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インディーズゲームの小部屋:Room#437「The Way」
5分アニメって,実質3分くらいしか中身がないよね……という事実をあらためて認識させられた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第437回は,Puzzling Dreamが開発した「The Way」を紹介する。本作は,永遠の命にまつわる秘密を求めて,未知の惑星の古代遺跡を探索するというアドベンチャーゲームだ。ともあれ,これで10月までは頑張れそうな気がしてきた!
最愛の妻の死を受け入れられずにいる主人公。宇宙探索チームの一員だった彼は,最後の探索の途中で立ち寄った惑星で見つけた,永遠の命にまつわる伝承を思い出し,再びその地へ向かうことを決意する。命とは何か,その意味を求めて……。
というわけで,プレイヤーはそんな主人公となって,たった一人で未知の惑星の調査に舞い戻ることに。本作は,「Another World」や「Flashback」などに影響を受けた,横スクロールの2Dパズルアドベンチャーだ。襲ってくるセキュリティロボットや異星の生物を銃で攻撃したり,ジャンプで小さな足場を飛び移ったり,大きな敵に追われて必死に逃げたりといったアクション要素もあるが,基本的には頭を使ってパズルや仕掛けを解きながら先に進んでいくのがメインとなる。
ゲームは,主人公が妻の墓前で悲嘆にくれるシーンから始まる。手にしていた一輪の花を墓に供えた主人公だが,次に何をするのかと思ったら,いきなり墓を掘り返し始めたからびっくり仰天。どうやら妻の遺体を一緒に異星まで連れて行く算段らしい。マジですか? 妻の遺体をカプセルに収容して車に詰め込み,次に向かったのは,以前自分が探索チームの一員として働いていた会社だ。どうやら宇宙船を強奪し,それで宇宙に飛び出すつもりのようである。これはヒドイ!
セキュリティをかいくぐり,壊れた機械を修理し,勝手に宇宙船の発進シークエンスを完了させた主人公。途中でレーザー銃を手に入れてからは,行く手を阻むセキュリティロボットを手当たり次第に破壊するなど,ますますやりたい放題で,殺人までは犯していない(ちなみに守衛室にいた当直は気絶させた)がもはや一歩もあとには引けない。妻を入れたカプセルと共にまんまと宇宙船に乗り込んだ主人公は,一路,永遠の命の秘密が隠されている(と思われる)惑星に向かう。さあ,ここからが本番だ!
目的の惑星に到着してからも,もちろん気は抜けない。ここには危険な生物がいっぱいいるのだ。地表には,以前の調査のときに設置した機材がそのまま残されているが,まずは,前回入ることができなかった遺跡への扉を開く方法を見つけ出さなければならない……。といった具合にストーリーは進行していく。出だしの大胆すぎる墓荒らしと,それに続く強盗ぶりには驚かされたが,その後の展開はまさに王道で,SF好きな筆者としてはワクワクせざるを得ない。
緻密に描かれたドットグラフィックスも見ごたえがあり,プレイヤーの想像力をこれでもかとかき立ててくれる本作。ときには敵と戦い,ときには頭をひねって謎解きをするという両者のバランスもちょうどよく,続きが気になる展開と相まって,時間を忘れて没頭してしまう。未知の惑星や謎の古代文明,生命の秘密といったキーワードにグッとくるものがある人なら,間違いなく夢中になれるゲームだ。
残念ながら日本語には対応していないが,簡単な英語が読めれば十分楽しめるので,興味を持った人はぜひチャレンジしてほしい。そんな本作は,Steamにて1480円で発売中だ。
■「The Way」公式サイト
http://www.thewaygame.com/- この記事のURL:
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