連載
インディーズゲームの小部屋:Room#555「Project Warlock」
本作のストーリーは,強大な力を持ったウォーロックである主人公が次元を飛び越えて旅をしながら,各世界にはびこる邪悪な敵を滅ぼしていくというもの。それ以上の詳しい説明はないが,このゲームをプレイするうえで覚えておくべきことは,「敵は殺す」「スイッチは押す」「落ちてるものは拾う」の3つのみだ。
ひと言で表現すると,本作はさまざまな銃やダイナマイトと,多彩な効果を持つ魔法を使いこなして敵と戦いながらマップを攻略していくという,初代「DOOM」と「Hexen: Beyond Heretic」を足して2で割ったようなゲームだ。グラフィックスも簡単な3Dグラフィックスに粗いテクスチャを貼り付けただけのもので,よく見ると敵や地面に落ちているアイテムはぺらぺらの2Dだったりする。
各世界は複数のエリアに分かれており,鍵やスイッチを探して扉を開けつつ出口まで辿り着けばクリア。最後のエリアには手ごわい巨大ボスが待ち構えており,これを撃破することで次の世界へと進める仕組みだ。減少したヘルスは最近のFPSのようにじっとしていれば回復するというわけではなく,ポーション類や銃弾を拾い集めながらステージを攻略していく感覚は,まさに1990年代のFPSを思わせる。
しかし,本作はただ“懐かしのFPS”を再現しただけのゲームではなく,現代風のブラッシュアップも随所に施されている。中でも大きな特徴と言えるのが,RPG的な成長要素と武器のアップグレードシステムだ。本作では,敵を倒したり,金貨や宝石などを拾い集めたりすることで主人公がレベルアップし,ステータスポイントを獲得できる。これを任意のステータスに割り振ることでキャラクターを強化するのだ。
また,ステージの途中に落ちている星型のアイテムを拾うとアップグレードポイントを入手でき,これを使うことで武器のパワーアップが行える。ただし,アップグレードポイントは新しいスペルの習得にも必要になるので,武器と魔法のどちらをメインに戦っていくのかをよく考えてから使用しよう。
パッと見はオールドスタイルだが,派手めなエフェクトとテンポの速いゲームプレイには今の時代のゲームならではの爽快感がある。とくに序盤を乗り越えて強力な武器や魔法が多数使えるようになってからは,上に掲載しているムービーのように,圧倒的な火力でモンスターの群れを駆逐していく,アドレナリン出まくりの豪快なプレイを満喫できる。あまりFPSが得意ではない筆者でも夢中になれる,文句なしにオススメしたいゲームだ。そんな本作はGOG.comにて12ドルで発売中なので,興味を持った人はぜひどうぞ。
■「Project Warlock」公式サイト
https://www.buckshotsoftware.eu/our-games/project-warlock- この記事のURL:
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