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「Japan VR Summit 3」のパネルディスカッション「グローバルVR/AR12兆円市場へのロードマップ」をレポート
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印刷2017/10/12 19:50

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「Japan VR Summit 3」のパネルディスカッション「グローバルVR/AR12兆円市場へのロードマップ」をレポート

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 グリーと一般社団法人VRコンソーシアムが主催,日経BPが共催する「Japan VR Summit 3」が,2017年10月11日から13日にかけて東京都内で開催されている。本イベントはVRに関する大型カンファレンスで,2日めとなる10月12日には,VR関連ビジネスに関心のある業界関係者に向け,VR業界の第一線で活躍する国内外のゲストを迎えた6つのプレミアムセッションが行われた。

 本稿では,ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下,SIE),日本マイクロソフト,そしてHTCのVR事業担当者が,VR市場の現状や展望などについて意見を交わしたパネルディスカッション「グローバルVR/AR12兆円市場へのロードマップ」をレポートしよう。なお,ディスカッションのタイトルとなった“12兆円市場”とは,「2021年にVRのグローバル市場は12兆円規模にまで成長する」という,とある調査会社の見通しを受けたものである。
 パネルディスカッションの登壇者は,以下の4名だ。

●パネリスト
ソニー・インタラクティブエンタテインメント グローバル商品企画部 担当課長 高橋泰生氏

日本マイクロソフト 業務執行役員 本部長 三上智子氏

HTC VP / VR New Technology Raymond Pao氏

●モデレーター
一般社団法人VRコンソーシアム 代表理事 / ハコスコ 代表取締役 藤井直敬氏

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高橋泰生氏
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三上智子氏
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Raymond Pao氏
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藤井直敬氏

 ディスカッションの最初のテーマは,「VR市場がスローであることに対して,悲観的になっているかどうか」。すなわち,2016年には「これからはVRだ!」という声が大きかったわりに,その1年後の2017年現在,VR市場は思ったほどの勢いがないのではないかといった意見に対して,VR事業を手がけている当事者達はどう思っているのかというわけである。

 3名のパネリストの意見は,いずれも「No」だ。高橋氏は「2021年よりもう少し先になるかもしれないが,VR市場が12兆円規模まで成長するポテンシャルは十分ある」とし,「その中でPlayStation VRもしっかりしたポジションを築いていきたい」と語った。
 三上氏は,「ここ数年で“VR市場”というような区分けがなくなるのではないか」とする。その根拠として,Windows 10には「3D for Everyone」と呼ばれる一連の3D機能が搭載されていることに言及し,「そうした事例をベースに,近い将来にはVRやAR,MRといった垣根がなくなり,人と人とのコミュニケーションが変わり,ビジネスも変わっていくだろう」と予想を述べた。
 そしてPao氏は,今後UIは2Dから3Dに移行していくとし,HTCとしてもプラットフォームやコンテンツに注力してVRによるエコシステムを拡大していきたいとの考えを示した。

 「お互いのプラットフォームについて,長所を挙げる」というテーマでは,まず高橋氏がWindows MRについて,「所有しているPCにプラグインでつなげばすぐに使えるところ」を挙げた。つまり,PS VRも含めて従来のVR HMDはキャリブレーションが必要だったり,設置に配慮しなければならなかったりと何かと面倒だったが,Windows MRはそのハードルを大きく下げており,一般の人達にリーチする可能性が高まったというわけである。
 三上氏はViveについて,「VRの世界観をいち早く世に広めたイノベーター。そのあともVRの牽引者となっており,市場に残したインパクトは大きい」とコメント。
 Pao氏はPS VRについて「VRコンテンツがまだ少ない時期から,優れたIPやコンテンツをVR向けに世に送り出しており,素晴らしい」と語った。

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 3つめのテーマは,「Appleがどのような形でVR/AR市場に参入してくるか」というもの。三上氏は,「iPhone Xを見ると,まずは開発者をエキサイトさせようという意図が読み取れる」としつつも,具体的にどうするつもりなのかは見当が付かないとのこと。
 またPao氏は,iPhone Xについて「ARをサポートするパワフルなメディア」と表現し,「多くの開発者がARを活用して3Dコンテンツを作り出すことと,UIの3D化に影響を与えるだろう」とした。

 「VRやARが日常に溶け込むためには何が必要か」というテーマでは,高橋氏がVR HMDを被ることのハードルの高さを指摘。こと“日常”という意味では,もっと小さいサイズでワイヤレスのVR HMDが必要になるだろうとの見解を示した。ただ,現在のPS VRでは「HMDを被ることで“非日常”の素晴らしい体験ができる」という方向性のアピールをしているという。
 Pao氏は,VRコンテンツが医療や教育,あるいはクルマのショールームなどで活用されていることを指摘し,今以上にさまざまな場所でVRデバイスを目にするようになれば,身近なものになるだろうと話す。
 また三上氏は二人に同意し,まず快適性の高いVR HMDについては遅かれ早かれ登場するとし,あとはどれだけ早く実現できるかだとした。またVRコンテンツが不動産業界で使わるなど,各業界の業務変革を起こしていることにも言及していた。

 ディスカッションの話題は,発表されたばかりのスタンドアロン型VR HMD「Oculus Go」にも及んだ。3名のパネリストは,199ドルという価格はVRの普及に確実に貢献するだろうとし,消費者だけでなくコンテンツの提供者にとってもいい影響を与えるとする一方,スペック面でまだ不明な点が多く,何がどこまでできるのか知りたいとも話していた。

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 最後のテーマは,「VRやAR,MRが融合した世界が,未来の社会をどう変えるか」というもの。高橋氏は,「リアルの世界で行きたい場所に一瞬で行けたり,あるいは非現実の世界に入り込めたりするのがVRの長所。そこを強化していくと,面白くなるのではないか」と語った。
 三上氏は,「VRやAR,MRが融合した世界は,人と人とのコミュニケーションを根本的に変える」とし,「今の技術でも,地球の反対側にいる人と空間を共有し,あたかも隣にいるかのように会話できる。それを,誰もが普通に使える日が必ず訪れる」と展望を示した。Pao氏もまた,「いつでもどこにいても,誰にでも会える。それが究極のゴールではないでしょうか」と話していた。

 最後にモデレーターの藤井氏が,「VRやAR,MRが融合することにより,これまで人類が縛られてきた時間と空間の制約がなくなる。そうなったとき,人としてのあり方と世界に対する認知が変わるだろう」とし,「その意味で,VRやAR,MRがもたらすインパクトは,これまでのテクノロジーがもたらしたそれを超えるものになる可能性がある」と期待を語って,ディスカッションを締めくくった。
  • 関連タイトル:

    PlayStation VR本体

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    Vive

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