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「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.7.2」リリース。遅延削減やReLive&Chill強化など盛りだくさんのビッグマイナーチェンジに
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印刷2017/07/27 06:00

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「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.7.2」リリース。遅延削減やReLive&Chill強化など盛りだくさんのビッグマイナーチェンジに

画像集 No.002のサムネイル画像 / 「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.7.2」リリース。遅延削減やReLive&Chill強化など盛りだくさんのビッグマイナーチェンジに
 日本時間2017年7月27日6:00,AMDは,公式最新版グラフィックスドライバ「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.7.2」を発表した。
 ここ数年のAMDは,グラフィックスドライバのメジャーアップデートを年に1回行い,それ以外ではゲームアプリケーションに向けた最適化やバグ修正を行うというルーティンになっていた。しかし,今回の17.7.2ドライバは,そのルーティンから外れた大型アップデートとなる。

 具体的には,新機能「Enhanced Sync」の採用や,「Radeon ReLive」(以下,ReLive)および「Radeon Chill」(以下,Chill)の拡張,「Radeon Settings」の改修を含んでおり,自動車業界風に言うなら「ビッグマイナーチェンジ」を果たしているわけだが,本稿ではそんな2017年7月版第2弾となるRadeon Software Crimson ReLive Editionのアップデート概要をまとめてみたい。

関連記事:「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.7.2」のリリースノートをチェックしてみる



Fast SyncのAMD版となるEnhanced Sync


 17.7.2ドライバにおける新要素のなかで,ゲーマー的に最も注目すべきなのが,AMD独自のディスプレイ同期技術「Enhanced Sync」(エンハンストシンク)だろう。
 AMDの説明によると,Enhanced Syncは「Vsync無効化時と同程度の低操作遅延と,テアリングやスタッタ(カクつき)のない美しい描画を,特別なディスプレイデバイスなしに両立する」技術とのことだ。

Enhanced Syncの概要。操作遅延を低減しつつテアリングやカクつきを抑える技術であるという
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 「どこかで聞いたような?」と思った読者は記憶力がいい。ライバルのNVIDIAが,「GeForce GTX 1080」の発表に合わせて発表していた同期技術「Fast Sync」(ファストシンク)と,Enhanced Syncはアピールされる効用が同じなのだ。

Radeon Softwareの「ゲーム」タブ以下にあるグローバル設定(※またはゲームタイトル別設定),「グラフィックス」にEnhanced Syncの設定がある。「垂直同期」プルダウンメニューに新設された「強化された同期」がEnhanced Syncだ。これを選択しておくだけでゲームでEnhanced Syncが有効になる
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 「操作遅延を低減しテアリングやカクつきを抑える」目的では,現時点における究極の技術として,GPU主導でレンダリング速度とディスプレイ表示を同期させる「FreeSync」や「G-SYNC」が存在するわけだが,これらを利用するには対応のディスプレイデバイスが必須という,ユーザー側から見たハードルがある。それに対してFast Syncや,今回導入を果たしたEnhanced Syncは,利用にあたって特別なディスプレイデバイスを必要としない。

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Enhanced Syncを含めた3つの同期技術の比較。VSync(有効)だとフレームレートが高いときにはテアリングがないものの操作遅延が大きくなり,フレームレートが低いときにはスタッター(stutter,カクつき)が生じる。FreeSyncは最善手で,フレームレートが低くても高くても良好な描画と最小の操作遅延が得られるが,対応ディスプレイが必要だ。Enhanced Syncはその中間的なソリューションとなる
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Enhanced Syncはレンダリング速度がリフレッシュレートより高いときには操作遅延を低減し,逆に遅いときにはスタッター(stutter,カクつき)を抑えるとAMDは言う

 ちなみに,AMDはEnhanced Syncの効用をアピールするのみで,その仕組みをまったく説明していない。だが,Enhanced Syncの効用・効果から考えるに,Fast Syncと同じ仕組みを採用していると見て間違いないだろう。
 なので詳しくはFast Syncのテストレポートを参照してもらえればと思うが,Fast Syncではレンダリング用のバッファを新設してレンダリングをVSyncと非同期に実行し,ディスプレイの更新に「最新のレンダリング用のバッファ」の内容を使うことで,操作遅延の低減とテアリングやカクつきを抑える仕組みになっていた。実装にそれほどの困難を伴う手法とも思えないので,Enhanced Syncでもおそらく同じことをしているのだろう。

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ミリ秒単位の操作遅延で,Enhanced SyncとVsync有効時および無効時を比較したグラフ。Vsync無効時がもちろんベストだがこの場合はテアリングが生じ,有効化するとテアリングから解放される代わりに128.8msもの操作遅延が生じる。Enhanced SyncならVsync無効時にかなり近い操作遅延と,テアリングのない表示が得られるというわけだ
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こちらは「フレームレートが低い場合におけるEnhanced Syncの効用」を記したスライドだ。白い線がVSync有効時のフレームタイム(=フレームのレンダリングから表示にかかる時間)で,負荷の高いゲームではこのように上下へ激しく変動する。これがカクつきを生じさせるわけだが,赤線で示してあるEnhanced Syncなら激しい変動がなくなり,スムーズな表示が可能になるという

 FreeSync対応のディスプレイでなくてもスムーズな表示と低遅延が得られるというEnhanced Syncが使えるようになるのは,Radeonユーザーにとって文句なしに朗報だろう。
 なお,リリース時点だと,Enhanced Syncに対応するのはRadeon RX 500&400シリーズのみ。DirectX 12・11・9世代のゲームにおいて利用できるとのことだ。

Enhanced Syncまとめ。操作遅延を34%低減し,GPUの描画をアンロックしカクつきを92%削減することにより,FreeSyncを補完する技術とという位置づけになる
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より高画質な録画が可能になるReLive


 ゲームのリアルタイム録画&配信機能であるReLiveでは,まず,録画可能なビットレートの引き上げがトピックとなる。従来は最大50Mbpsだったのが,最大100Mbpsになり,より高画質な録画が可能になるという。

ReLiveの録画ビットレートが最大50Mbpsから100Mbpsに上がった。後から加工編集して再エンコードし,動画共有サイトへアップロードするといったときに高画質で録画できるのはありがたいはずだ
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Radeon SettingsのReLiveタブ。「録画ビットレート」の上限が100Mbpsとなっている
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 また,ReLiveにオーディオコントロールの機能が追加され,マイクの音量を制御できるようになった。さらに,マイク音量が不足気味のときに音量を嵩(かさ)上げする「音量ブースト」や,設定したキーやマウスボタンを押している間だけマイク入力が有効になる「プッシュツートーク」機能も追加となっている。
 ストリーミングや録画ファイルに記録するマイク音をReLive側でも制御可能になったわけだ。

ReLiveタブのグローバル設定に加わったマイク音関連の設定項目。マイク音量を1%刻みで設定でき,マイク音量が不足気味のときに音量を嵩上げする音量ブーストを「オフ」「低」「中」「高」の4段階から選択でき,プッシュツートーク用ホットキーを設定できる
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 使い勝手も強化を果たしており,リアルタイム配信でオーバーレイさせるカメラの映像の透過率が設定できる。また,画面上のアイコンや通知の機能も一部,改善を見ている。

ReLiveタブの「オーバーレイ設定」に,Webカメラの映像をオーバーレイ表示させるときの透過率設定が加わった。0〜100%まで10%刻みで透過率を設定できる
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新しい通知機能の例。上はインスタントリプレイ保存中にポップアップするアイコンで,下は録画中にツールバーから確認できる録画時間表示だ。これら以外にも,ストリーミングによるライブ中継中にネットワーク接続で異常が生じた場合,それをポップアップして知らせる機能も追加になっているという
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 新しいReLiveでは,以上のような機能強化を果たしつつ,メモリ周りの最適化によって「録画やライブ中継がゲームのフレームレートに与える影響」を低減したとAMDはアピールしており,この点は注目に値する。
 AMDは「Call of Duty: Infinite Warfare」を用いて例示を行っているのだが,それによれば,「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.7.1」でReLiveを有効化することによってフレームレートは6.3fps低下していたのが,同じシステムへ17.7.2ドライバを導入すると低下量は4.2fpsで済むとのことだ。

ReLiveがフレームレートに与える影響を比較したスライド。17.7.1と比べて17.7.2ドライバではオーバーヘッドが最大で約33%低減するという
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 なお,ここまで紹介してきたReLiveの新要素はGraphics Core Nextアーキテクチャを採用するすべてのGPUで利用可能とのことだ。現時点でReLiveに対応している製品であれば恩恵を受けられるものと考えられる。


ChillがDirectX 12&Vulkanに対応


Chillは新たにローレベルのグラフィックスAPIを採用するタイトルに対応
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 変化のないシーンでは意図的にフレームレートを下げることでGPUの消費電力を下げるChillは,Radeon Software Crimson ReLive Editionにおける目玉機能の1つだったが,当初はDirectX 11&9世代限定で,しかも対応タイトル数が18本限りだった。
 それが,新バージョンではDirectX 12およびVulkan APIベースのゲームにも対応できるようになった。結果として17.7.2ドライバの時点では,合計37タイトルでChillを利用できるようになっている。

このスライドだと全タイトルは出ていないが,DirectX 12およびVulkanにも対応したことにより,Chill対応タイトル数はが37本にまで増えた。まだβテスト中の「Quake Champions」も対応タイトルに入っていたりする
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 AMDによると,Chillを有効化することによってグラフィックスカードの消費電力を最大53%下げられるとのこと。そんなChillの対応タイトルが拡充になることを歓迎する人は少なくないだろう。

「League of Legends」「Dota 2」といったゲームに加えて,DirectX 12モードの「Battlefield 1」やVulkanモードの「DOOM」もChill対応となった
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 また,対象のハードウェアも拡張となり,マルチGPU構成や,「Radeon XConnect」ベースの外付けグラフィックスボックス,そしてノートPC向けRadeonでもChillを利用できるようになる。発熱が問題になりやすいマルチGPU構成やノートPCでChillをサポートしたことは重要なポイントと言っていいだろう。

17.7.2ドライバの導入で,マルチGPU環境や外付けグラフィックスボックス,ノートPCでもChillを利用できるようになる。とくに日本のRadeonユーザーにとってメリットとなりそうなのはCrossFire対応だろうか
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Frame Rate Target ControlもDirectX 12&Vulkan対応


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 目標フレームレートを設定してフレームレートが無駄に上がることを抑え,消費電力を低減するFrame Rate Target ControlもDirectX 12およびVulkanに対応する。AMDが挙げている例によると,DirectX 12モードで実行した「Battlefield 1」において,目標フレームレートを60fpsに抑えることにより,最大26%の消費電力削減を行えるそうだ。

 この機能はおそらくChillと関連しているので,Chillと同じように新しいグラフィックスAPIに対応できるようになったのだろう。

DOOMにおけるグラフィックス設定の例。「フレームレートターゲットコンロール」を有効化すると,スライダーでターゲットとなるフレームレートを設定できるようになる
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WattManに新たな設定項目が加わる


 GPUの動作クロックやファン回転などを制御するWattManに,2つの機能が追加となった。1つは,メモリクロックの上限と下限をそれぞれ設定できる機能,もう1つは,供給電力に制限をかけたり,逆に供給電力の上限を引き上げる機能だ。
 AMDは,これらの2つの設定項目を追加したことで,性能と消費電力の最適化を行いやすくしたとしている。

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WattManの右下に加わった「電力制限」のスライダーで,消費電力の上限を−50%〜+50%まで1%刻みで設定できるようになった。より高い性能を狙うときに上限を引き上げたり,逆に発熱や消費電力を下げるため上限を抑えたりといった設定を行えるわけだ
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WattManでメモリクロックの上限と下限をそれぞれ設定できるようになった。メモリクロックを抑えて消費電力の低減を図るといったカスタマイズができそうだ


ディスプレイ設定のユーザーインタフェースを刷新


17.7.1ドライバ以前ではディスプレイのカラーと色温度,ピクセルフォーマットの設定が別ウインドウになっていた
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 17.7.1ドライバ以前で,Radeon RX 400シリーズ以降でサポートされるディスプレイのカラー設定や色温度,ピクセルフォーマットといった設定項目は,変更しようとすると別ウインドウが開いていた。この「別ウインドウが開く」ユーザーインタフェースは評判が悪く,AMDに寄せられたRadeon Settings改善要望の第1位だったそうだ。
 そこで17.7.2では,これらの設定をRadeon Settings上で行えるように修正が入った。

これが新しくなったディスプレイタブ。色温度とピクセルフォーマットの設定がRadeon Settingsに収まっている
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Catalyst Control Center時代の名残りはまだある
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 ただし,Radeon Settingsの「Eyefinity」タブ以下にある「高度なセットアップ」から呼び出すことになる「Radeon Additional Settings」(Radeon追加設定)は,まだ残っている。「すべての機能をRadeon Settings上で設定可能」になるには,まだ時間が必要なようだ。

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 また,こちらも対象はRadeon RX 500&400シリーズだが,複数のディスプレイを使っているユーザーは,17.7.2ドライバの導入によって,ディスプレイごとに輝度,色相,コントラスト,彩度の設定ができるようになる。
 ちなみにこの機能,ユーザーから寄せられた要望のうち,2番めに多かったものだそうだ。

ディスプレイごとに輝度と色相,コントラスト,彩度の設定ができるようになった。マルチディスプレイ環境を同じ製品で構築している人のほうが少数派だと思われるだけに,この機能拡張はかなりありがたい
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フレームレート引き上げだけでなく遅延の低減も目指すRadeon Software


 17.7.2における新機能および機能強化点は以上となるが,もちろん性能の向上も入っている。
 AMDによると,Radeon Softwareの開発において2016年までは主にフレームレートの向上を目指してきたが,2017年からは「遅延の低減」にも取り組んでいるという。

2016年まではカクつきの低減やフレームレートの向上を目指して開発に取り組んできたが,2017年からは新たに遅延の低減も目標に加えているそうだ
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 ここでいう遅延とは操作遅延のことで,たとえばユーザーがマウスを動かしたときにそのレスポンスが画面に反映されるまでの時間を指す。今回のリリースとなる17.7.2ドライバでは全般的に操作遅延の低減を図っており,たとえば「Tom Clancy’s The Division」では17.7.1比で最大31%もの操作遅延低減を実現しているという。

Tom Clancy’s The Divisionなど,複数のタイトルで操作遅延の低減を実現しているというスライド
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 もちろん,フレームレートの引き上げをおろそかにしているということはないとAMD。また,17.7.2からはDirectX 11&9世代のタイトルでシェーダキャッシュ(※シェーダのコンパイル結果をストレージに保存して次から利用することでコンパイルの時間を削減する技術。DirectX 12用には2015年のRadeon Software Crimson Editionで導入済み)を使えるようにするという改善も入れてあるそうだ。

17.7.2ドライバではDirectX 11&9タイトルにおいてシェーダキャッシュを利用できるようになる。これにより,ゲームの読み出しにかかる時間は10%ほど低減できるという
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Linux向けドライバでも最適化は進んでいるというスライド
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 もちろん,バグフィックスも順調だとはAMDの弁。今年の末には,2018年版となる新たなRadeon Softwareが登場となるはずだが,ここでビッグマイナーチェンジを果たしたことで,「なら次はどんなサプライズが?」と,期待は高まるところだ。
 なにはともあれ,Radeonユーザーは17.7.2を試してみるといいだろう。ただし,ドライバのアップデート作業は自己責任となるので,その点だけはご注意を。

ユーザーからのフィードバックを反映し,さまざまなバグフィックスを順調に行っているとAMDはアピールしている
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AMDのドライバダウンロードページ(英語)

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