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ASUSの公式TwitterがRadeon専用ブランド「AREZ」の終了を告知
北米時間2018年5月19日,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)が有する公式Twitterアカウントの1つ「ASUS ARES」(関連リンク)は,ASUSが2018年4月に立ち上げたRadeon搭載製品ブランド「AREZ」の終了を告知した。
#ASUS #AREZ is coming to an end, #ROG is here to stay.
— ASUS AREZ (@ASUS_AREZ) 2018年5月20日
そもそもAREZとは,AMD製GPUを搭載する製品向けブランドとして,ASUSが立ち上げたブランドである。
世に広く知られたROGブランドではなく,わざわざ新しい別ブランドを立ち上げながら,わずか1か月程度で終了させるに至った理由をASUSは明言していない。しかし,その理由について,AMDでRadeon Gaming部門担当ジェネラルマネージャー兼副社長を務めるScott Herkelman(スコット・ハーケルマン)氏は,NVIDIAのパートナー企業向けプログラム「GeForce Partner Program」(以下,GPP)が設けていた「グラフィックスカードメーカー各社が抱える既存のゲーマー向け製品ブランドからRadeonを排除する」という反競争的条件のためであると示唆していた(関連記事)。
ところが,2018年5月4日にNVIDIAは突如としてGPPの終了を発表する。その理由は「GPPに関する誤った情報が多すぎて,対処しきれない」というものだった(関連記事)。つまり,AMDが指摘する反競争的条件があったともなかったとも,あったとして終了の直接的な原因となったのかどうかもNVIDIAは語っていないのである。
なので,残念ながらGPPが立ち上がった経緯も,終了の真意も分からない。当事者たちがそれを明らかにすることもないだろう。しかし,結果としてGPPがなくなったので,GPPの条件を満たすためだけに用意されたと思しきAREZというブランドも用済みになった可能性は高そうである。
いずれにせよ,わざわざ別ブランドを作り,それに合わせて新しい製品ボックスをデザインし,マーケティングや広報のためのSNSアカウントまで運用を始めていたASUSからすると,踏んだり蹴ったりといったところかもしれない。
ASUSがAREZを終息させることにより,GPPを巡る騒動はほぼ完全に幕引きということになるだろう。しかし,ことが商売の話である以上,自社の製品を優位に導くために,第2第3のGPP的な取り組みが行われないとも限らない。できることなら,将来登場するGPUやそれを搭載する製品では,関係各社がこのような場外乱闘ではなく,性能や価格といったユーザーにとって真に重要な要素で戦うことを期待したいものだ。
ASUS AREZの当該ツイート(英語)
- 関連タイトル:
Republic of Gamers
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(C)ASUSTeK Computer Inc.