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Access Accepted第524回:2017年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)
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印刷2017/01/16 12:00

業界動向

Access Accepted第524回:2017年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

画像集 No.001のサムネイル画像 / Access Accepted第524回:2017年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 2017年の第1弾となる本連載だが,今週は年始恒例「今年注目したい欧米産新作タイトル」をお届けしよう。1年に何千本もの新作が投入され,もはや人気タイトルの続編や,予算をかけたビッグタイトルでさえ,売れるかどうかは分からない状況が続く欧米ゲーム市場。“注目タイトル”を選ぶのはますます難しくなってきたが,ともあれ,筆者がピックアップした40作のうち,前半となる今週は,前編として20作を紹介したい。


欧米ゲーム業界は
「混沌の年」から「飛躍の年」に生まれ変れるか?


 気がつけば,2017年。いつものように,Game Developers ConferenceE3gamescom,そして東京ゲームショウと,恒例かつ重要なイベントが次々にやってきて,それに対応している間に,1年などまたたく間に過ぎ去っていそうな予感を覚えている。
 今年は,任天堂が「Nintendo Switch」の詳細を発表するなど(関連記事),1月から展開はハイスピードだ。また,2015年に同時アクセス数890万人と発表されたValveのデジタル配信システム「Steam」だが,2017年1月9日には同時アクセス数1400万人という驚くべき数字を記録しており,年明けから非常に多くの人がPCゲームを楽しんだことが分かる。

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 2016年12月19日に掲載した本連載の第522回「2016年の欧米ゲーム業界を振り返る」で書いたように,昨年は欧米ゲーム業界にとって「混沌の年」だった。Steamでは4000本を超える新作がリリースされる反面,大手メーカーの送り出したビッグタイトルのセールスは伸び悩み,鳴り物入りで登場したVR対応ヘッドマウントディスプレイには,未だキラーアプリと呼べる作品が登場していない。
 どうしたらゲームが売れるのか? ゲーム開発者達でさえ分からなくなっているが,次につながる大きなステップは,たいていの場合,混沌の中から生まれるもの。2017年は,「飛躍の年」になることに期待したい。

 さて,今年の欧米産ゲームソフトに目を向けると,どうやら昨年同様の豊作になりそうだ。そんな中から,筆者がピックアップした「2017年注目したい欧米産新作タイトル」を40本,紹介したい。プレイヤーやメディアの期待を参考に,現在確認できる範囲で選択しているが,とくに独立系のゲームには見逃しもあるだろうし,明日いきなり,とんでもない新作が発表されるかもしれない。そのへんはお含みおきいただきたいが,今回はそのうち20本を以下にピックアップした。なお,並び順は発売予定日を基本にしており,発売日が「年内」となっているものは,アルファベット順としている。

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■For Honor
騎士,サムライ,バイキングという,中世世界の人気戦士が激突!

開発元:Ubisoft Montreal
発売元:Ubisoft Entertainment
発売日:2月14日(日本語版発売日:2月16日)
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttp://forhonor.ubisoft.com/game/ja-JP/home/


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 騎士サムライ,そしてバイキングの戦士達が刀や剣で戦うUbisoft Entertainmentのメレーアクションが,「For Honor」だ。それぞれの勢力に,Warden,Conqueror,Orochi,Kensei,Berserker,Raiderというクラスが用意されており,勢力やクラスに合わせた武器を振り回し,敵味方,多数のNPCにもまれつつ,敵のヒーローキャラクターを倒していくという無双風のゲームプレイが特徴となる。
 面白いのは,ボスキャラクターやマルチプレイモードの相手プレイヤーと遭遇した際,“Art of Battle”と呼ばれるタクティカルモードに突入することで,ここでは,相手の動きを見きわめつつ,上段,そして左右の中段のいずれかの構えをとり,攻撃したり敵の剣をブロックしたりできる。
 プレイを重ねることでポイントが溜まり,それを使ってクラスごとに用意された特殊スキルが発動できるなど,RPG的な要素もあり,アクションだけではない戦略的なプレイが楽しめそうだ。


■Halo Wars 2
Haloシリーズが,コンシューマ機向けのRTSファンの開拓に挑む

開発元:Creative Assembly
発売元:Microsoft Games
発売日:2月21日(日本語版発売日:2月23日)
対応機種:PC,Xbox One
公式サイトhttp://www.xbox.com/ja-JP/games/halo-wars-2


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 「Halo Wars 2」は,ストラテジーゲームに定評のあるCreative Assemblyと,「Halo 4」以降のシリーズ作品を手がけてきた343 Industriesのコラボによって開発が進められているRTSであり,2009年にリリースされた「Halo Wars」の久々の続編となる。前作から28年後の26世紀中頃を舞台とし,制御を失って宇宙空間を漂い続けたUNSCの巡洋艦Spirit of Fireの乗組員と,コヴナントの戦闘に勝利した経験もあるという異星人勢力The Banishedの戦いを描いたキャンペーンが用意されるという。
 資源を集めて施設を建て,軍備を整えつつ,兵士や兵器,そして航空機など,各ユニットの長所を活かしつつ戦っていくという,王道的なRTSのシステムを採用。コンシューマ機ユーザー向けに,遊びやすさを追求するなど,従来のHaloファンとは異なる層の取り込みを狙っているようだ。コンシューマ機市場ではあまり受け入れられていないRTSジャンルだけに,どのような評価を受けるのか,発売後も注目したい。


■Horizon Zero Dawn
恐竜型マシンが跋扈する未来世界の謎を暴け

開発元:Guerrilla Games
発売元:Sony Interactive Entertainment
発売日:2月28日(日本語版発売日:3月2日)
対応機種:PlayStation 4
公式サイトhttp://www.jp.playstation.com/scej/title/horizonzerodawn/


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 2017年で最も注目すべき新IPと言える「Horizon Zero Dawn」は,なんらかの理由で現代文明を忘れてしまった人々と,そんな人類を監視するかのように恐竜型のマシンが跋扈する未来の地球を描くオープンワールドのアクションRPGだ。
 プレイヤーは,原始的な生活を営みながらも,マシンのパーツを得ることで生計を立てるハンター,“アーロイ”となり,気の向くまま活動したり,自分の出生の秘密や世界の謎を解き明かしていったりする。
 メカファンにとって魅力的に映るのは間違いないマシンを相手に,アーロイは弓矢で攻撃したり,トラップを仕掛けたり,近接攻撃を行ったりする。さらには,マシンによじ登ってハッキングをするなど,さまざまな対処方法が用意されている。各地に存在する複数の部族とのやり取りも,ゲームを進めていくうえで重要な要素になるようだ。時間の概念や天候が変化する広大な世界を駆け回りつつ,じっくりプレイしたい。


■Torment: Tides of Numenera
クラシカルなルックスと哲学的なストーリーを持つ正統派RPG

開発元:inXile Entertainment
発売元:Techland
発売日:2月28日
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttps://torment.inxile-entertainment.com/


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 クラウドファンディングで400万ドルを超える開発資金を集め,バッカー(出資者)を対象に1年近くにわたってアーリーアクセス版の提供を続けてきたinXile EntertainmentのRPG「Torment: Tides of Numenera」は,1999年にリリースされた「Planescape: Torment」の精神的後継作にあたる。今回は,著名なテーブルトークRPGのデザイナーで小説家でもある,モンテ・クック氏の「Numenera」シリーズのライセンスを獲得することで,その価値をさらに高めている。
 「Torment: Tides of Numenera」の主人公は,神に選ばれ,たとえ死んでもほかの肉体に魂を宿すことによって不死を得た存在だ。古い肉体の記憶が残らないため,本人はその事実に気づいいていないが,神を葬ろうとする勢力が出現したことにより,元の自分を呼び覚ますために「第九世界」を旅していく……という物語になっている。パズルや会話も重要になるという手の込んだ戦闘システムも興味深い。


■Star Trek: Bridge Crew
VRであなたもエンタープライズ号の艦長に

開発元:Red Storm Entertainment
発売元:Ubisoft Entertainment
発売日:3月14日
対応機種:PC,PlayStation 4
公式サイトhttps://www.ubisoft.com/en-US/game/star-trek-bridge-crew/


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 VRタイトルの特徴は,言うまでもなくその「没入感」の高さにある。身も心も別世界に置いて,プレイヤーは自分自信の視点でゲームが楽しめる。そんなVRタイトルの1つであるUbisoft Entertainmentの「Star Trek: Bridge Crew」は,エンタープライズ号の艦長席に座って,“レッドアラート!”と叫んでみたい,というトレッキーの夢を叶えるべく,開発が進められているシミュレーションだ。
 オンラインを介して集まった4人のプレイヤーが,それぞれ艦長,機関士,パイロット,そして戦術士官となり,自分の仕事を担当しながら調査や救助,そして戦闘といったさまざまな目標が用意されたミッションを遂行していくことになる。
 チームワークを重視するタイプのゲームとしては,非常に完成度が高い内容になりそうだ。「スタートレック」モノのゲームは,これまで大ヒットに恵まれなかっただけに,楽しみにしているファンも多いはず。VRデバイスを持っている人なら,リリースを期待しよう。


■Mass Effect: Andromeda
アンドロメダ星雲での新たな冒険を描く,壮大なスペースオペラ

開発元:BioWare
発売元:Electronic Arts
発売日:3月21日
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttps://www.masseffect.com/


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 Electronic Arts傘下のスタジオ,BioWareが開発する人気アクションRPGシリーズ最新作が「Mass Effect: Andromeda」だ。2007年の「Mass Effect」で勃発した銀河の混乱を避け,アンドロメダ星雲で新たな母星の発見を目指す船団のクルー達を描くという,これまでの三部作とはまったく異なるストーリーが展開する。プレイヤーは第二の故郷を探す,“パスファインダー”と呼ばれる乗組員達の1人,スコット・ライダーまたはサラ・ライダーとして,仲間と共にさまざまな冒険に挑むのだ。
 アクション,ステルス,ハッキングなど,異なるスキルセットを持つクラスから好みのものを選び,チームを編成してミッションを遂行していくという基本的なシステムは従来作を踏襲しているが,さらに,“ノーマッド”という六輪バギーで惑星を自由に駆け回るという要素が追加されている。アメリカ生まれのゲームとしては数少ない恋愛要素がどのように描かれるのかも楽しみだ。


■Injustice 2
成長要素のあるユニークな格闘ゲーム

開発元:NetherRealm Studios
発売元:Warner Bros. Interactive Entertainment
発売日:5月16日
対応機種:PlayStation 4,Xbox One,iOS,Android
公式サイトhttps://www.injustice.com/


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 2013年にリリースされた「Injustice: Gods Among Us」の続編となる「Injustice 2」は,DCコミックスをテーマにした格闘ゲームとしては最も多くのキャラクターが登場するという。前作のスーパーマンバットマンはもちろん,デッドショットスーパーガールアトロシタスといったキャラクターの登場がすでに明らかにされており,今後も増えていくかもしれない。
 キャラクターの能力を一時的に向上させる“トレイト・システム”に加え,戦いの最中にステージが変化したり,周囲の環境とインタラクションできたりといった前作と同様のシステムに加えて,本作では新たに“ギア・システム”が採用されている。これは,対戦中に敵がドロップしたアイテムを使ってキャラクターの能力を変化させるもので,マスクやチェストプレート,ブーツやシールドなど,実に1000種類以上のアイテムを組み合わせて,スピードやパワーを強化できるのだ。格闘ゲームの新次元を開拓する作品になりそうな気配も漂っている。


■Battalion 1944
久々に第二次世界大戦をフォーカスしたFPS

開発元:Bulkhead Interactive
発売元:Bulkhead Interactive
発売日:5月
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttp://www.battaliongame.com/


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 「Call of Duty 2」「Medal of Honor」をプレイして育ったという開発者達が,かつてのミリタリーFPSの輝きを追求して開発を進めているのが,この「Battalion 1944」。カランタンやバストーニュなど,第二次世界大戦の激戦地を背景に,イギリス軍かドイツ軍の兵士となったプレイヤーが激しい戦いを繰り広げるという,オンライン専用のタイトルだ。
 第二次世界大戦もののFPSが全盛期を迎えてい十数年前の作品群に大きな影響を受けているのは上記のとおりで,プレイヤーは大隊(バタリオン)の一員として,部隊の目標達成に貢献し,「BattleRank」と呼ばれるグローバルリーダーボードのランクを上げていく。
 ランク上昇の報酬としてプレイヤーキャラクターの装備などがアップグレードされるという,オンラインゲームでおなじみの要素はあるものの,あくまでもプレイヤーのスキルが重視されており,戦いの状況を簡単に変えてしまうようなアイテムは登場させない方向だという。さらに,チート行為に対する規制強化を謳っており,フェアプレイを前面に押し出した作品でもある。


■Sea of Thieves
仲間と一緒に海賊になるパーティゲーム

開発元:Rare
発売元:Microsoft Games
発売日:第1四半期 (β版)
対応機種:PC,Xbox One
公式サイトhttps://www.seaofthieves.com/


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 「Sea of Thieves」は,日本のベテランゲーマーにも有名な老舗デベロッパ,Rareが開発を進める一人称視点の“海賊シミュレータ”だ。ソロプレイだけでなく,最大5人の仲間と一緒に海賊船に乗ってさまざまな場所に出かけ,宝探しをしたり,酒場で呑んだくれて暴れ回ったり,さらには敵船に大砲を撃ち込んだりできるという,ソーシャルに特化したオープンワールドのパーティアクションになっている。
 タイプはまったく異なるが,「Minecraft」「ARK: Survival Evolved」のように,ゲームの目的とは関係なく,プレイヤーが自由にプレイしていくスタイルの作品になると思われる。
 E3 2016で初めて公開されたデモ以降,実際のプレイがどのようなものになるのかはまだ未発表だが,2016年末にはテクニカルα版と呼ばれるアーリービルト版が特定のファンを対象としてリリースされており,2017年内にβテストが始まることも確実視されている。今後は,メディアへの露出も増えてくるだろう。


■Red Dead Redemption 2
荒野をかける7人のガンマンから目を離すな

開発元:Rockstar Games
発売元:Rockstar Games
発売日:秋
対応機種:PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttps://www.rockstargames.com/reddeadredemption2/


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 Rockstar Gamesのオープンワールドアクション「Red Dead Redemption 2」は,2016年10月に公式トレイラーが公開されて以来,まったく新情報が出てこないものの,今年,最も話題性の高い作品の1つだ。リリース予定は,秋となっている。
 ハートランド(心の故郷)と呼ばれるアメリカ中西部を舞台に,前作「Red Dead Redemption」よりも前の西部開拓時代を描いているようだ。
 注目すべきは,制作発表時に公開されたアートワークやティザー映像などに,常に7人のキャラクターの姿があることだろう。これが,キャラクターを交互に操作しながらプレイを進める「グランド・セフト・オート V」式のプレイスタイルになるのか,それともマルチプレイモードのCo-opを示唆しているのかは不明だが,時代的に考えて,若き日のマーストン,もしくはマーストンの父親が7人のうちの1人でもおかしくはない。
 いずれにせよ,きちんと秋にリリースされれば,次の年末年始,筆者や多くの読者がプレイしまくっている作品になることは間違いない。


■Conan Exiles
英雄コナンとして,過酷なハイボリア世界を生き延びる

開発元:Funcom
発売元:Funcom
発売日:年内 (β版)
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttps://www.conanexiles.com/jp


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 1月31日にアーリーアクセス版を公開する開始する予定の「Conan Exiles」は,ロバート・E・ハワードの小説「英雄コナン」シリーズをベースにしたオープンワールドのサバイバルアクションだ。無法地帯であるハイボリアの砂漠に追放されたプレイヤー達が,狂暴な野生動物や荒くれ者と戦いつつ,自分の住処を整えたり,アイテムを生産したり交易をしたりして,勢力争いを楽しんでいくという,オンラインをメインとした内容になっている。
 ノルウェーのFuncomは,「Anarchy Online」「Age of Conan」など,MMORPGに強いメーカーだが,本作に使われているグラフィックス技術もかなりのもので,例えば砂漠を歩いたときにできた足跡が,しだいに風で消えていくなど細かい描写が施されており,老舗の実力を発揮している。
 NPCの盗賊や逃亡者を奴隷にして,プレイヤーがオフライン状態のときに自分の勢力地帯を警護させたり,あるいは生贄にして神の加護を得るといったことが可能。原作小説に忠実な雰囲気と,血しぶきや肉片が飛び散るゴア表現を持った,大人向けのゲームになりそうだ。


■God of War
北欧神話が歴史に埋没したのも,実はこの男が原因だった

開発元:Sony Interactive Entertainment
発売元:Sony Interactive Entertainment
発売日:年内
対応機種:PlayStation 4
公式サイトhttp://godofwar.playstation.com/


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 Sony Interactive Entertainmentからほとんど情報が出てこないため,本当に2017年にリリースされるのか,あるいはそれ以降になるのか,実を言えば分からない「God of War」。オリンポスの神々を葬り去った主人公のクレイトスが,北の森の中で静かに余生を送っていたところ,今度は北欧神話の神々やモンスター達と戦うことになってしまうというストーリーが用意されている。
 本作のクレイトスは一人息子と共に旅に出るという設定で,ゲームパッドの4つのボタンのうち1つは息子をコントロールするためのものになり,クレイトスが強力なボスと戦っている間,息子が弱いモンスターと戦うといった遊び方ができるという。
 2013年にリリースされた前作「God of War: Ascension」で初めて導入されたマルチプレイモードは今回,存在しないとのことだが,オーブによるアップグレードなど,RPG要素は健在。また,戦闘中に特殊なアビリティを発動する「Rage」は,新たに「Spartan Rage」に変化しており,シリーズ初のPlayStation 4専用となる最新作には,かなりの変更もあるようだ。


■Kingdom Come: Deliverance
魔法はナシ! 中世ヨーロッパの生活を超リアルに再現したRPG

開発元:Warhorse Studios
発売元:Warhorse Studios
発売日:年内
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttps://www.kingdomcomerpg.com/


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 ドラゴンや魔法といったファンタジー要素を完全に否定し,15世紀のボヘミアの暮らしをとことんリアルに再現したことで,ゲーマーの熱い視線を浴びているのが,チェコの新しいゲームメーカーであるWarhorse Studiosの「Kingdom Come: Deliverance」だ。プレイヤーは兵士から身を起こして軍隊(といっても規模は小さい)をまとめる存在になってもよし,あるいは吟遊詩人となって各地をさまよってもよし,さらには盗賊となって裏稼業に精を出すもよし,といった自由度の高さがウリになるシングルプレイ専用のアクションRPGだ。
 プレイヤーの遊び方に応じて,1つのミッションにもさまざまなアプローチが用意されており,例えば暗殺任務の場合,数十人もの修道僧が日々のつつましい生活を送る教会に潜り込み,その中の誰がターゲットなのかを何日もかけて調べるといった,地道な活動をしなければならないときもある。
 貴重な植物を採取したり,交易で買い取ったりして手に入れ,それを手順どおりに煮詰めて薬を作るなど,いろいろな面が現実志向になっており,そんな超リアルなプレイのどこがゲームとして面白いのか? という本質に関わってきそうな疑問もあるが,それに対して1つの回答を与えてくれる作品でもありそうだ。


■Overkill’s The Walking Dead
ゲーム業界で躍進中のStarbreezeが贈るフラグシップタイトル

開発元:Overkill Software
発売元:Starbreeze Studio/505 Games
発売日:年内
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttps://www.starbreeze.com/games/overkills-the-walking-dead/


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 「PAY DAY」シリーズで知られるOverkill Softwareの新作「OVERKILL's The Walking Dead」は,現在,世界中のゾンビファンの間で高い人気を誇る「ザ・ウォーキング・デッド」の公式ライセンスを取得した一人称視点のアクションだ。
 2017年,ゾンビの出現によって機能を失ったアメリカの首都ワシントンDCを舞台に,プレイヤーは仲間と共に生き残りをかけた戦いを強いられるという,「ザ・ウォーキング・デッド」とは異なる,オリジナルストーリーが描かれる予定だ。
 Overkill Softwareの親会社であるStarbreeze Studioは2015年,クラウド向けのレンダリングエンジンを開発していたValhallaというメーカーを買収しており,この「Overkill’s The Walking Dead」には,その成果が盛り込まれるとのこと。また,Starbreeze Studioが手がけるVR対応のヘッドマウントディスプレイ「StarVR」向けに本作のVR版が公開されるなど,今後のStarbreezeの事業におけるフラグシップタイトルになる可能性が高い,要注目の作品でもある。


■Pyre
「Transistor」のデベロッパが開発する,ひねりの利いたスポーツゲーム

開発元:Supergiant Games
発売元:Supergiant Games
発売日:年内
対応機種:PC,PlayStation 4,Xbox One
公式サイトhttps://www.supergiantgames.com/games/pyre/


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 カナダに本拠を置く気鋭のデベロッパSupergiant Gamesの新作「Pyre」は,2014年にリリースされて高い評価を得た「Transistor」と同様,2Dグラフィックスによる独特の雰囲気が特徴となるゲームだ。ジャンルこそRPGだが,そこにMOBAやスポーツゲームの要素を組み込むことで,非常に斬新なプレイが期待できる。
 王国を追放された一団が,国に戻る唯一の手段とされる「儀式」に参加するため,ワゴン車で荒野をさまようというストーリーで,キャラクター達の会話によって展開がさまざまに分岐していく。
 この儀式は非常にユニークで,最大3人のキャラクターを操作して相手の陣地に“オーブ”と呼ばれる物体を運び入れるという,RTSとバスケットボールを混ぜたようなスポーツゲームが展開するのだ。ボールを持っているキャラクターが別のキャラクターにパスすることもでき,ゲームの展開は非常に速いとのこと。いろんな要素が盛りだくさんのゲームであり,その斬新さを楽しみたい。


■Quake Champions
対戦FPSのルーツ,スピーディなアリーナベースのアクションが復活

開発元:id Software
発売元:Bethesda Softworks
発売日:年内
対応機種:PC
公式サイトhttps://quake.bethesda.net/


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 2016年の「DOOM」でブランドの復活に確かな手応えを感じたid Softwareの次なる挑戦は,オンライン専用FPS「Quake Champions」だ。“アリーナ”と呼ばれる闘技場のような小型マップで,プレイヤー達が自分のプレイスキルを駆使して戦っていくという本作は,1990年代に大人気を獲得した「Quake」の復活を狙ったもの。当時のままのゲームシステムを前面に押し出しつつ,現代的な,スピード感のあるプレイが満喫できるようにデザインされている。
 PC専用で,しかもコアプレイヤー向けタイトルとして開発されているだけあって,PCのスペック次第では120fpsでのプレイも可能だという。おなじみの「idTech 6」ではなく,Saber Interactiveと共同開発した「Saber 3D」というゲームエンジンを利用しているのも,id Softwareとしては前例のない試みだ。Free-to-Playなのか,MODのサポートやトーナメントの開催はどうなるのか,などを含めて,続報に期待したい。


■Rising Storm 2: Vietnam
ベトナム戦争をテーマに,最大64人の非対称型アクションを実現

開発元:Tripwire Interactive
発売元:Tripwire Interactive
発売日:年内
対応機種:PC
公式サイトhttp://www.risingstorm2.com/


画像集 No.012のサムネイル画像 / Access Accepted第524回:2017年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 マルチプレイのアクションもので定評のあるTripwire Interactiveの新作は,「Red Orchestra」シリーズの流れをくんだベトナム戦争ものFPS,「Rising Storm 2: Vietnam」だ。プレイヤーはアメリカ陸軍(US Army)かアメリカ海兵隊(USMC),あるいは敵対する南ベトナム解放民族戦線(NLF)や北ベトナム軍(PAVN)に所属して,最大64人のプレイヤーが参加する戦場に降り立つ。
 それぞれの勢力によって,利用可能な兵器だけでなく戦法も異なり,例えばアメリカ陸軍のパワフルな戦闘ヘリに対してNLFはジャングルに隠れたゲリラ作戦で対抗するなど,非対称型の大規模な戦闘が繰り広げられるのだ。
 これまで複数回にわたってβテストが繰り返されており,ヒット作が少ないといわれる,「ベトナム戦争をテーマにしたミリタリーFPS」に真っ向から切り込んでいる。MODもサポートされる予定なので,PCゲーマーが長く楽しめる作品になってくれそうだ。


■State of Decay 2
前作がパワーアップし,最大4人のCo-opにフォーカス

開発元:Undead Labs
発売元:Microsoft Games
発売日:年内
対応機種:PC,Xbox One
公式サイトhttp://www.xbox.com/ja-JP/games/state-of-decay-2


画像集 No.014のサムネイル画像 / Access Accepted第524回:2017年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 2013年のスマッシュヒットとなった前作「State of Decay」は,戦闘と資源管理,そしてコミュニティ形成といったさまざまな要素をうまくまとめたサバイバルアクションとして,飽和気味だったゾンビジャンルの中でも異例の成功を収めた。続編となる「State of Decay 2」では,人気の高いゲームシステムを継承しつつ,最大4人のプレイヤーによる協力プレイにフォーカスしたゲームプレイになり,次々と押し寄せてくるゾンビを仲間と共になぎ倒しながら,ミッションに挑んでいく。
 プレイヤーキャラクターは,ステータスや特性を上昇させることでプレイヤーの好みに合わせて育てられるようになっており,ゲームにおける自分のコミュニティで,どのような役割を担っていくのかを調整できるという。MMOタイトルではなく,気軽にドロップ・イン/アウトしてプレイに参加するタイプのCo-opであることが強調されており,コントロール可能なNPCをうまく使い,仲間と共同で安全な要塞を建設するといったことが楽しめるようだ。


■The Wild Eight
極寒のアラスカで遭難した8人の一般人たちの生存競争

開発元:8Points
発売元:HyperTrain Digital
発売日:年内
対応機種:PC,Xbox One
公式サイトhttp://thewildeight.com/en/


画像集 No.020のサムネイル画像 / Access Accepted第524回:2017年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (前編)

 ロシア生まれの「The Wild Eight」は,乱気流に巻き込まれて墜落した旅客機の生存者を主人公にしたサバイバルもの。からくも事故を生き延びたはいいが,そこは極寒のアラスカで,救助隊が来るまでなんとか生きていかなくてはならない。
 最大8人のプレイヤーが参加できるマルチプレイ専用タイトルで,シェルターを作ったり食料を集めたりする。お互いを信頼して協力してもいいが,自分だけが助かるために仲間を裏切ったりすることも起きるだろう。
 氷点下の状況では体温が奪われて凍死するかもしれないし,オオカミやクマなどの野生動物に襲われ,その戦いがもとで傷を負ってしまうようなこともある。それでも,探索を繰り返して貴重な資源を見つけ,クラフティングなど,それぞれの能力をうまく利用していかなければならない。マップは自動生成されるため,何度も繰り返して遊ぶことが可能だし,現段階で日本語化が予定されている。2017年のインディーズゲームの中でも,注目すべきタイトルだ。


■What Remains of Edith Finch
日本の古典怪奇小説をモチーフにしたホラーアドベンチャー

開発元:Giant Sparrow
発売元:Sony Interactive Entertainment (PlayStation 4版)
発売日:年内
対応機種:PC,PlayStation 4
公式サイトhttp://www.giantsparrow.com/games/finch/


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 「フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと」というタイトルで日本のリリースも決まっている本作は,アメリカ・ワシントン州の静かな海岸沿いの土地にたたずむ屋敷を舞台に,フィンチ家の最後の1人になった主人公のエディスが,なぜ屋敷に住んでいた一族が,100年近くにわたって次々に命を絶っていったのかを調べるというストーリー。いびつに増設された屋敷のそれぞれの部屋が,一族の異なる人物に対応しており,残された日記を読むことなどで,そこで「何が起きたのか」をエディスが実際に体験していくという趣向だ。
 作者のイアン・ダラス(Ian Dallas)氏は,小泉八雲の「怪談」など,日本の古典怪奇小説に強い影響を受けたと述べており,見せる恐怖ではなく,ゲームを進めていくうちにゾクゾクしてくるような展開が期待できそうだ。


著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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