インディーズゲームの小部屋：Room＃639「Barn Finders」

　スパコン「富岳」が世界一の計算速度を達成したことを祝福しつつお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第639回は，Duality Gamesが開発した「Barn Finders」を紹介する。本作はリサイクルショップの店主となり，廃屋から拾い集めてきたガラクタを修理して販売するというシミュレーションゲームだ。そろそろこの連載もスパコンが書いてくれるようにならないかな。


　本作の舞台となるのは，現実のアメリカ（America）とよく似ているけど少しだけ違う架空のアメリカ（Ammeryka）。プレイヤーは，うだつの上がらないビリーおじさんとリサイクルショップ「Barn Finders」を経営する主人公となり，商品の仕入れと販売，内装のカスタマイズなどをしながら，お店を発展させていくことになる。


　このリサイクルショップは，Barn Finders（納屋探し）という店名からも分かるとおり，商品の仕入れ先が少々変わっている。通常のリサイクルショップとは異なり，お客が持ち込んだ品物を買い取って販売するのではなく，廃屋となった家や倉庫や納屋などで見つけたガラクタ同然の品物を持ち帰り，汚れを落としたり修理したりして，商品として売りさばくのだ。


　お店のPCには，依頼主から，今探している品物とそれがありそうな廃屋の情報がメールで届くので，内容を確認したら，いざ出発。現地に到着したら，さっそく探索を開始しよう。依頼の品以外はすべて自分のものにできるので，地面に落ちている空き缶でも，薄汚れたソファでも，とにかくお金になりそうなものは片っ端から拾い集めるべし！


　また，ときおり廃屋となった物件のオークションが開催され，ライバル達に競り勝てば，そこに残されているお宝（というかゴミ？）の山を独り占めできる。大枚をはたいて落札した廃屋にロクなものがなかったらと思うとドキドキするが，高値が付く物件にはそれなりに値打ちがあるビンテージが眠っていることが多いので，気合を入れて探索したい。


　こうして持ち帰ったガラクタのうち，汚れていたり，壊れていたり，パーツが足りていなかったりするものは，そのままでは売りに出せないので，クリーニングステーションでの洗浄や，作業台での修理が必要となる。ただし，これらの設備も最初は壊れていて使えないので，お金を貯めて1つずつ復旧させていこう。


　商品を棚に並べて店をオープンすると，お客がやって来て，気に入ったものを購入していく。値段交渉は簡単なミニゲームになっており，左右に動くバーをタイミングよく止めることで，より高値で売れる仕組みだ。商品を手に入れた客は大喜びで帰っていくが，出所を知っている筆者としては申し訳ない気持ちでいっぱいになる。また，店には客を装った泥棒もやって来るので，見つけ次第，声をかけて追い払おう。


　廃屋のシチュエーションは，どこにでもある納屋から，黒魔術の儀式が行われた跡が残る怪しげなあばら家までさまざまで，時には宇宙人に出会ったり，それを追うMIBがいたりと，ハチャメチャな世界観が楽しい。Steamでは本作のデモ版が配信されているので，廃品回収業者として気ままな生活を送りたい人は，まずはこちらをお試しあれ。もっと本格的にゴミ拾いに専念したい人には，製品版が2050円で発売中だ。

■「Barn Finders」Steamストアページ

https://store.steampowered.com/app/991170/Barn_Finders/