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NHN PlayArtがノベルゲームの企画開発をテーマにした「第2回 PlayArt Game Jam」を開催。参加した9チームが2日間で作り上げた作品をレポート
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印刷2014/10/31 16:39

イベント

NHN PlayArtがノベルゲームの企画開発をテーマにした「第2回 PlayArt Game Jam」を開催。参加した9チームが2日間で作り上げた作品をレポート

画像集#001のサムネイル/NHN PlayArtがノベルゲームの企画開発をテーマにした「第2回 PlayArt Game Jam」を開催。参加した9チームが2日間で作り上げた作品をレポート
 NHN PlayArtは,2014年10月25日から26日にかけて,ゲーム開発イベント「第2回 PlayArt Game Jam」を,東京・渋谷にある同社内にて開催した。このイベントは2013年に実施されたPlayArt Game Jamの第2回にあたり,会場にはゲーム開発のプロ・アマ問わず,約50名の参加者が集まった。本稿では,10月26日に行われた作品発表の模様をお伝えしよう。

 ゲームジャム(またはハッカソン)というと,当日集まった参加者達が即席でチームを組み,提示されたテーマに沿って短時間でゲームの企画/開発を行うのが基本だ。ただし,今回は,チームでの参加も認められており,最終的に2〜6名の9チームがゲーム開発にチャレンジした。ちなみに,参加者は学生が中心だが,中には50代という人もおり,ゲームジャムという概念が幅広い層に浸透しつつあることをうかがわせた。

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 今回のテーマとなったのは,「ノベルゲームの企画開発」だ。これは,ノベルゲームが日本の代表的なゲームジャンルの一つであることもそうだが,アーティスト(イラストレーター,グラフィックスデザイナー)に焦点を当てる狙いがあったという。一般的なゲームジャムは短時間でゲームの完成を目指すことから,どうしてもチームがプログラマ中心となってしまいがちだが,今回はまた違った方向性を目指したというわけである。
 また,そうしたことから開発ツールは何を使ってもOKで,加えてゲームのシナリオは参加者がその場で書くもの以外にも,オリジナル作品の持ち込みや,Unityのアドベンチャーゲーム用アセット「宴」に用意されているテンプレートシナリオの使用が認められていた。

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 それでは,今回参加した9チームがどのようなゲームを作り上げたのか,以下に紹介していこう。

●チームA「Melos」
 太宰 治による短編小説「走れメロス」をモチーフにした乙女ゲーム。登場キャラクターの性格などは乙女ゲーム向けにアレンジされているが,シナリオは原作に沿っており,途中の選択によって展開が変わる。ちなみに,このチームは2名で構成されており,今回参加した中では最小の編成となる。乙女ゲームということで男性キャラクターの全セリフにボイスが付いているのだが,すべて一人で演じたとのことだ。

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●チームB「人狼 ザ・サスペンスノベルゲーム」
 アナログゲーム「人狼」をモチーフにしたゲーム。シナリオは密室と化した館で発生する殺人事件を描いており,プレイヤーを含め7人の登場キャラクターは,すべて犯人として疑われている状況となる。プレイのキーとなるのは,ほかのキャラクターから信頼を得られる効果をもたらす「Passion」コマンド。プレイ中に出てくる選択肢だけでなく,どのタイミングでPassionを使うかによってプレイヤーの命運が決まる。

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●チームC「ときめき☆妖怪学園」
 妖怪の女の子達との学園生活を楽しむ恋愛ゲーム。2日間で書き上げたシナリオのボリュームは2万字にも及んでおり,感動的なエンディングも用意されているという。チームメンバーは「よく言えば本能の思うがままにゲームを作れた,悪く言えば盛り込みすぎた」とコメントしていた。

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●チームD「Siri+」(シリプラス)
 iOSの音声認識インターフェイス「Siri」をモチーフにした恋愛ゲーム。ヒロインのセリフの一部には,チームメンバーの一人が夜通しSiriと会話してサンプリングした50種類以上のボイスが使われている。こちらの作品も,終盤にはドラマチックな展開が待ち受けているとのこと。

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●チームF「殴れ! メロス」
 「走れメロス」のラストシーンをモチーフにしたゲーム。ノベルゲームっぽくないものを目指したとのことで,選択肢は基本的に「殴る」「殴られる」「よける」しかない。主人公のメロスを含め登場キャラクターには体力の概念があり,シーンごとに殴るかどうかを見極めつつ,最終的に全員を倒せばハッピーエンドにたどり着ける。またこのチームはサウンド専任のメンバーを用意しており,BGMやSEはすべてオリジナルで制作されていた。

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●チームH「です♥まあち 〜主人公子のねむれない1日〜」
 ゲーム開発の現場を描いた作品で,システムは既存のものではなく,Unity上でフルスクラッチで作り上げたという。ゲームはストーリーパートと,開発過程を表現するミニゲームパートが交互に展開していく。とくに終盤で登場するデバッグのミニゲームは,締め切り時間ギリギリになってようやく動作したとのことで,チームメンバーは「ゲームジャムならではの緊張感を堪能できた」とコメントしていた。

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●チームI「オタ・サー国の姫君」
 一人の女性が国家を崩壊させる,いわゆる“傾国の美女”的な内容のゲーム。当初は笑いの要素を盛り込んだ仕上がりを想定していたが,プロットを決めてシナリオを書き進んでいるうちに,ドロドロした人間関係を描いたシリアスなノリになってしまったという。システム上の特徴は,3Dグラフィックスで表現されるダンジョン探索モードで,ノベルゲームなのにちょっとしたアクション要素がある。

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●チームJ「災厄のユヴォール」
 中世ヨーロッパの架空の小国「ユヴォール」を描いたゲームで,若き王である主人公は1年周期で訪れるさまざまな試練を乗り越えていくこととなる。序盤は穏やかな雰囲気だが,次第に隠されていた国の秘密に迫っていくドラマチックな展開になるとのこと。ストーリーはいわゆる一本道だが,BGMのチョイスなど演出にこだわっている。

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●チームK「時間逆転 御伽草子」
 有名な昔話をモチーフに,敢えて時間の進行を逆転させて話をさかのぼることにより,本当にハッピーエンドになるような物語だったのかどうかをプレイヤーに問い掛けるというゲーム。チーム内にイラストレーターが3名いたおかげで,キャラクターの立ち絵や背景などの絵素材を,ほぼすべて時間内に完成させられたという。

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 作品発表が終わったあと,今回のイベントを手がけたNHN PlayArtの溝口達洋氏およびUnity Technologies Japanの鎌田泰行氏に話を聞いてみたところ,今回のゲームジャムは,記事冒頭に記したとおりアーティストに焦点を当てた前例のない内容だったために,やってみるまでどうなるか分からず不安な面もあったという。フタを開けて見ればアーティストとプログラマそれぞれからバランスよく応募があり,また会場でも各チーム内の分業がスムーズになされるという結果が得られたとのことだった。

NHN PlayArt 溝口達洋氏(左)とUnity Technologies Japan 鎌田泰行氏
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 NHN PlayArtでは,今後も引き続きPlayArt Game Jamを展開する予定とのことだが,今回の結果を受け,特定のジャンルや職種を軸にした内容についても検討していくという。そうした試みの中で,さまざまな人達の才能が,さまざまな形でゲームとして結実していくことに期待したい。

作品発表のあとには,参加者が各チームの作品を試遊し,意見を交換し合う光景も見られた
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PlayArt ビジュアルノベルゲームジャム公式ページ

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