「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.10.3」公開。RX Vegaと17.10.2ドライバの組み合わせで発生する問題への対策が入る

　北米時間2017年10月28日，AMDが「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.10.3」（以下，Crimson ReLive 17.10.3）をリリースした。同23日付けで，比較的規模の大きな17.10.2ドライバを出したばかりのAMDだが，あれから1週間も経たずに新しいものを投入してきたことになる。

　その理由は明快で，17.10.2が最適化対象とした3タイトル中2タイトル，具体的には「Wolfenstein II: The New Colossus」と「Destiny 2」で，Radeon RX Vegaシリーズとの間に問題が生じたためだ。今回もリリースノートの英文和訳を試みて本稿の最後にまとめてあるが，それを見てもらうと分かるように，今回のCrimson ReLive 17.10.3ドライバは基本的に，その問題への対処のみが入ったものという位置づけになっている。

　入手先は下に示したとおり。前回，前々回同様に，WHQL（Windows Hardware Quality Labs，ウィクル）は未通過の「Optional」版としての登場であることと，最近のAMDはRadeon RX Vegaシリーズとそれ以前のGPUとでドライバの入手先を分けているのだが，入手できるインストーラは同じため，4Gamerではリンク先を1つにしてあることは，あらかじめお伝えしておきたい。

→64bit版Windows 10用Crimson ReLive 17.10.3
→32bit版Windows 10用Crimson ReLive 17.10.3（※Radeon RX・Pro Duo・R9 Fury・R9 300・R7 300シリーズは非対応）
→64bit版Windows 7用Crimson ReLive 17.10.3
→32bit版Windows 7用Crimson ReLive 17.10.3（※Radeon RX・Pro Duo・R9 Fury・R9 300・R7 300シリーズは非対応）

→ノートPC向けの64bit版Windows 10用Crimson ReLive 17.10.3
→ノートPC向けの32bit版Windows 10用Crimson ReLive 17.10.3（※Radeon R9 M300・R7 M300・R5 M300シリーズは非対応）
→ノートPC向けの64bit版Windows 7用Crimson ReLive 17.10.3
→ノートPC向けの32bit版Windows 7用Crimson ReLive 17.10.3（※Radeon R9 M300・R7 M300・R5 M300シリーズは非対応）

→4Gamerの最新ドライバリンクページ

※2017年10月時点でAMDは，「Radeon R9 FuryシリーズとRadeon Pro Duo，Radeon RX 400シリーズでは64bit版Windows 10・8.1・7に対応，Radeon RX 500シリーズでは64bit版Windows 10・7に対応」というスタンスだ。Windows 8.1用ドライバは，64bit版が「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.7.1」，32bit版が「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.1.2」を最後に更新されていない。

　「Display Driver」のバージョンは「17.40.1021.1011-171026a1-319547E-CrimsonReLive」。17.10.2ドライバは「17.40.1021-171020a-319291E-CrimsonReLive」だったから，いかにも「17.10.2の派生版」といった趣である。
　というわけで，17.10.2ドライバを導入済みの人のうち，Radeon RX Vegaシリーズを使っている人が，Crimson ReLive 17.10.3の対象ユーザーということになるだろう。対象となる人には自己責任でのアップデートを推奨しておきたいが，そうでないなら，見送ってしまっても構わないと思われる。


＃＃＃＃　以下，英文リリースノートまとめ　＃＃＃＃

●Crimson ReLive 17.10.3の対応GPU

• Radeon RX Vegaシリーズ
• Radeon RX 500・400シリーズ
• Radeon Pro Duo
• Radeon R9 Furyシリーズ
• Radeon R9 300・200シリーズ
• Radeon R7 300・200シリーズ
• Radeon HD 8500以上のRadeon HD 8000シリーズ
• Radeon HD 7700以上のRadeon HD 7000シリーズ
• Radeon R9 M300・M200シリーズ
• Radeon R7 M300・M200シリーズ
• Radeon R5 M300・M200シリーズ
• Radeon HD 8500M以上のRadeon HD 8000Mシリーズ
• Radeon HD 7700M以上のRadeon HD 7000Mシリーズ

●Crimson ReLive 17.10.3が統合するコンポーネント
（※比較対象はRadeon Software Crimson ReLive Edition 17.10.2）

• Display Driver Package：17.40.1021.1011-171026a1-319547E-CrimsonReLive（←17.40.1021-171020a-319291E-CrimsonReLive）
• Radeon Settings：2017.1026.2226.38569（←2017.1020.1706.30751）
• 2D Driver：8.1.1.1614
• Direct3D：9.14.10.01304
• OpenGL：6.14.10.13497
• OpenCL：23.20.782.259（←23.20.782.0）
• Mantle：9.1.10.0228
• Mantle API：102400
• Audio Driver：10.0.1.4
• Vulkan Driver：1.7.0
• Vulkan API：1.0.54

●Crimson ReLive 17.10.3における最適化
（※比較対象はRadeon Software Crimson ReLive Edition 17.10.2）

• リリースノートに記載なし

●Crimson ReLive 17.10.3における新要素

• リリースノートに記載なし

●Crimson ReLive 17.10.3で解決した問題

• Radeon RX Vegaシリーズ搭載環境で「Wolfenstein II: The New Colossus」を実行したとき，（システムが）クラッシュもしくはアプリケーションがハングすることのある問題（※丸括弧内は筆者推測。原文は「Wolfenstein II: The New Colossus may experience a crash or application hang on game launch with Radeon RX Vega series graphics products.」で，クラッシュする主体は書かれていないのだが，次の項目には書かれているので，異なる主体だと判断した）
• Radeon RX Vegaシリーズ搭載環境で「Destiny 2」を実行し，シングルプレイヤーモードのミッション6をプレイしたとき，ゲームがクラッシュもしくはアプリケーションがハングすることのある問題（※原文は「Destiny 2 may experience a game crash or application hang during single player mission six on Radeon RX Vega series graphics products.」で，クラッシュするのが何か，こちらには書いてある）