SCEの社食が「TOKYO JUNGLE」にジャックされた？　片岡氏と山際氏も登場した「TOKYO JUNGLE」特製カレー事前試食会をレポート

　ソニー・コンピュータエンタテインメント（SCE）の社員食堂が「TOKYO JUNGLE」にジャックされた！　実はこれ，PlayStation 3用ソフト，TOKYO JUNGLEが本日（2012年6月7日）発売されたことを記念して行われた企画で，SCE社員食堂内がTOKYO JUNGLEのポスターやミニポップなどで埋め尽くされ，さらにTOKYO JUNGLEをイメージした特製カレーまで販売されたのだ。

　今回の企画に先立ち，5月30日にメディアを招いての試食会が開催され，TOKYO JUNGLEに乗っ取られる社員食堂がどのような感じになるのかが事前に確認できたほか，本作のプロデューサーである山際眞晃氏と，ディレクターの片岡陽平氏に，TOKYO JUNGLEについての話を聞くことができた。ここでは，その模様をまとめてみたい。

　ちなみに，ここで紹介する特製カレーは，SCEの社内向け食堂のみで販売されているもので，一般の人が行っても食べられない。その点は，注意してほしい。

「TOKYO JUNGLE」公式サイト

　さて，特製カレーは「草食カレー」と「肉食カレー」の2種類が振る舞われた。これは，本作に登場する「肉食系動物」と「草食系動物」にちなんだもので，まず，肉食カレーから紹介すると，フライドチキンが堂々と1本乗っかったシンプルな見た目。実際に食べてみた感想は，肉食系らしく，なかなかスパイシーで正当派な辛いカレーといったところだ。一方の草食カレーは，人参，ブロッコリー，ナスなど，バラエティ豊かな野菜が惜しげもなく投入され，辛みを抑えた食べやすいヘルシーなカレーだった。

　草食系男子の筆者としては，どちらかというと草食カレーが好みな感じだったが，肉食カレーの味もなかなかであった。

左が肉食，右が草食カレーだ。ドリンクは，TOKYO JUNGLE特製スムージー，デザートはポメラニアンの肉球をイメージしたというミルクプリンだ。ちなみにカレーの価格は，どちらも490円とのこと

　ここで，当日の主役ともいえる片岡氏と山際氏が登場して，特製カレーを試食。実際に食べた感想などをコメントしていた。

TOKYO JUNGLEのプロデューサー，山際眞晃氏

ディレクターの片岡陽平氏

カレーを試食するお2人。ちなみに片岡氏によると，今回の企画は，先週くらいにいきなり決定したもので，片岡氏自身も具体的な内容は聞かされていなかったのだそうだ。「カレーの味見をしてください」とだけ言われ，「それ，なんのプロモーションになるんだろう」と思ったとか

　その後は，片岡氏と山際氏もメディアのテーブルに座り，非常にフランクな感じで試食会が続けられた。せっかく開発者と同席しているのに何も話を聞かないのはもったいないので，片岡氏と山際氏にいろいろと質問してみた。

――店頭体験体験会の様子を見て，どのような感想を持たれましたか。

片岡氏：
　20代〜30代の方が多いのかなと思ったんですけど，実際には小学生くらいのお子さんもいらっしゃいましたね。15歳以上推奨の作品ではあるんですが，親御さんと楽しそうにプレイしていたのが印象的です。あと，お年を召した方もプレイしていて，予想以上に獰猛なポメラニアンに驚いていたようです（笑）。

――人気の動物はなんですか。

この企画のためだけに制作された，レアなポスターも展示

片岡氏：
　ひよこは結構人気ありますね。実はひよこって，最初はただのモブキャラで，プレイヤーキャラクターとして使える予定はなかったんです。でも，昨年（2011年）の東京ゲームショウに出展したとき，ひよこの人気が予想外に高く，「これは，ひよこを入れないとまずいな」ということになり，急遽モブから格上げされたんです。動きも8パターンくらいしかなかったんですが，50パターンくらいまで増やしました。

――制作される際は，動物の生態とかも勉強されたんでしょうか。

片岡氏：
　かなり調べましたね。でも，動物の攻撃パターンって，やっぱり少ないんですよ。人間だと剣や盾を持ったり，いろいろなバリエーションが作れるじゃないですか。でも動物はそれがない。リーチも短いですしね。
　作ってるときに，スタッフが「攻撃当たんねぇ！」って言ってました（笑）。そのため，動きに関してはものすごく苦労しましたね。
　あと，あんまり無茶すると動物のイメージも崩れちゃうんで，ゲームとして違和感がないよう，ギリギリの調整をするのも大変でした。


――動物園に取材に行かれたりしたんですか。

片岡氏：
　行きました。実は本作の動物のテクスチャって，実写なんです。サファリパークなどでパシャパシャ撮りましたよ。でも，動物園の動物って，寝てるやつとか多くて，なんとなくハリがないんですよ。全然参考にならない（笑）。

――交尾もかなりお調べになったとか。

片岡氏：
　交尾に関しては動画を中心に調べました。犬とかは，ただ乗っかればいいんですが，ハリネズミの交尾とかはなかなか発見できなくて（笑）。僕の中では交尾のモーションって，攻撃と同じくらい華のあるモーションなんです。ですので，開発でも気合を入れてこだわりました。


――ちなみに，海外版「TOKYO JUNGLE」の予定などはあるんでしょうか。

山際氏：
　予定はしていますが，今は時期を見ているところです。あまりセリフもないので，移植も簡単でしょうね。海外で，どんな反応になるのかすごく楽しみです。たまにクリスピーズのほうにも，海外から「楽しみにしてるぜ！」みたいな熱心なコメントを送ってくれる方もいらっしゃいますね。

――ありがとうございました。

　読者の皆さんにしてみれば「なんなんだこれは」という感じかもしれないが，ともあれ「TOKYO JUNGLE」は本日発売だ。