イベント
「リーグ・オブ・レジェンド」の国内プロリーグ「LJL 2019 Spring Split」決勝戦レポート。DFMが連覇を達成,MSI出場権と賞金1000万円を獲得
今回争ったのは,シーズン1位のDetonatioN FocusMeと,プレイオフ セミファイナルを勝ち上がったUnsold Stuff Gamingの2チーム。この戦いに勝利したチームはLJL 2019 Spring Splitの王者となり,日本代表として,5月1日から行われる国際大会へと出場することになる。試合形式はセミファイナルと同様,BO5形式(5試合中3試合先取で勝利)だ。
DetonatioN FocusMe(シーズン成績:20勝1敗)
ロール | 選手名 | チャンピオン使用回数TOP3 |
---|---|---|
Top | Evi | サイラス(6勝0敗) ブラッドミア(5勝0敗) カミール(1勝1敗) |
Jungle | Steal | シン・ジャオ(8勝0敗) ノクターン(4勝0敗) ジャーヴァンIV(1勝1敗) |
Mid | Ceros | ハイマーディンガー(5勝1敗) カルマ(2勝0敗) リサンドラ(2勝0敗) |
ADC | Yutapon | ルシアン(5勝0敗) シヴィア(4勝0敗) エズリアル(3勝1敗) |
Support | Gaeng | ラカン(4勝0敗) ブラウム(4勝0敗) ガリオ(2勝1敗) |
昨年の世界大会「Worlds 2018」に出場し,日本チームとして,初となるグループステージ突破を成し遂げたDFM。その実力はもはや国内では敵なしというレベルになりつつあり,事実,今シーズンのLJLでは20勝1敗という圧倒的な成績を残している。彼らを「日本最強チーム」と呼ぶことに異論を挟む人はまずいないだろう。
Unsold Stuff Gaming(シーズン成績:12勝9敗)
ロール | 選手名 | チャンピオン使用回数TOP3 |
---|---|---|
Top | apaMen | アーゴット(4勝3敗) エイトロックス(2勝2敗) サイオン(1勝2敗) |
Jungle | Tussle | エイトロックス(3勝2敗) ザック(2勝1敗) カミール(2勝1敗) |
Mid | Dasher | ゾーイ(2勝2敗) コーキ(2勝0敗) アジール(2勝0敗) |
ADC | Keymaker | エズリアル(3勝3敗) ルシアン(3勝1敗) シヴィア(2勝1敗) |
Support | Enty | スレッシュ(3勝3敗) ガリオ(1勝3敗) ブラウム(3勝0敗) |
今シーズンではメタ(主流の戦術)に振り回され,勝利の軌道になかなか乗ることができなかったUSGだが,プレイオフ セミファイナルでは強豪チームCrest Gaming Actを3勝0敗で退け,破竹の勢いに乗っている。
ここ数週間で,今までとは違うさまざまなピックを見せているUSGだが,DFMに対してはどのような策で挑むのか,注目が集まった。
第1試合
第1試合は開始から15分ごろ,USGが3対3の状況から先にヘラルドを開始した。この判断は,BotレーンにいるKeymaker選手がテレポートを使って参戦できることと,Enty選手のソラカのR「星に願いを(マップ全体の味方チャンピオンの体力を回復する)」による支援を考慮したものだったと思われるが,DFMはその判断を上回る対応をみせた。
DFMはまずCeros選手,Steal選手の2人で,Dasher選手に対してプレッシャーをかけUSGの分断に成功する。局所的に3対2の状況を作り出したDFMはそのままapaMen選手とTussle選手を素早く倒す。Keymaker選手が救援に駆け付けたが,DFMもYutapon選手とGaeng選手がタム・ケンチのR「船旅」によってBotレーンから駆け付け,ミス・フォーチュンのR「バレットタイム」でUSGを一掃した。
USGにとって,この戦いで負った傷は大きかった。この集団戦の結果をチャンスと見たDFMは手を休めることなく攻め続け,DFMはタワーを1本も渡すことなく,32分でゲームに勝利した。
第2試合
第2試合,大きく動いたのは試合開始から13分ごろのBotレーンでの戦闘からだった。USGはDasher選手のリサンドラが壁の裏側からE「グラシアルパス」で奇襲をかけてYutapon選手を狙ったのだが,これに対してタム・ケンチを使っていたGaeng選手は素早く反応し,フラッシュとクレンズを使いながらYutapon選手を守り切った。
ここからDFMはCeros選手とSteal選手,そしてEvi選手がテレポートで駆け付けて反撃開始。両チームともに残り体力がわずかとなる激しい戦いになったが,この状況ではSteal選手のキンドレットのR「羊の執行猶予」が最大級の効果を発揮し,DFMが5キル0デスという戦果をあげた。
また,DFMは21分に起きたMidレーンでの5対5の集団戦でも再び勝利し,バロンを獲得。そのままMidレーンを押し切り,USGのネクサスを破壊して試合に勝利した。
第3試合
第3試合,序盤からEnty選手のパイクが大活躍する展開を見せる。DFMのSteal選手をジャングル内でキルしたほか,MidのCeros選手に対してギャンクを仕掛けるなどしてUSGに有利な状況を作り出した。
会場が大きく沸いたのは33分頃のバロン前での集団戦。DFMはCeros選手のリサンドラが奇襲をしかけ,続いてEvi選手のブラッドミアがUSGのキャリー陣をゾーニング(圧力をかけ,前に出させない)し,Yutapon選手がミス・フォーチュンのR「バレットタイム」でダメージを叩き出すという連携を見事に決める。集団戦はDFMに軍配が上がると思いきや,USGのapaMen選手のメガナーによるR「ナー!」のノックアップで状況が逆転,Enty選手のパイクによるR「水底の急襲」のコンボで一気に4人討ち取り,ギリギリの集団戦に勝利した。
この戦いでバロンを獲得したUSGは,ネクサスを目指し一気にDFMのベース内へと侵攻していく。
だが,この戦いはここで終わらなかった。DFMはCeros選手を欠いた状態でベースを守らなければいけない不利な状況から,USGを撃退することに成功する。45分には,エルダードラゴン前の集団戦でYutapon選手のミス・フォーチュンが凄まじいダメージを叩き出し,USG陣営を全滅させた。
あと一歩のところまでDFMを追い詰めたUSGだったが,この戦いが決め手となってDFMに敗北。3連勝を収めたDFMが,「LJL 2019 Spring Split」優勝の栄冠を手にした。
今シーズンの戦いを終えて
試合後は両チームのファンミーティングが開かれ,約1時間にも及ぶファンと選手たちの交流が行われた。今シーズンから戦いの舞台をヨシモト∞ホールへと移したLJLだが,会場が変わってからはファンミーティングの機会が多く設けられ,ファンと選手たちの距離が縮まったという印象がある。
当然,ファンの選手への思い入れは強くなるし,会場での応援にも力が入るというものだろう。そんな現地での観戦には,家のモニターの前では味わえない感動と興奮がある。まだ現地での観戦をしたことがないというファンは,一度会場へと足を運んでみてほしい。
優勝したDFMには,優勝賞金として1000万円と,5月1日からベトナムと台北で行われる国際大会「2019 Mid-Season Invitational」への出場権が贈られる。前回の国際大会である「Worlds 2018」で見せたDFMの活躍は記憶に新しく,今回も何かしてくれるのではないかという期待感が募る。全13地域のチャンピオンが集まるハイレベルな大会となるが,DFMの活躍に期待したい。
「League of Legends Japan League(LJL)」公式サイト
「リーグ・オブ・レジェンド」公式サイト
- 関連タイトル:
リーグ・オブ・レジェンド
- この記事のURL:
キーワード
(C)Riot Games Inc. All rights reserved. League of Legends and Riot games Inc. are trademarks or registered trademarks of Riot Games, Inc.