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「Radeon Software 20.11.3」がリリース。Vulkan APIのレイトレーシング機能「Vulkan Ray Tracing」に対応
2020年11月3回めのリリースとなった本バージョンは,WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)未通過の「Optional」(随意選択)版で,トピックは大きく2つある。
1つは,12月3日発売予定のアクションゲーム「Immor
もう1つは「Vulkan Ray Tracing」への対応である。グラフィックスAPI「Vulkan」にリアルタイムレイトレーシング機能を加えるVulkan Ray Tracingは,2020年4月に暫定版がリリースされており,11月23日には正式版が発表となった。Adre
そのほかに,前バージョンで報告されていたRDNAアーキテクチャベースのRadeon RX 6000/5000シリーズで生じていた不具合の一部が修正されている。
AMDはゲーマーに対してOptional版ドライバの導入を推奨しているので,対象のGPUやAPUを使っているのであればAdre
→AMDのドライバダウンロードページ
https://www.amd.com/ja/support
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
https://www.4gamer.net/games/999/G999902/FC20110422001/
いつもどおり,英文のリリースノートから,新機能を含めたポイントをまとめておこう。
### 以下,英文リリースノートまとめ ###
●Adrenalin 2020 20.11.3の対応GPU
- Radeon RX 6800シリーズ
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon VII
- Radeon RX Vegaシリーズ
- Radeon RX 600・500・400シリーズ
- Radeon Pro Duo
- Radeon R9 Furyシリーズ
- Radeon R9 300・200シリーズ
- Radeon R7 300・200シリーズ
- Radeon R5 300・200シリーズ
- Radeon HD 8500以上のRadeon HD 8000シリーズ
- Radeon HD 7700以上のRadeon HD 7000シリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
- Radeon R9 M300・M200シリーズ
- Radeon R7 M400・M300・M200シリーズ
- Radeon R5 M300・M200シリーズ
- Radeon HD 8500M以上のRadeon HD 8000Mシリーズ
- Radeon HD 7700M以上のRadeon HD 7000Mシリーズ
●Adrenalin 2020 20.11.3の対応APU
- Ryzen 4000Gシリーズ
- Ryzen 3000Gシリーズ
- Ryzen 2000Gシリーズ,Athlon 200GEシリーズ
- Ryzen PRO 2000Gシリーズ,Athlon PRO 200GEシリーズ
- A-Series APUs with Radeon Graphics
- Pro A-Series APUs with Radeon Graphics
- Ryzen Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon Mobile Pro ces sors with Radeon Vega Graphics - Ryzen PRO Mobile Processors with Radeon Vega Graphics,
Athlon PRO Mobile Proces sors with Radeon Vega Graphics - ノートPC向けFX-Series APUs with Radeon Graphics,
A-Series APUs with Radeon Graphics - ノートPC向けA-Series PRO APUs with Radeon Graphics
- Sempron Series APUs with Radeon R3 Graphics
- E2-3000シリーズ以降のE-Series APUs with Radeon R2 Graphics
- A4-5000番台のAMD A4-Series APU for Desktop
- A4-5000番台のAMD A4-Series APU for Laptop
- E2-3000シリーズ以降のE-Series APUs with Radeon R2 Graphics
●Adrenalin 2020 20.11.3が統合するコンポーネント(※比較対象はAdre
- Display Driver Package:20.45.01.24-201125a-361677E
-Rad eon Soft ware Adre nalin 2020 (←20 .20 .33 .02 -201 105a -360 732E -Rad eon Soft ware Adre nalin 2020) - Radeon Settings:2020.1125.1407.25415(←2020.1113.1501.27036)
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D:9.14.10.01471
- OpenGL:26.20.11000.14757
- OpenCL:記載なし
- Mantle:記載なし
- Mantle API:記載なし
- Audio Driver:10.0.1.16
- Vulkan Driver:2.0.168(←2.0.159)
- Vulkan API:1.2.159(←1.2.152)
●Adrenalin 2020 20.11.3おける最適化
- 記載なし
●Adrenalin 2020 20.11.3における新要素
- 「Immortals Fenyx Rising」に対応
- Vulkan Ray Tracingに必要な5つのVulkan Extensionに対応。各Extensionの機能については公式のドキュメントを参照してほしい。
・VK_KHR_acceleration_structure
・VK_KHR_ray_tracing_pipeline
・VK_KHR_ray_query
・VK_KHR_pipeline_library
・VK_KHR_deferred_host_operations - 以下のVulkan Extensionに対応
・VK_KHR_fragment_shading_rate:フラグメントシェーディングのレートを変更する。レートを調節することでシーン内に高レベルと低レベルのシェーディングを混在させることが可能で,それによりフレームレートを向上できる
・VK_KHR_shader_terminate_invocation:SPIR-Vの「SPV_KHR _termi nate _invo cation」に対応する拡張
●Adrenalin 2020 20.11.3で解決した問題
- Radeon RX 6000シリーズで,「Watchdogs: Legion」と「Dirt 5」の処理性能が低いことのあった問題
- Radeon RX 5000/500/400シリーズで「Godfall」の処理性能が低いことのあった問題
- Radeon SoftwareがGodfallを検出できず,ゲームタブに表示できないことのあった問題
- Radeon RX 6800シリーズで「Crysis Remastered」におけるキャラクターモデルの表示が破綻することのあった問題
- 「Total War Saga: Troy」および「World of Warcraft: Shadowlands」が間欠的にクラッシュすることのあった問題
- Windows 7環境でWorld of Warcraft: ShadowlandsのDirectX 12を有効にすると,起動に失敗することのあった問題
- 「Call of Duty: Black Ops Cold War」でDirectX Raytracingを有効化すると,間欠的にクラッシュすることのあった問題
- 「DOOM Eternal」でHDRのレンダリングを使用してプレイすると,Windows 10のHDRモードが無効になることのあった問題
- 「Adobe Illustrator」「Adobe Premier」「FinalWire AIDA64」で報告されていた問題(※詳細は未公開)
- Radeon RX 6800シリーズにおいて「Red Dead Redemption 2」を解像度1920×1080ドットでプレイすると,表示が破綻することのあった問題
●Adrenalin 2020 20.11.3における既知の問題
- 一部のゲームでボーダーレスのウインドウ表示を使用していた場合,FreeSyncが有効になっていると,ゲーム画面がちらつく場合がある
- 「Metro Exodus」「Shadow of the Tomb Raider」「Battle
field V」 「Call of Duty: Modern Warfare」でDire ctX Ray trac ingを有効にすると,ゲームがクラッシュすることがある - RDNAアーキテクチャのGPUでは,Radeon Softwareにおける異方性フィルタリングの設定がDirectX 9対応アプリケーションで有効にならない
- RDNAアーキテクチャのGPU搭載システムにおいて,一部のゲームでボーダーレスのウインドウ表示を使用したうえで,セカンダリ以降のディスプレイで「Netflix」のアプリケーションを実行すると,画面がカクつくことがある
- Radeon HD 7800シリーズでは,Radeon Softwareによる録画やストリーミング機能が機能しないことがある
- 「HDMI Scaling」のスライダーを変更すると,フレームレートが30fpsに固定されることがある
- Radeon RX 5700シリーズでは,「Performance Metric Overlay」やパフォーマンスチューニングタブでアイドル時に実際より高いクロックが表示されることがある。表示が誤っているだけで,実際の消費電力や性能に影響はない
- 一部のゲームやシステム構成で「Enhanced Sync」を有効にすると,画面が黒くなることがある。Enhanced Syncを無効にすれば,この問題を一時的に回避できる
- PolarisアーキテクチャベースのGPUとRadeon Vegaシリーズで「Oculus Link」を使用すると,クラッシュすることがある
- Immortals Fenyx Risingが拡張ディスプレイ側で実行されているときにRadeon Software Overlayを呼び出すと,画面がちらつくことがある
- ハイブリッドグラフィックス構成で拡張ディスプレイを接続して「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」のVulkan APIを有効化すると,表示が破綻することがある
- オーバークロックツール「MSI Afterburner」使用時に画面がちらつくことがある
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AMD Software
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