NVIDIAはグラフィックス機能統合型チップセット「GeForce 7」シリーズを発表した。
製品の概要は
別記事でお伝えしたとおりだが,台北で開催された報道関係者向けの事前説明会では,
ゲームの互換性をテーマにしたデモが披露されたので,紹介したい。
ゲームタイトルとの互換性と性能の高さで
チップセット市場シェア拡大を目指すNVIDIA
台北の報道関係者向け事前説明会でGeForce 7 mGPUを紹介する,NVIDIAのMCPビジネスユニット プロダクトマネージャー,David Ragones(デビッド・ラゴネス)氏
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AMD製CPU向けの「GeForce 7150 PV+nForce 630a」チップセットの
レビュー記事で説明しているとおり,GeForce 7 mGPUは,プログラマブルシェーダ3.0(Shader Model 3.0)世代の「GeForce 7300」をベースとするグラフィックス機能を持つのが特徴だ。搭載するシェーダユニットはピクセルシェーダが2基,頂点シェーダが1基。メモリインタフェースがDDR2-800のシングルチャネル対応となりつつも,独自のメモリコントローラ技術により,Windows Vistaのプレミアムロゴを取得できるだけのグラフィックスメモリ帯域幅が確保されている。
NVIDIAが事前説明会で展示したデモシステム。右がGeForce 7150+nForce 630i,左がIntel G33 Express搭載システムだ。条件を同じにするという名目で後者もシングルチャネルメモリ動作となっていたが,シングル/デュアルチャネルに関係なく,Intelチップセットはグラフィックス機能の問題で動作しないとRagones氏
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そんなIntel製CPU向けGeForce 7 mGPUの性能をアピールするデモとして用意されたのが,直接の競合となるIntelのグラフィックス機能統合型チップセットとの比較だ。具体的には,
「GeForce 7150+nForce 630i」と
「Intel G33 Express」をそれぞれベースとしたシステムが比較され,Intel製チップセットベースのシステムでは動作しない以下の6タイトルが,GeForce 7150では問題なく動作するとされた。
- Tom Clancy's Ghost Recon Advanced Warfighter
- Supreme Commander
- Battlefield 2
- Battlefield 2142
- The Editor Scrolls IV: Oblivion
- Call of Duty 2
また,「The Sims 2」を使ったデモでは,Intel G33 Expressでも動作するものの,GeForce 7150を利用したほうが快適であるとアピールされている。いずれも「事前説明会に展示された実機と同じコンフィグレーションでNVIDIAが別途テストした結果をまとめた」ムービーだが,それらを撮影してみたので,ぜひチェックしてみてほしい。
→6タイトルでの互換性比較ムービーは「こちら」(2分6秒,WMV)
ダウンロードの詳細:30.8MB(32,351,939バイト)
→The Sims 2での性能比較ムービーは「こちら」(44秒,WMV)
ダウンロードの詳細:10.7MB(11,315,667バイト)
Intel製のグラフィックス機能統合型チップセットにおける互換性問題は,Intel G33/G31 ExpressなどでハードウェアT&Lをサポートしてなかったり,頂点シェーダユニットを内蔵していなかったりといった機能制限によるものだ。Intelは,Intel G33 Expressなどのメインストリーム(≒エントリー)市場向けチップセットにおいて,3Dグラフィックス性能よりビデオ再生支援機能を重視しているため,どうしてもこういった制約が生じてしまう。
NVIDIAが示したチップセット市場シェアのスライド。AMDプラットフォームでは6割超のシェアを持つものの,Intel市場ではまだこれから
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一方のNVIDIAは,サウスブリッジ機能も統合した1チップ仕様を採用したこともあって,半導体集積度の問題からIntel製CPU向けGeForce 7 mGPUでPureVideo機能の実装を見送っている(だから“PV”が付かない)。そのためNVIDIAとしては,エントリー市場向けのグラフィックス機能統合型チップセットにおけるゲームの互換性と性能の高さを前面に打ち出すことで,現時点でわずか0.6%という,Intelプラットフォームにおけるチップセットシェア拡大を図りたい意向のようだ。