「アラド戦記」の10周年記念感謝祭が開催。「アラド戦記 モバイル版（仮）」の日本展開もアナウンスされた会場の模様をレポート

　ネクソンは2016年10月1日，オンラインアクションRPG「アラド戦記」のサービスイン10周年を記念したオフラインイベント「10周年記念感謝祭」を，東京都内で開催した。このイベントでは，本作のNo.1プレイヤーを決定する「天下一決定戦2016」の決勝大会と，今後のアップデートに関する情報の公開が行われた。本稿では，その会場の模様をレポートしよう。

イベントのMCを務めた森 一丁さん（写真左）と，ゲストのプロレスラー・松田慶三選手（写真右）

2016年10月から2017年上期に掛けて行われるアップデートの情報が公開

　それでは，会場で公開されたアップデート情報からお伝えしていこう。最初に紹介されたのは，決闘場の「総力戦モード」だ。これは同一アカウントかつ同一サーバーにいるキャラクターの中から3体を選んでチームを編成し，決闘（PvP）ができるというもの。チームは代表1体，メンバー2体という構成になる。


　ギルドコンテンツには「ギルドアジト戦争」が追加される。これは，味方のアジトに施設を建てて防衛しつつ，敵の施設を攻撃するといったギルド間の攻防となる。参加できるのは，ギルド加入が可能なレベル17以上のキャラクターだ。
　なお攻撃や防衛には，参加可能キャラクターが適正レベルダンジョンをクリアするごとに得られる「軍資金」を使うとのこと。軍資金はほかにも，ギルドアジトの装飾に使えるそうだ。


　キャラクターバランス面では，各職業のスキルオプションと，関連する装備アイテムのオプションが変更される。
　またシステムには，「オーラアバター」に「スキンスロット」が追加され，装着したオーラの能力を維持したまま，別のオーラのエフェクトに変更可能となる。
　さらに「修練の部屋」には，ダウン状態やハイパーアーマー状態など特定の状態効果を付与したモンスターを召喚できる機能が追加される。
　そのほか，メニューに頻繁に使う項目だけを表示できる編集機能なども追加されるとのことだ。


　新ダンジョンの「覚醒アントン」は，構造が一般アントンダンジョン，モンスターがアントンレイドという組み合わせで，4人パーティ向けとなる。またクリア報酬として，これまでアントンレイドでしか獲得できなかった「救援の利器」などが排出される。

　外伝キャラクターの「ダークナイト」と「クリエイター」には，「自覚」と銘打って新スキルを追加。これに伴って一部装備のオプションが変更となる。


　大型アップデート「Season5.魔界」では，レベルキャップが従来の86から90に引き上げられ，レベル90装備が追加される。合わせて新マップが追加され，新しい拠点やダンジョンも登場する。

　複雑なシステムやクエストがなく，代わりにキャラクター育成支援機能が用意された「シーズンサーバー」も登場。モンスターが通常のサーバーよりも強めに設定されているという。


　男メイジに3種類の新職業が追加される。このうち「ブラッドメイジ」は槍をメイン武器とし，物理属性で中距離攻撃を得意とする。また「スイフトマスター」は棒をメイン武器とし，回避からの攻撃が特徴となる。そして「ディメンションウォーカー」は，箒をメイン武器とし，次元の向こうの力を操って戦うメイジだ。


　さらに会場ではメインキャラクター4体，外伝キャラクター2体のボイスがリニューアルされることが明かされた。男鬼剣士は古川 慎さん，女格闘家は井上麻里奈さん，男ガンナーは諏訪部順一さん，女メイジは悠木 碧さん，ダークナイトは安元洋貴さん，クリエイターは水橋かおりさんが，それぞれボイスを演じるとのこと。


　なお，以上のアップデートの実装時期は，2016年10月から2017年上期となっている。具体的な日程など，詳細については続報に期待してほしい。

開発チームがプレイヤーからの質問に回答。モバイル版は2017年にリリース

　続いて，「アラド戦記」の開発を手がける韓国Neopleの開発者4名が，プレイヤーから事前に募集した質問に答えるコーナーが設けられた。以下に質問と回答を列挙していこう。

Neopleの「アラド戦記」開発チーム

Q1：この10年間，開発チームの中で変わったこと，変わらなかったことを教えてください。

A1：時の流れに合わせて「アラド戦記」は大きく変わりました。たとえばサーバー環境やクライアントは逐次改善してきましたが，とくにサーバーファイルの容量は当初数百メガ単位だったのが，今では数ギガ単位となっています。
　一方，Neopleやネクソンのスタッフ，そしてプレイヤーの皆さんが「アラド戦記」に抱く熱意は10年経った今も変わっていないと信じています。

Q2：過去に販売されたアバターやパッケージを，また購入できるようになりませんか。

A2：年末などの特別な時期に再販を検討する可能性があります。ただしコラボレーションアバターに関しては，再販できませんのでご了承ください。

Q3：開発チームで人気のキャラクターを教えてください。

A3：特定のキャラクターに大きく偏ってはいないのですが，強いて挙げるなら女ガンナー，シーフ，男格闘家が人気です。スタッフの多くは，容姿とプレイスタイル，そしてエピック装備を入手できたかどうかで使用キャラクターを決めているようです。

Q4：新しいアバターは，どのように企画しているのですか。

A4：日本向けのアバターは，可能なかぎり日本のプレイヤーの好みに合わせようと努力しています。

Q5：「アラド戦記」の開発で一番苦労したことは何でしょうか。

A5：何よりも不具合への対応です。不具合が発生した場合，プレイヤーの皆さんが不便を被らないよう急いで修正します。
　また長くサービスを続けていますから，プレイヤーの皆さんの要求レベルも相当高くなっています。そうした要求に見合ったコンテンツやアバターを企画開発することも難題の一つとなっています。

Q6：職業について，優遇・不遇があると感じることはありますか。

A6：プレイヤーの皆さんが好みで選択できるよう，キャラクターごとに特徴付けをしていますので，その優劣を語るのは難しいです。その一方で，随時バランス調整を行うことにより，キャラクターに格差が生じないよう努めています。

Q7：狩りと決闘，どちらをプレイすることが多いですか。

A7：狩りの比率が高いですが，もちろん決闘も楽しんでいます。決闘には発表されたとおり総力戦が追加されますし，世界大会も開催されますので今後の展開にご期待ください。

Q8：お気に入りのキャラクターカットインを教えてください。

A8：エイプリルフールのカットインなどが個人的に気に入っています。また最近のカットインは意識して派手にしていますので，注目していただけると嬉しいです。

さまざまなカットインの例

Q9：ドット絵でアバターを制作するのは大変な労力が必要になると思うのですが，実際どうなのでしょうか。

A9：おっしゃるとおり，アバターの制作には多大な時間と労力が必要です。以前はすべて開発チームで一つ一つ手作業で作っており，中には完成まで1か月以上掛かったものもあります。最近では開発チームで基本となる仕様を作り，アニメーション部分は外部に制作を発注しています。これからも皆さんの好みに合ったアバターを提供できるよう注力していきますので，よろしくお願いします。

会場では，アバター作成の手順などが示された

Q10：日本におけるアップデートは韓国や中国より遅れていますが，今後差を縮めることはできますか。

A10：韓国で各コンテンツを開発したのち，日本向けにローカライズする時間が必要ですから，どうしてもある程度の時間的なギャップが生じてしまいます。
　とは言っても，以前は半年から1年ほどの遅れだったところを，今では3〜4か月ほどまで差を縮めています。この差をより縮められるよう，今後も努力していきます。

Q11：「アラド戦記」は20周年を迎えられると思いますか。

A11：「アラド戦記」が10周年を迎えられたのは，プレイヤーの皆さんのおかげです。10年前，このタイトルがこれだけ長く続くとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。
　しかし今，こうして皆さんと私は「アラド戦記」の10周年を祝っています。その事実を踏まえると，20周年も決して夢ではありません。


　さらに会場では，モバイル版「アラド戦記」のリリースに関する発表が行われた。配信開始は2017年内を予定しており，詳細は追って公開される。

会場では「アラド戦記 モバイル版（仮）」のPVが上映された。映像では，ゲーム画面の右下に並ぶスキルアイコンなどが確認できる

「天下一決定戦2016」の決闘部門は波乱含みの展開に！

　天下一決定戦2016の決勝大会は，決闘部門とダンジョンタイムアタック部門に分かれて開催された。
　決闘部門では，予選を勝ち抜いた6名の選手に，天下一決定戦2015の優勝者・準優勝者を加えた8名がトーナメント形式で腕を競った。

• Sishin選手（使用キャラクター：クリムゾンローゼ）
• ヒナ選手（使用キャラクター：アシュタルテ）
• paper‐pack選手（使用キャラクター：レイヴン）
• Mule選手（使用キャラクター：念帝 閉月羞花）
• 龍覇暫選手（使用キャラクター：因陀羅天）
• レバリー選手（使用キャラクター：プライム）
• 梢.選手（使用キャラクター：ストームトルーパー ※天下一決定戦2015優勝）
• 小鳥遊結衣選手（使用キャラクター：阿修羅 ※天下一決定戦2015準優勝）

左からSishin選手，ヒナ選手，paper‐pack選手，Mule選手

左から龍覇暫選手，レバリー選手，梢.選手，小鳥遊結衣選手

　トーナメントは前回準優勝の小鳥遊結衣選手が1回戦で敗退，続く準決勝では小鳥遊結衣選手を破ったpaper‐pack選手が，事前に行われた優勝予想でもっとも投票の少なかったレバリー選手に敗れるという波乱含みの展開となった。
　決勝戦では，そのレバリー選手と，順当に勝ち上がってきた前回優勝の梢.選手が，先に2勝したほうの優勝というルールで対決。1試合めはキャラクターの相性で不利とされるレバリー選手が，類まれなる集中力で梢.選手の攻撃を回避するなど見事な立ち回りを見せて勝利を収め，会場を沸かせた。しかしそのあとは，闘志に火の付いた梢.選手がレバリー選手を圧倒。2試合め，3試合めを制した梢.選手が2連覇を達成した。


　ダンジョンタイムアタック部門には，予選を勝ち抜いた以下の4名の選手が参戦した。

• くのゐっちょ選手（使用キャラクター：シラヌイ）
• いぇっか選手（使用キャラクター：覇皇）
• 妖怪退散っ！選手（使用キャラクター：太乙仙人）
• KSHD選手（使用キャラクター：レイヴン）

左からくのゐっちょ選手，いぇっか選手，妖怪退散っ！選手，KSHD選手

　決勝戦に進出したのは，くのゐっちょ選手と妖怪退散っ！選手。どちらも甲乙付けがたい腕前だったが，ダンジョンの一つ「堅固な脚」の攻略が命運を分け，妖怪退散っ！選手が優勝した。


　また会場では，決闘の世界大会「2016 DNF F1ワールドチャンピオンシップ」の開催が決定したとのアナウンスがなされた。日本代表選手4名はあらためて発表されるとのことだが，彼らの活躍に期待が高まるところである。

「アラド戦記」の知識を問う来場者参加企画「○×クイズ大会」も行われた

「アラド戦記」公式サイト