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「Overwatch League Grand Final 2018」はロンドン・スピットファイアが圧倒的な実力で勝利。初代MVPはDPSプレイヤーのProfit選手に
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印刷2018/07/30 20:50

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「Overwatch League Grand Final 2018」はロンドン・スピットファイアが圧倒的な実力で勝利。初代MVPはDPSプレイヤーのProfit選手に

 Blizzard Entertainmentが運営する,「Overwatch」PC / PS4 / Xbox One)のプロリーグ「Overwatch League Grand Final 2018」が,北米時間の2018年7月27日と28日に,ニューヨークのブルックリンにあるバークレイズセンターで開催された。

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 その前日に開催されたプレスカンファレンスの様子はお伝えしているとおりだが(※関連記事),チャンピオンシップに残ったのは,シーズンを通してさまざまな困難を克服しつつ勝ち上がってきたフィラデルフィア・フュージョンロンドン・スピットファイアの2チーム。試合では,スピットファイアが2-0(第1マッチ3-1,第2マッチ3-0)という圧倒的な差で勝利を掴み,栄えある初代チャンピオンに輝いた。また,MVPには韓国出身のDPSプレイヤーとして大活躍していたProfit選手が選出されている。

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 今回のグランドファイナルでは,2日間で延べ2万2434人におよぶファンがバークレイズセンターに来場と公式発表が出ているが,その多くのファンがスピットファイアやフュージョン,さらには地元ニューヨーク・エクセルシアのユニフォームを着込んでいた。また,会場通路にあるプレイヤー達の写真に熱狂する来場者も見られ,Blizzard Entertainmentの描いていたリーグ作りの青写真が,具現化されたような印象だった。

 Overwatch Leagueのグランドファイナルのルールはプレイオフで利用されたものと同じで,「エスコート」「コントロール」「アサルト」,そして「ハイブリッド」という4つのゲームモードをプレイ。さらに2-2の同点になった場合は,いずれか1つのゲームモードのマップが使用される。順序やマップは,直前にランダムで選出され発表される。初日に第1マッチ,2日目に第2マッチ,それでも決着がつかない場合は第3マッチで勝敗を決めることとなる。

 大会の様子は,パートナー契約を結んでいるTwitchでストリーミング中継されたので視聴した読者もいると思うが,アメリカではさらに,eスポーツに本腰を入れ始めたスポーツ専用チャンネルのESPN,そして同じく青少年向けのケーブルチャンネルDisney XDでもライブ放送されている。
 今シーズンの賞金は総額350万ドル(約3億9000万円)で,シーズン中の順位やプレイオフの成績によって獲得賞金は振り分けられるが,グランドファイナルでチャンピオンとなったスピットファイアが100万ドル,2位のフュージョンが40万ドルを獲得した。

 ここで,1月10日に始まった半年におよぶOverwatch Leagueの結末を,簡単に紹介しよう。


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延べ2万人を超える観衆を前に,シーズンを戦い抜いた2チームが激突


 より多くのファンが見られるであろう北米時間の夕方にスケジュールが組まれたグランドファイナル。ゲートがオープンする3時間前から100人以上のファンが並んでいた。

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 ニューヨーク・エクセルシアの本拠地だけあって,プレイオフで勝ち進めなかったのにもかかわらず,そのユニフォームを着込んで観戦に興じるファンも少なくなく,ロケーションベースのプロリーグがしっかりと根付いていると感じられた。
 バークレイズセンターの最大入場者は1万8000人だが,北側はステージや巨大スクリーンでブロックされているので,おそらくは1万3〜4000人分の席があるといったところだろうか。ただ,最上階にはそれほど人が座っていたわけではないようで,完売したチケットの販売数は,メディアやリーグ関係者,招待客などを除いて1万人分というのが妥当な数字だと思われる。それでも,北米で,1つのゲームのトーナメントにこれほどの規模のファンを集められるものは多くない。

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 さて,第1マッチで発表されたマップセットは,「Dorado(エスコート)」「Oasis(コントロール)」「Eichenwalde(ハイブリッド)」「Volskaya Industries(アサルト)」「Junkertown(コントロール)」。
 それぞれのスターティングプレイヤーは,ロンドン・スピットファイアがFury選手(フレックス),Profit選手(DPS),Birdring選手(DPS),Gesture選手(タンク),Bdosin選手(サポート),Nus選手(サポート)。対するフィラデルフィア・フュージョンがCarpe選手(DPS),EQO選手(DPS),Sado選手(タンク),Hotba選手(フレックス),Boombox選手(サポート),Neptuno選手(サポート)という布陣だ。

 コメンテーターの“ゴールデンボーイ”ことAlex Mendez(アレックス・メンデス)氏がメインMCを務めて会場を盛り上げ,それぞれの選手が入場し戦いの火ぶたが切られた。

これだけの大舞台はOverwatch Leagueの選手にとっても初めてで,フュージョンの選手らは入場時にかなり緊張した面持ちだった
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 第1マッチ,ゲーム1のDoradoではフュージョンが先勝するも拮抗した雰囲気を見せ,両チームのオフェンスプレイヤーであるProfit選手,Birdring選手,Carpe選手,そしてEQO選手らが見せ場を作っていた。その裏では,それぞれのチームのメインサポートであるスピットファイアのNus選手とフュージョンのNeptuno選手が大活躍。このあとのOasisを含めて,Nus選手は13回,Neptuno選手は11回も味方を蘇生している。サポート選手のうまさが試合を面白くすることが良く分かるマッチだったと言えるだろう。

 ゲーム2のOasisでは,スピットファイアのFury選手とGesture選手が好調さを見せ始める。のちの記者会見でGesture選手は「プレイオフ以降のメタを最も理解しているのは僕とFuryだと思う」と話していたが,この2人の先導で2〜3回のアルティメットを同時に炸裂させて相手チームを二分したり,迂回しての連続キルを獲得したりと,個人プレイでフュージョンを圧倒していた。

1日目の前半戦が終了したときには,ゲーム1を押さえたことで笑顔を浮かべていたフュージョンのCarpe選手とPoko選手
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 ゲーム3のマップであるEichenwaldeは,フュージョンにとってEQO選手のファラや,Hotba選手の交代要員として入ってきたPoko選手の使うD.Vaの活躍で,プレイオフ以降は落としたことのないマップだ。
 フュージョンは3タンクのコンプ(構成)でディフェンスし,6人のプレイヤーがかなりタイトにまとまって移動するなど,事前に練っていたであろう作戦を試していた。しかし,プレイヤー個々のスキルが勝っていると感じられたスピットファイアは,それぞれの局面でしっかりと対処する。思えばフュージョンの選手達は,ここを落としてしまったことで緊張の糸が切れたのか,これ以降も負けを引きずっているように感じられた。

1日目を制してロンドンのファンにアピールするGesture選手(中央)と,いつもシャイな雰囲気のProfit選手
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第1マッチのリザルト
  フィラデルフィア・フュージョン ロンドン・スピットファイア
ゲーム1
3
2
ゲーム2
0
2
ゲーム3
1
2
ゲーム4
1
2
ゲーム5
-
-

○ 第1ラウンドのProfit選手のトレーサー無双プレイ。


○スピットファイアが優勢な展開になりかける中,“Pokobomb”というゲーム用語にもなったフュージョンのPoko選手によるD.Va自爆攻撃が炸裂。しかし,そこからしっかりと対応できるのが,スピットファイアのうまさと強さだった。



圧倒的なプレイでスピットファイアが初代王者に


 さて,現地時間の28日に行われた第2マッチ。第1マッチのゲーム2以降,ほぼ手出しができなかったような状態だったためか,フュージョンのメンバーは試合後の記者会見で焦りが見られ,勝ち気な性格であるEQO選手は記者団の質問に対して苛立っているような場面も見られた。
 フュージョンが勝ちパターンを作るには,アグレッシブなプレイを仕掛けてくるスピットファイアのタンクをしっかりと制御しつつ,Fury選手やProfit選手がフュージョンのメインサポートであるNeptuno選手をキルされないように生かすこと,そしてウィドーメイカー使いでスナイピングに定評のあるCarpe選手が,どこまで調子を取り戻すかにかかっているだろう。

 そして,第2マッチでアナウンスされたマップセットは,「Junkertown(エスコート)」「Lijiang Tower(コントロール」「King’s Row(ハイブリッド)」「Hanamura(アサルト)」「Dorado(エスコート)」。
 フュージョンのオフェンスであるCarpe選手とEQO選手は広いマップを得意とするタイプなので,Point B以降にマップが狭くなるJunkertownを苦手としている。Point Aからのトランジションにどれだけ対応できるかで,この日の試合状況が変わってくると思われたが,攻撃的なプレイを仕掛けたフュージョンは,ここでもゲームを落としてしまった。

 1日目の試合でも顕著だったが,フュージョンのCarpe選手によるウィドーメイカーやハンゾーを使ったスナイピング,ブリギッテやトレーサーを使うEQO選手,Poko選手のD.Vaを使った自爆攻撃“Pokobomb”など,ときおりゲームの情勢を変化させるような個人レベルでの活躍はあった。しかし,スピットファイアはどんな状況においても焦らずに,自分達のすべきことを理解して対処しているといった印象を受けた。

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 このグランドファイナルという舞台にもかかわらず生まれた大きな力の差は,コミュニケーションの差にあるのかもしれない。というのもフュージョンは,9か国のプレイヤーが集う12チーム中で最もインターナショナルなチームなのに対して,スピットファイアは全員が韓国人選手だったからだ。
 フュージョンのCarpe選手,Hotba選手,Sado選手ら韓国組は,記者会見などでは寡黙で,欧米プレイヤーとは距離を置いているような雰囲気が感じられた。半年以上にわたって共同生活を続けたとはいえ,まだ言葉の壁によって意思疎通が難しかったのかもしれない。

 一方,スピットファイアは複数チームの混成部隊であるとは言え,同じ韓国語で試合中や練習中,オフタイムでさえコミュニケーションが取れる。リーダーであるBdosin選手は,同じサポートのNus選手と,「サポートプレイヤーの理想的なプレイ」について,喧嘩になりそうなほど激しく議論したと記者会見で話していたが,やはりチームワークを向上させるのは言語であることを認識させる発言でもあった。

第2マッチのリザルト
  フィラデルフィア・フュージョン ロンドン・スピットファイア
ゲーム1
2
3
ゲーム2
0
2
ゲーム3
3
4
ゲーム4
-
-
ゲーム5
-
-

○Gesture選手がアルティメットを繰り出し,相手が二手に分かれる瞬間をついて,Fury選手やProfit選手が相手をキルするような展開が多くみられた。


○ハンゾーの名手,Birdring選手の連続キル。会場を大いに沸かせたプレイシーンの1つ。


 こうして,記念すべき第1回 Overwatch Leagueの栄冠は,ロンドン・スピットファイアが手にした。同チームのリーダーBdosin選手は「もっと強いチームに勝って優勝したかった」と話していたが,それぞれのチームや各選手にいくつもの見せ場があり,会場は大いに盛り上がったのは間違いない。これまでロサンゼルスをベースにシーズン戦が行われてきたOverwatch Leagueだが,ほかの地域で地元以外のチームが対戦しても,十分な集客ができることを証明したことで,Overwatch Leagueは「成功だった」と言っていいだろう。

 会場には,Blizzard Entertainmentのディレクター,Jeff Kaplan(ジェフ・キャプラン)氏はもちろんのこと,大物シンガーのジョン・ボン・ジョヴィさんが観戦していたり,DJキャレドさんが2日目に登壇して会場を沸かせたりした。さらに,試合の合間でウェーブが巻き起こったり,来場者の歓声の大きさを測ったり,さらには“Tシャツ・バズーカ”でTシャツが配られたりと,筆者が見てきたこれまでのゲームイベントの中では,確実にNBAやNFLのようなスポーツ観戦をしているような雰囲気に近かった。

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 もちろん,大手スポンサーや投資家を呼び込んで行われた,これほどの規模での興行が,本当に資金回収をできるほどの集客性があるのかは個人では計り知れないところだ。しかし,アメリカにおいてはテレビのニュースでもスピットファイアの勝利が伝えられるなど,メインストリーム化し始めていることも感じられるのだ。

 第1シーズンが始まったときに筆者が感じた,「ここに日本のチームや,日本人選手が混じっていたら日本国内でも盛り上がるだろうに」という思いはさらに強くなったが,とりあえずはOverwatch Leagueが第2シーズンに向けて,どのような活動が展開されていくのかに期待したい。

チャンピオンになった喜びを分かち合うスピットファイアのリーダー,Bdosin選手とNus選手。練習中に激しく口論したというが,最後の記者会見の際にはお互いに感謝の言葉をかける一幕も
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MVPにはDPSプレイヤーのProfit選手が選出。このチームからは誰が選ばれても不思議ではなかった
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Photo: Courtesy of Blizzard Entertainment



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