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ハロー!Steam広場 第106回:持たざる者達が拾った武器で殺し合いを繰り広げるデスゲーム「The Culling」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ナイトビジョン系のアイテムを見つける前に目が慣れてしまう上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第106回は,「The Culling」をメインに紹介する。離島を舞台にした本作は,最大16人のプレイヤーが,25分という時間制限の中で殺し合いを繰り広げる一人称視点のアクションゲームだ。装備はすべて現地調達。ライバルよりも殺傷能力の高い武器を見つけて,最後まで生き残ろう。このほか,体内でバクテリアが戦うRTS「C.U.R.E」もあるので,お見逃しなく。
現地調達した武器で殺し合いを繰り広げるオープンワールド型アクションゲーム「The Culling」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はアメリカのゲームデベロッパ,Xaviantが手掛ける「The Culling」を紹介しよう。
離島を舞台にした本作は,最大16人のプレイヤーが,25分という時間制限の中で殺し合いを繰り広げる一人称視点のアクションゲームだ。マッチメイキング形式の対戦ゲームでありながら,プレイヤーの装備はすべて現地調達というサバイバルゲーム的なエッセンスが盛り込まれているのが,特徴といえるだろう。
開催地の離島は,16人というプレイヤー人数を考えるとかなり広く,スタート地点もそれぞれ違うので,基本的には僻地での遭遇戦がメインになる。ゲーム開始時は素手の状態なので,まずは周辺を探索しつつ装備を作るなり拾うなりして,ほかのプレイヤーとの遭遇に備えよう。
島内で入手できる武器のほとんどは近接用なので,戦闘もそれに準じた間合いで行われる。殴り合いで重要なのは,「攻撃」「ガード」「ガード崩し」という3つのアクションだ。三すくみにするならば,攻撃はガード崩しに,ガード崩しはガードに,ガードは攻撃に強いといった感じだろう。
もちろん,敵と鉢合わせた状況やプレイヤースキルも絡んでくるので,そこまで単純な話でもないのだが,少なくともこの3アクションは使いこなせるようにしておきたい。
近接戦が主体となる以上,弓や銃を手に入れたプレイヤーが有利になるのは必然。終盤まで生き残っているプレイヤーは,総じて遠距離武器を所持していることが多く,そういった相手と互角に戦うには,こちらも相応の武器を持っている必要がある。
一番手の届きやすい遠距離武器は弓だ。弓は,その辺に落ちている素材で作ることができるうえ,いずれはボウガンに強化できるので,1つは持っておきたいところ。ただ,遠距離武器は接近戦では役に立たないので,過信は禁物だ。
より品質の高い装備品は,金属製の青い箱から獲得できる。箱は「F.U.N.C」と呼ばれるポイントを使って開けることができ,手作りの武器とはひと味違った性能の武器が入っていることも。このほかにも,プレイヤーのHPを回復する装置を利用したり,あらかじめ設定しておいた支援品を落としてもらったりと,F.U.N.Cを消費するシーンは多い。
F.U.N.Cは,時間経過で溜まるほか,拾った装備や素材をリサイクルマシーンに放り込むことでも入手可能だ。
先に言及した「あらかじめ設定しておいた支援品」というのは,AIRDROPと呼ばれるもので,現時点では4つのタイプに分けられている。強力な弓が入った「ARCHER」,相手の位置が分かる端末とスタンガンを同梱した「STALKER」,スレッジハンマーやボディアーマーといった重装備が詰め込まれた「TOUGH」,中身がランダムの「SURPRISE MEI」といった感じで,メインメニューから設定できる。
ゲームモードは,誰一人として信用できないデスマッチ「FREE FOR ALL」と,チームを組んで挑戦する「TEAMS」の2種類が実装されている。チーム戦は,8人対8人に分かれるのではなく,2人1組の計8チームで戦うといった形になっており,フレンドと組んでマッチに参加することも可能だ。
このゲームは,必ず勝者が出るように工夫されている。その工夫というのが,毒ガスイベントだ。これは,ある程度時間が経過した段階で,島の端に設置された毒ガス装置が作動するというもの。毒ガスは,島の中央に向かって徐々に広がっていくため,プレイヤーは自然と島の中心に集まることになり,最終的にそこで殺し合いをすることになるのだ。
オープンワールド型サバイバルゲームの雰囲気を持ちながら,1マッチ25分という競技性の高いPvPが楽しめる本作。ゲームとしての完成度も高くて,本来ならば広くオススメできる作品なのだが,対戦ゲームである以上,どうしてもラグの問題が付きまとう。
というのも,本作のサーバーは,アメリカ,ヨーロッパ,オセアニアの3か所にのみ設置されており,いずれのサーバーも日本からの通信環境が快適とは言いがたい。一番速度の出るアメリカでも200ms以上なので,戦闘ではある程度先読みして動く必要が出てくる。
アジア地域にもサーバーがあれば,「興味のある人は遊んでみよう」と声を大にして言えるのだが,現状では「ラグがあるということを承知したうえで」という前提を付けざるをえないのが歯がゆいところ。もっとも,本作はアーリーアクセス中のゲームなので,開発者達も様子を見ながらサーバーを追加している段階だ。
要望が多ければ,いずれアジアサーバーが追加される可能性もあるので,購入した人はぜひ,開発者に「Asia Server Plz!」といった要望を送ってみてほしい。
「The Culling」Steamストア(1480円)
腸内やペトリ皿を舞台にバクテリアを操作して戦うリアルタイムストラテジー「C.U.R.E」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回はアメリカのインディーズ系デベロッパ, Cryogenic Entertainmentが手掛ける「C.U.R.E」を紹介しよう。
本作は,人間の体内を舞台とした微生物達の戦いを描くリアルタイムストラテジーだ。プレイヤーはひとりの科学者となり,独自に開発したバクテリアを操作して,人に害を及ぼす悪玉菌を退治していくことになる。
マルチプレイ対戦がメインとなる本作では,体内の善玉菌を死滅させて宿主の病死を狙うオフェンス側と,それを防ぐディフェンス側に分かれて戦うようだ。相手の菌を殺すことが必ずに勝利につながる訳ではなく,戦いの舞台となる腸や血管内の環境に合わせて,そこに適合できるバクテリアを作っていくことも,大切な要素の1つになるという。
どう見ても大腸菌にしか見えないプレイヤーユニットは,二重らせんの構造をいじることで進化させられるようだ。特定の菌に強かったり,特定の環境下で力を発揮したりなど,プレイヤーの得意とする戦術に合わせて進化させていくことが重要になるだろう。
微生物の世界を舞台にしたRTSというのはなかなか珍しく,同ジャンルが好きな人にとっては刺さりそうな本作。現在クラウドファンディングでキャンペーンも行っているのだが,「Gamekicker」というあまりなじみのないサイトであるためか,まったくと言っていいほど資金が集まっていない。
このままでは失敗に終わりそうな気配だが,デモ版が公開できるほどには開発が進んでいる様子なので,もう少し煮詰めれば,アーリーアクセスとしてリリースすることもできるはず。すでにGREENLIGHTは通過しているので,興味のある人は今後の動向に注目しておこう。
「C.U.R.E」GREENLIGHTページ
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