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ASUS,RTX 20シリーズ搭載で厚さ16.15mmのゲーマー向けノートPC「ROG Zephyrus S GX531」を国内発売
ラインナップは,「GeForce RTX 2080 with Max-Q Design」搭載の「ROG Zephyrus S GX531GX」
ASUS公式オンラインショップ「ASUS Store」および公式ショップ「ASUS Store Akasaka」,および一部量販店では予約受け付けを開始しているとのことだ。
本稿では,発表当日にASUS Store Akasakaで行われた技術説明会の様子と合わせて,新製品の概要をレポートしよう。
冷却機構の改良や10キーにもなるタッチパッドの搭載も見どころ
ROG Zephyrusシリーズの大きな特徴としては,一般的なノートPCだと本体の奥側にあるキーボードを手前に持ってきてまで,本体奥側に大きな冷却機構を設けることが挙げられる。とくに,液晶ディスプレイを開くと筐体底面の後部が自動的に浮きいてエアフローを確保する冷却機構「Active Aerodynamics System」は非常にユニークな仕様と言えるわけだが,新しいROG Zephyrus S GX531シリーズでASUSは,基本仕様を踏襲しつつ,冷却能力のさらなる引き上げを実現したという。いわく,従来製品比で空気の流量は22%増え,筐体内の温度を11%下げることができたとのことだ。
冷却機構そのものは,GPUとCPU,チップセットのヒートシンクと計5本のヒートパイプ,2基のファンからなるが,従来比でファンの風速は20%,空気の流量は43%,それぞれ向上しているそうだ。内部に吸い込んだほこりを効率よく排出できる「Anti-Dust Design」も組み合わせてあるとのことである。
なお,従来のROG Zephyrusシリーズと同じく採用する「メインキーボードの右に来るタッチパッド」は今回,10キーパッド機能を利用可能になった。
垂直最大リフレッシュレート144Hz対応で解像度1920
なお,NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」には対応していない。
搭載するCPUは6コア12スレッド対応の「Core i7-8750H」で,メインメモリ容量は24GB。内蔵ストレージとしては,上位モデルのGX531GXがPCI Express(以下,PCIe) x4接続で容量1TBのSSDを,下位モデルのGX531GWはPCIe x2接続で容量512GBのSSDを内蔵する。ハイエンドノートPCとして十分なスペックといったところか。
下位モデルでも税込35万円前後という価格,膝の上に置いて使うには不便なキーボード配置がハードルとなるのは否めないが,持ち運びにも適した高性能ノートPCを求める人ならば,選択肢に含める価値がある製品となりそうだ。
●GX531GXおよびGX531GWの主なスペック
- CPU:Core i7-8750H(6C12T,定格2.2GHz,最大4.1GHz,共有L3キャッシュ容量9MB)
- チップセット:Intel HM370
- メインメモリ:PC3-21000 DDR4 SDRAM 24GB(※接続チャネル数未公開)
- グラフィックス:
・GX531GX:GeForce RTX 2080 with Max-Q Design(グラフィックスメモリ容量8GB)
・GX531GW:GeForce RTX 2070 with Max-Q Design(グラフィックスメモリ容量8GB) - ストレージ:
・GX531GX:SSD(容量1TB,M.2/PCI Express x4接続)×1
・GX531GW:SSD(容量512GB,M.2/PCI Express x2接続)×1 - パネル:15.6インチIPS液晶 解像度1920×1080ドット,垂直最大リフレッシュレート144Hz対応,ノングレア(非光沢),sRGB色域比100%
- 無線LAN:IEEE 802.11ac+Bluetooth 4.1(※詳細未公開)
- 有線LAN:未搭載
- 外部インタフェース:HDMI 2.0b Type-A×1,USB 3.1
Gen.2 Type-C (DisplayPort Alternate Mode対応)×1, USB 3.1 Gen.1 Type-C×1, USB 3.1 Gen.2 Type-A×1, USB 2.0 Type-A×1, 4極3.5mmミニピン×1(※ヘッドセット用) - キーボード:英語フルキー配列(Nキーロールオーバー対応)
- スピーカー:内蔵2chステレオ
- マイク:内蔵アレイマイク(※詳細未公開)
- インカメラ:未公開
- バッテリー容量:未公開
- ACアダプター:最大230W
- 公称本体サイズ:360(W)×268(D)×15.35〜16.15(H)mm(※突起部除く)
- 公称本体重量:約2.1kg
- OS:64bit版Windows 10 Home
CES 2019で登場した国内未発表製品の発売は「前向きに検討」
29日の技術説明会でASUS JAPANは,CES 2019で発表となったものの,国内では未発表の新製品についても「国内展開は決まっていないが,前向きに検討中」として,いくつか実機を披露した。今回はその中から「ROG Mothership GZ700」(以下,Mothership)や「ROG Zephyrus S GX701」(以下,Zephyrus S GX701)について簡単に紹介したい。
まずMothershipは,17.3インチ液晶パネルを備えた本体と,着脱可能なキーボードで構成される持ち運び可能なPCだ。見た目は一体型デスクトップPCだが,ASUSではこれを「Laptop」型PCだとしている。
背面に折りたたみ式のキックスタンドがあるので,本体は自立できる仕組みだ。本体部分のサイズが410(W)×320(D)×29.9(H)mmと相応に大きいこともあり,搭載GPUはノートPC用「GeForce RTX 2080」,搭載CPUは「Core i9-8950HK」というハイスペックなコンポーネントを内蔵するのもポイントである。
気になる重量は未確定ながら,現状で約4.7kgあるそうだ。「ノートPC」として捉えるのであれば,相当な重量級ということになる。
MothershipのストレージはPCIe接続型SSDを3基搭載したRAID 0,その名も「HyperDriver Extreme SSD」構成になっており,既存のSSDと比べて大幅な高性能化を実現しているそうだ。
SSDのRAID 0構成それ自体は珍しくないが,実はそこにも秘密があるとPan氏は言う。いわく,一般的なPCIe接続型SSD RAIDの場合,SSDをチップセット(PCH)側のPCIeに接続しているのに対して,HyperDriver Extreme SSDでは,SSDのうち2基をCPU側のPCIeに,残る1基をPCH側のPCIeに接続する構成を採用しているとのことだ。
「それでは単体GPUの接続に割り当てるPCIeのレーン数を減らしているのか?」と疑問に思った読者は鋭いが,Pan氏はそうではないと主張する。Intelとの独占契約による仕組みを採用するというだけで,詳細については明らかにされなかったのだが,GPU側の接続を削っていないようなので,一体どのような仕掛けになっているのか興味深い。
なおPan氏はそのほかにも,解像度1920×1080ドットで垂直最大リフレッシュレート144Hz,HDR表示対応の液晶パネルを採用することや,高速無線LANの規格である「Wi-Fi 6」ことIEEE 802.11axに対応すること,アルミニウム合金の切削加工で製造した筐体を採用することなどを,Mothershipの特徴として挙げていた。
さて,もう1つの国内未発表製品であるZephyrus S GX701は,ROG Zephyrus S GX531シリーズよりも一回り大きな17.3インチサイズの液晶パネルを採用するノートPCだ。ボディサイズは399(W)×272(D)×18.7(H)mmと,17インチ級のノートPCとしては薄いほうだが,重量はさすがに2.7kgもあるという。
そんなZephyrus S GX701では,GPUの手動切り替え機能「GPU Switch」を利用できるという。ユーザーが高いグラフィックス性能を必要とするときは,液晶パネルへの映像出力を内蔵するGeForce RTX 2080 with Max-Q側へ切り換えればG-SYNCも利用可能になる。一方,バッテリー駆動時間を重視したい場面では,CPU側の統合型グラフィックス機能(以下,iGPU)からの出力を利用できるというわけだ。
ただ,Pan氏に確認したところ,手動切り替えにはWindows 10の再起動が必要とのこと。Zephyrus S GX701をゲーム用途メインで使うのであれば単体GPU側で固定することになりそうである。
米Amazon.comでは,Zephyrus S GX701が3299.99ドル(約36万5600円,税別)で販売中となっており,仮に国内販売が行われたとしても,税込で40万円は下らない高価な製品となるのは間違いなさそうである。とはいえ,薄型でハイスペックな17.3インチ級ノートPCというのは,まだ珍しい存在であるので,そんなPCを持ち運びたいという人には,ニーズがあるのではないだろうか。
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