「LJL 2019 Spring Split」Week2 レポート。王者DFMがUSGとの首位対決を制し，無敗をキープ

　2019年1月25日と26日の2日間， 「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL 2019 Spring Split」，Week2の試合が東京・渋谷のヨシモト∞ホールで行われた。本稿では，その試合の結果と総評，そして注目試合をピックアップしてお届けする。

　1月19日に行われたWeek1ではDetonatioN FocusMe（DFM）と，Unsold Stuff Gaming（USG）が2勝を挙げ，同率1位になっている。
　Week2は1月25日と1月26日の2日に分けて8試合が行われたが，その中でも注目の対決はやはりDFMとUSGの首位直接対決だろう。この勝敗を持って首位が決まるわけではないが，後のWeekにも影響を与えそうな1戦だ。

カメラにポーズしてくれたDFM_Evi選手

Week2 Day1

-	勝利チーム	-
第1試合	V3 Esports	Sengoku Gaming
第2試合	V3 Esports	AXIZ
第3試合	Sengoku Gaming	Rascal Jester
第4試合	Unsold Stuff Gaming	Burning Core
第5試合	DetonatioN FocusMe	Unsold Stuff Gaming

Week2 Day2

-	勝利チーム	-
第6試合	Crest Gaming Act	Sengoku Gaming
第7試合	Crest Gaming Act	Rascal Jester
第8試合	DetonatioN FocusMe	Rascal Jester

注目試合　Unsold Stuff Gaming vs. DetonatioN FocusMe（Week2 Day1）

■バン・ピック　フェーズ1

　DetonatioN FocusMeは，Ceros選手の得意チャンピオンであるハイマーディンガーをピック。これに対してUnsold Stuff Gamingは，Midレーンへのガンクが強力なザックをピックし，Ceros選手に対して圧力をかけていく姿勢を明らかにした。

■バン・ピック　フェーズ2

　逃げ性能が低く，ザックに狙われるであろうハイマーディンガーを助けるためにDFM側が出した答えは，ノクターン（Jungle）のピックだった。ハイマーがガンクをされた場合，ノクターンであれば離れた位置から2対2の戦いに参加できる。また，すでにサポートとしてラカンをピックしてあるので，ラカン＋ノクターンによる集団戦のエンゲージも可能。攻め・守りの両方を見据えたピックといえるだろう。

　アーゴット，ラカン，エズリアルといったOPチャンピオンを揃えたDFM側は，エンゲージ・ポーク・集団戦など，さまざまな点においてバランスの取れたチーム構成に。それに対してUSGはザック，サイオン，スレッシュという相手に飛び込めるチャンピオンを揃え，奇襲から試合の破壊を狙っていく形となった。

■試合内容

　DFMのJungle・Steal選手は，敵Jungleのザックとの戦闘に分があることをふまえ，序盤から積極的に敵Jungleに侵入。Botサイドの視界を奪われたUSG側は，本来の狙いであったMid・Botレーンでの戦闘を起こしづらくなっていた。
　そんな中でも，USG Tussle選手は隙をぬってMidのCeros選手へガンクを敢行。Dasher選手のファインプレーもありファーストブラッドを獲得したUSGだったが，その後は小さなミスが重なってしまい，試合は徐々にDFMペースになっていく。


　形勢が大きく傾いたのは試合時間25分。ドラゴン前の集団戦で，Ceros選手が相手のキャリーチャンピオン二体（ビクター＆シヴィア）に対してスタンを決めたのだ。この一瞬の勝機を見逃さなかったDFMは3キルを獲得し，そのままバロンナッシャーも獲得。
　これによってついた大差は覆しがたく，その後はYutapon選手の活躍などにより，もう一度起きた集団戦を制したDFM側が勝利を決めることとなった。

　

注目ピック：カーサスジャングル

　Week2 Day2 の第2試合 Rascal Jester vs. Crest Gaming Actで，Rascal Jester（以下，RJ）側が見せたピック。
　キーストーン「魂の収穫」の実装により，チャンピオンパワーが大幅に上がったカーサス。ガンクへの耐性が低いためプロシーンではまず見かけないチャンピオンだったが，ヨーロッパ地域ではJungleとしての運用が積極的に試されている。欧州リーグのEU LCSでは，20試合のうちなんと7回もピック（そのうち1回はMidレーンで使用）されているほどの人気ぶりである。　

■強み

• 集団戦で敵全体に与えられる魔法ダメージの高さ
• Rスキル「鎮魂歌」の後押しにより，アーゴット vs. エイトロックスのような，戦闘が起きやすいレーンを一方的に勝たせやすい
• ゾーイやルブラン，エズリアルなど，遠距離から相手の体力を削れるチャンピオンと連携して「鎮魂歌」でキルを狙える
• 継続火力が高く，ドラゴンやバロンを倒すのが早い

■弱み

• 自分から戦闘を仕掛けるのが得意ではないため，チームの構成によっては防戦一方になってしまう
• 1対1での戦闘や奇襲に弱く，視界を管理するために，味方の手助けが必要となる

Week2 終了時点 順位表

　USGとの首位決戦を制し，無敗を守ったのは王者DFM。やはりというべきか，チーム全体の総合力で，ほかのチームを頭一つ上回っているという印象を受ける。
　USGは首位直接対決で敗北したが，それでもこれまでの成績は3勝1敗と好調で，Week2を2勝0敗で終えたCrest Gaming Actと同率2位だ。また，Week1で2敗スタートだったV3 Esportsも2勝0敗で順位を上げ，4位まで浮上した。

　同率の2位につけているCGAとUSGの直接対決は，今週末のWeek3 Day1（2月1日）に行われる予定だ。MidレーンのLuna選手 vs. Dasher選手の対決も含め，実力者同士がぶつかり合う，見ごたえのある試合になるのではないだろうか。

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