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BenQ,垂直144Hz対応で残像感低減技術「DyAc」採用の27インチディスプレイ「XL2735」を国内発売
そもそもXL2735は,9か月ほど前の2016年6月にBenQが開発を表明していたもので,2016年9月に中国・上海で行われたイベントで,実機が公開となった製品だった。それがようやく,日本市場への投入となるわけだ。
最大の特徴であるDyAcについては西川善司氏によるレポート記事が詳しいので,未見の人はそちらを参照してもらうとして,ここではかいつまんで説明しよう。
DyAcは,映像のフレームとフレームの間でバックライトを消灯する「黒挿入」や「疑似インパルス駆動」と呼ばれる手法を使った,残像感低減技術である。
仕組みの都合上,1フレーム分の表示遅延が避けられない技術であるため,XL2735では,入力映像のリフレッシュレートが100Hz(=100fps)以上の場合にのみ,自動で機能するように設定しているとのこと。要するに,100Hz以上では表示遅延が生じてもゲームプレイに深刻な影響は出ないという判断から有効化し,それ未満では無効化して,低遅延での映像表示を優先しようというわけである。
もう1つの特徴は,「XL2540」が採用する,着脱&角度調整可能な板「Shield」を備えていることにある。画面の周囲を遮ることで,ゲームへの集中を妨げるものが見えないようにするためのものだと,BenQ ZOWIEはShieldを位置づけている。
液晶ディスプレイとしての主な仕様もチェックしておこう。ディスプレイパネルには,サイズが27インチで解像度2560×1440ドット,ノングレアタイプのTN液晶パネルを採用する。輝度は250cd/m2,コントラスト比は1000:1,中間調(grey-to-grey)応答速度1msというスペックだ。
スタンド部分のデザインと仕様は,BenQ ZOWIEのディスプレイでは定番のもので,−5〜20度の上下回転(チルト),左右45度の左右回転(スイーベル),上下140mmの高さ調整に対応している。縦回転(ピボット)も可能だ。
ついでに,OSDメニュー操作用のワイヤードリモコン「S Switch Arc」を備える点も,BenQ製ディスプレイならではといったところか。
画質に関わる調整機能としては,暗部の視認性を高める機能「Black eQualizer」や,FPSおよびRTS向けの画調モードなど,これまたBenQ製ディスプレイでは定番の機能を網羅している。なお,G-SYNCやFreeSyncといったディスプレイ同期技術には対応しない。
11万円前後という価格は人を選ぶだろうが,高リフレッシュレート表示と残像感低減機能を兼ね備えた大画面ディスプレイは貴重な存在だけに,魅力を感じる人は少なくないのではなかろうか。
●XL2735の主なスペック
- パネル:27インチ,TN方式,ノングレア(非光沢)
- バックライト:LED
- パネル解像度/最大垂直リフレッシュレート:2560×1440ドット/144Hz
- 輝度(通常):250cd/m2
- 表示色:約1677万色
- コントラスト比:1000:1
- 視野角:左右170度,上下160度
- 中間調応答速度:1ms
- 接続インタフェース:DisplayPort 1.2入力×1,HDMI 2.0入力×1,HDMI 1.4入力×1,Dual-Link DVI入力×1,3.5mmミニピンマイク入力×1,3.5mmミニピンヘッドフォン出力×1,USBポート×3(アップストリーム×1,ダウンストリーム×2)
- チルト(上下回転):対応(−5〜+20度)
- スイーベル(左右回転):対応(左右45度)
- ピボット(縦回転):対応
- 高さ調整:上下140mm
- 消費電力:30W(通常時),0.5W以下(待機時)
- サイズ:632.5(W)×226.0(D)×419.4〜558.8(H)mm
- 重量:8.5kg
- 保証期間:3年間(※液晶パネルとバックライトは1年間)
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BenQのXL2735製品情報ページ
- 関連タイトル:
ZOWIE(旧称:ZOWIE GEAR)
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