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印刷2008/06/04 21:12

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ゲーム作りを支える裏方が結集,Game Tools & Middleware Forum 2008開催

 本日(6月4日),東京大手町サンケイプラザで「Game Tools & Middleware Forum 2008」が開催された。
 国内外の各種ゲーム用ツール&ミドルウェアメーカーが集まり展示と講演を行った。Photoshopのような一般的なツールからゲームエンジンまで,ゲームにおける活用方法が広く紹介された。

本格3DエンジンDAIKOKU,YEBIS


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 国産でゲームエンジンと呼べるクラスのミドルウェアを開発しているシリコンスタジオは,DAIKOKU,YEBISの3Dエンジンを展示していた。DAIKOKUがレンダリングエンジンで,YEBISはポストプロセス用のエンジンだ。DAIKOKUは,要するに難しいことをしなくても最新の3D機能が,いわゆる固定機能的に使用できるというもので,それまで3Dゲームは出していたけどシェーダなんて全然分からないといったメーカーには歓迎されそうな製品だ。ノーマルマップやパララックスマップをはじめ,最近のトレンドになっている処理がほぼパラメータの調整だけで使用できるという。
 YEBISには,日本シェーダ界の第一人者である川瀬氏が参画していることもあってか,PS3やXbox 360ではオーバースペック気味じゃないかというような処理も満載されていた。めいっぱいクオリティ設定に振って処理すると,「次の次世代機」でも通用するくらいの絵が出るとのこと。シーンによって,クオリティを取るかパフォーマンスを取るかは細かく設定できる。HDR処理を使えばフォトクオリティだが,あえて疑似HDR処理も用意するなど現実的なソリューションとなっているようだ。

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コードを書かないGUIベースの開発ツール
VirTools 4/3DVIA mp

 
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 フランスのダッソーシステムズが開発しているVirtools 4は,GUIベースのオーサリングツールだ。プログラムを書かなくてもゲームの処理を記述することができる。
 それなりのアセット(大道具小道具)さえできていれば,プログラムをしない(できない)ゲームデザイナーでも比較的簡単に実際に遊べる程度のものを作れる。
 オブジェクトを画面にドラッグ&ドロップして,そのオブジェクトに対して機能(ビルディングブロック)をドラッグ&ドロップで割り当てるとさまざまな処理が可能になるという感じ。ビルディングブロックとしては,各種外部ミドルウェア,例えばHavokなどのオプションミドルウェアを組み込める。物理シミュレーションなども簡単に行え,相当いろんなことができるツールである。SDKを使用すれば,独自の機能を追加していくことも可能だ。
 出力されたデータは,各機種用のプレイヤープログラムで再生できるので,このツールで作ったものをそのままマルチプラットフォームのゲームとして出してしまう場合もあるそうだが,主にゲームを作る前のプロトタイピングで使われているという。
 後継製品となる3DVIA mpでは,大規模なチーム開発に対応した拡張が行われており,グラフィックスデザイナ,シナリオデザイナ,テスターなどの役割ごとのビューを備えたツールとなっている。対応機種はPS3,Xbox 360 ,PCに限定されてしまうものの,インスタンシングで1000体以上のキャラクターを動かすなどのデモも行われており,シェーダなどの表現力も上がっている。

データ圧縮で幸せになれるか?


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 CRI・ミドルウェアでは,データ圧縮を中心とした展示を行っていた。ゲーム機でしばしば問題になるロード時間の短縮に取り組んでいた。
 ロード時間を短くするには,読み込むファイル自体を小さくすればいいとか,一度に読み込むファイルは連続配置しておくといいというのは,分かりやすい話だろう。
 ゲームデータはだいたい元の4割程度に圧縮が可能であることが多いため,圧縮してロードすることで,ロード時間は1/2.5,2.5倍の高速ロードが可能になるという。CRIのミドルウェアでは,展開後の大きさのバッファを確保して,そこに圧縮ファイルを読み込み,自動的に展開するという作業が実現されている。一度,圧縮したファイルを読んでどこかに展開して……といった面倒な処理は必要ない。それだけだとデータによっては,絶対に破綻しそうな気はするのだが,うまく上書きされないように調整しているらしい。
 データの連続配置でも独自の工夫が見受けられる。多くのゲームでは,ゲームの進行中にいろんなデータを読み込んでいったりするわけだが,テストプレイヤーの行動からログを取り,読み込むファイルの最適配置を決定するのだという。
 また,DVD-ROMの外周部分は,内周より速く動いているため,ちゃんと動けばデータの高速転送も狙えるのだろうが,実際にはリードエラーが多発しやすく経年変化にも弱いので,よく使うデータを置いてはならないとのこと。ロード時間短縮のために,さまざまなノウハウを集めているようだ。

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3D定位に対応したDolbyのチャットシステム


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 Dolby Japanは,ゲームで使用するボイスチャット向けのソリューションDolby Axonを発表した。これは,ゲームと連動して,キャラクターの位置や向き,距離などに応じて音声を定位させるもので,専用ボイスチャットサーバーを使って実現される。
 専用サーバーを利用することで,P2P主体だった従来のボイスチャットに比べ,人数が増えるほど負荷が軽くなるという。人数の2乗でセッション数が増えていく従来方式に比べれば,サーバーとのやり取りは上り下り1セッションずつで済むので,クライアント側の負荷が減り,音切れやラグが解消されるという。
 キャラクターとの距離や途中の遮蔽物の状況などでボイスチャットの音量が変わったりするという。一般的なボイスチャットの使用方法を考えると,遠くにいる人の声が聞こえないのはマズい気もするのだが,そのあたりはいくらでも設定で変更可能。チャット音声を利用した新たなゲーム性への応用も考慮されているようで,少し気になる技術となっている。

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マルチコアに対応したGamebryo 2.5


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 エマージェントのGamebryoは,韓国のオンラインゲームで圧倒的なシェアを持つことで知られるが,「The Elder Scrolls IV: Oblivion」で採用されて一躍名を上げたといってよいだろう。もともとマルチプラットフォームで知られるエンジンなのだが,最近のコンシューマゲーム機を並列処理で使いこなそうとすると,かなり面倒だったらしい。それが,2.5では解決されているという。
 日本ではほとんど使われていないゲームエンジンだが,世界的には300タイトル以上で使用されている。ようやく日本での本格的な販売が始まり,マニュアルやサポートなどをすべて日本語で行う体制がとられるとのこと。日本でどの程度使われるようになるかに注目したい。
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