インディーズゲームの小部屋：Room＃572「When Ski Lifts Go Wrong」

　先日，相次いで発表された折り畳みスマホに興味津々の筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第572回は，Hugecalf Studiosが開発した「When Ski Lifts Go Wrong」を紹介する。本作は，スキーのリフトやジャンプ台などを建設し，利用者を目的地まで辿り着かせるというパズルゲームだ。まあ，20万円以上という価格ならノートPCを買うと思うけど……。


　橋などを建設し，その上に車や電車などを無事に走らせるゲームのことを一般的にブリッジビルダーゲームと呼ぶが，本作もその1種にあたる。もちろん，橋はただ作ればいいわけではなく，車などが通っても壊れないように構造を工夫し，頑丈なものに仕上げなければならない。そして本作では，タイトルからもお分かりのとおり，主にスキー場のリフトを作るのが目的となる。


　リフトを作るには，まず板や丸太を組み合わせて支柱を組み立て，てっぺんに滑車を設置し，リフトの始点から終点までケーブルを張る。リフトはケーブルから吊り下げる形になるので，重みなどでたわむことも計算に入れたうえで，途中の障害物にぶつからないように十分な高さを確保しよう。準備ができたら，命知らずの（？）乗客にテストしてもらうべし。


　ほとんどのブリッジビルダーゲームでは物理演算が用いられており，本作も例外ではない。なので，適当な設計のリフトを作ると，試運転を開始した直後に崩壊すること間違いなし。憐れ乗客は転落し，地面や崖に叩きつけられて，ゲレンデを赤く染めてしまう。アレッ，こんなはずでは……。試運転をした際，強度が足りないパーツは緑→黄→赤の順に色が変わっていくので，今にも壊れそうな赤いパーツを中心に補強していくといいだろう。

　それぞれのステージには目標予算が決められており，限られた資材でいかに効率的なリフトを作れるかが腕の見せどころ。明らかに人命よりもコストを優先している気がするが，ゲームなので気にしてはいけない。


　そして本作のもう1つの特徴が，リフトだけでなくジャンプ台を作るステージが用意されているところ。このタイプのステージでは，スキーヤーやスノーモービルを操作し，自分が作ったジャンプ台で崖や段差を飛び越え，ゴールさせるのが目的となる。ちょっとくらいやわなジャンプ台でも，操作の腕前次第で何とかなったりするのが面白い。


　本作には雪山だけでなく夏山もあり，全部で8つのロケーションが登場する。夏山でもやることは基本的に変わらないが，スキーヤーの代わりにさらにスピードが出る自転車やモトクロスバイクで決死のジャンプにチャレンジするなど，ハチャメチャ度が増している。
　はっきり言って，こんな危険なスキー場には行きたくないが，ちまちまとリフトを組み立てる面白さと，それが思ったとおりに動いたときの楽しさは格別で，中毒性の高いゲームに仕上がっている。そんな本作はSteamにて，1520円で発売中だ。

■「When Ski Lifts Go Wrong」公式サイト

https://hugecalf.com/