の「システム情報」にある「ドライバータイプ」を確認してほしい。
→64bit版Windows 10用GeForce 430.86 Driver(542.26MB,Standard)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/148084/jp
→64bit版Windows 10用GeForce 430.86 Driver(494.54MB,DCH)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/148138/jp
→GeForce RTX 20シリーズ向け64bit版Windows 8.x・7用GeForce 430.86 Driver(497.23MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/148066/jp
→GeForce GTXシリーズ向け64bit版Windows 8.x・7用GeForce 430.86 Driver(497.23MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/148048/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 430.86 Driver(542.26MB,Standard)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/148120/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 430.86 Driver(494.54MB,DCH)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/148156/jp
→ノートPC向けの64bit版Windows 8.x・7用GeForce 430.86 Driver(497.23MB)
https://www.nvidia.co.jp/Download/driverResults.aspx/148102/jp
→64bit版Windows 10用GeForce Hotfix Driver 430.97(540MB,Standard)
https://nvidia.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/4808
→64bit版Windows 10用GeForce 430.97 Hotfix Driver(493MB,DCH)
https://nvidia.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/4808
※リンク先はNVIDIA公式Webサイトと異なるドメイン名ですが,NVIDIA公式です
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
今回も,NVIDIA公式情報ページの情報と英文リリースノートの要点和訳を本稿の最後にまとめておいたので,興味のある人はそちらもチェックしてほしい。前出3タイトルへの最適化を除けば,比較的,小規模な変更にとどまるアップデートである。
もちろん,ドライバの導入は自己責任となるので,その点は注意してもらえればと思う。
## 以下,NVIDIAによる公式紹介記事および英文リリースノートまとめ ##
●GeForce 430.86 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN X,Zシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITANシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜600シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GT 600シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ(※Windows 10のみ)
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ
●GeForce 430.86 Driverが統合するソフトウェアモジュール(※比較対象はGeForce 430.64 Driver)
- GeForce Experience:3.18.0.102
- HD Audio Driver:1.3.38.16
- PhysX System Software:9.19.0218
- Vulkan RT:記載なし
- nView:149.77
- CUDA:10.1
- NVIDIA Control Panel(Standard):8.1.940.0
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.954.0(←8.1.953.0)
●GeForce 430.86 Driverにおけるゲームへの最適化
- 「Assetto Corsa Competizione」「Quake II RTX」へ向けた最適化
●GeForce 430.86 Driverの新要素
- VR HMD「Rift S」「Vive Pro Eye」への対応
- G-SYNC Compatible MonitorsにDell製ディスプレイ「S2419HGF」,HP製ディスプレイ「25x」,LG Electronics製ディスプレイ「27GL850」を追加
●GeForce 430.86 Driverで解決した問題
- GeForce Experienceの「NVIDIA Freestyle」のサポート対象ゲームに「World of Warships」が表示されなくなっていた問題
- 一部のシステムでAdobe Premier Proがクラッシュすることや,「VIDEO TDR FAILURE」が発生する問題 ・GeForce RTX 2080を搭載したノートPCで,ゲーム中に4K解像度のデュアルディスプレイ環境でVJソフトウェア「Resolume Arena 6」を使用すると,性能が低下する問題
●GeForce 430.86 Driverにおける既知の不具合
・NVIDIAコントロールパネルにおいて,「3D設定の管理」→「垂直同期」の設定を「適応(ハーフリフレッシュレート)」にしていても,PCの再起動後にはネイティブのリフレッシュレートに変わってしまう(※ということだと思われる。設定内容が別の内容に変わるのか,それとも「適応(ハーフリフレッシュレート)」のままで,設定が反映されなくなるのかは不明。原文は「When the 3D Settings page->Vertical Sync setting is set to Adaptive Sync (half refresh rate), V-Sync works only at the native refresh rate after rebooting the system.」)
・「Grand Theft Auto V」でMSAAを有効にすると画面がちらついたり,表示がおかしくなる
・「Forza Horizon 4」においてトンネルを通過するとゲームがクラッシュすることがある(※GeForce Hotfix Driver 430.97で解決)
・「Tom Clancy's The Division II」をDirectX 12モードでプレイするとゲームがクラッシュすることがある
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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