連載
インディーズゲームの小部屋:Room#328「Millie」
新しい編集部の目の前に警察博物館があることに今さら気づいた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第328回は,Forever Entertainmentの「Millie」を紹介する。本作は,エサを食べれば食べるほど体が長くなるヤスデのMillieを操作して,自分の体にぶつからないようにしながらステージをクリアしていくパズルゲームだ。ところで,ピーポくんって一体何者なんだろう。ネズミじゃないよね?
いつも空を飛ぶことを夢見ていたMillie。すべての心配事から解放され,雲の中を自由に散歩したい。だが不幸なことに,Millieはヤスデに生まれてしまった。このままでは,空を飛ぶ唯一のチャンスはカラスのくちばしの中ということになりかねない。それって食べられてるよね? そんなとき,地元の航空学校が新入生の募集を行うという噂を聞いたMillieは,矢も盾もたまらず,一世一代の旅に出る決意をする。今こそ夢をつかむのだ!
というわけで,プレイヤーはMillieを操作して,迷路のようなステージをクリアしていくことに。ステージに敷き詰められた,水色や黄色の丸いエサを一定数以上食べると出口の穴が開き,その穴にMillieを導けばステージクリア。要するに,Millieは拾い食いをしながら旅しているということになるわけだが,まあ確かに歩き回るとお腹が空くから仕方ないよね。
ちなみに,ムカデとヤスデはまったく別の生き物で,ヤスデが成長してもムカデになったりはしないのだが,Millieはあくまでヤスデ(millipede)らしい。実に微妙なチョイスだと思う。
さて,そんなMillieの最大の問題は,エサを食べるとどんどん体が長くなってしまうこと。ステージは迷路のように入り組んでおり,ぐるぐると歩き回ってエサを食べているうちに,長くなりすぎた自分の体にぶつかってしまうとミスとなってやり直し。つまり,もうすでにお分かりのとおり,本作は昔懐かしのいわゆる“スネークゲーム”を現代風にアレンジしたものというわけだ。「レプリカート」とか,あったよなあ。
Millieのもう一つの困った点は,体がどんどん長くなるだけでなく,一度歩き始めると壁に当たるまで止まれないこと。そのため,方向転換したいときはタイミングよくキー入力しないと,うっかり行き過ぎて思わぬピンチを招いてしまう。こんな調子でパイロットになれるのか,他人事ながら心配だ。
Millieは,思わず「おいおい,マジかよ」と言いたくなるくらい,体が長ーくなるので,気づかないうちに自分の体で逃げ道が塞がれてしまうこともあるが,Ctrlキーを押すとカメラを引いてステージを見渡せるので,時折チェックしておこう。
通路が細く,入り組んでいるため,エサを食べる順番をきちんと考える必要があり,これがいい刺激となって,ルールは単純ながら気づくと夢中になって遊んでしまう本作。Millieの体を短くするハサミや,ひびの入った壁を壊せるハンマーなどのお助けアイテムをうまく活用して,ステージを攻略していこう。
本作は,一部翻訳が怪しかったり,フォントが微妙に揃ってなかったり,文字が欠けていたりはするが一応日本語化されており,子供と一緒に遊ぶのにもぴったり。PC版がSteamにて3.99ドルで発売されているほか,iOS版やAndroid版もあるので,手軽に遊べるゲームを探している人はぜひどうぞ。
■「Millie」Steam紹介ページ
http://store.steampowered.com/app/294230/- この記事のURL:
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