ハロー！Steam広場 第108回：陰湿な地下室で悪霊にねちっこく追い回されるホラーアドベンチャー「Vernon's Legacy」

「すちーむ」ってなぁに？というよい子のみんな集まれー！　「ハロー！ Steam 広場」は，PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを，筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する，とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば，Steamを起動していないと心配で眠れない上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

　ハロー！Steam広場 第108回は，TripleBrickが手掛ける「Vernon's Legacy」をメインに紹介しよう。本作は，祖父が遺産として残した屋敷を舞台とするホラーゲームだ。プレイヤーは，屋敷に隠された地下室へ向かい，そこで悪霊と一方的な鬼ごっこをする羽目に。このほか，各国の剣闘士達が戦う対戦ゲーム「Versus：Battle of the Gladiator」もあるので，お見逃しなく。

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猛スピードで地下室を徘徊する悪霊から生き延びるホラーアドベンチャー「Vernon's Legacy」

　アーリーアクセスとは，開発途中のゲームを購入して，デバッガー兼プレイヤーとして参加できる，Steamの販売形態の1つだ。今回は海外のインディーズ系デベロッパ，TripleBrickが手掛ける，第一次世界大戦後のドイツを舞台にしたホラーアドベンチャーゲーム「Vernon's Legacy」を紹介しよう。


　本作の物語は，2日前に急逝した祖父の遺産を相続するため，生前に彼が暮らしていた屋敷を訪れるところから始まる。プレイヤーは，そこの新しいオーナーとなるわけだが，屋敷に着いてみると，どうも様子がおかしいことに気付く。数日前まで祖父とその使用人達が暮らしていたはずなのに，目の前にある屋敷は何十年も放置されていたかのように廃れてしまっているのだ。
　加えて，祖父の世話をしていたはずの使用人達も出迎えにこない。つまり，この屋敷は現在，無人の廃墟と化しているのだ。


　ゲームの大まかな流れは，屋敷内を探索しつつ，以前そこに住んでいた人たちが残したとされる手紙を回収していくというもの。手紙には，屋敷で起きた出来事などが書き綴られており，プレイヤーはのちに，秘密の地下室の存在を知ることになる。
　そこにたどり着くまでには，屋敷中に仕掛けられた難解なパズルを解いていく必要があり，仕掛けのヒントもタンスの2段目の引き出しなど，絶妙な場所に隠されているので，怪しいところはくまなく探していくことが重要だ。


　屋敷内はとても薄暗く，耳に入るのも風が窓を叩く音や，主人公の足音くらいだ。静かなぶん，ちょっとした物音でもいちいち驚いてしまうわけだが……。また，「ほかのゲームならこのタイミングで来るはず」と，ホラーゲーム経験者ならば身構えてしまうシーンでなにも起こらなかったりするので，いつ脅かされるか分からないというのが，かえって恐怖心を煽ってくる。

敷内の不気味な雰囲気に飲まれてSAN値は下がる一方だ

　そして，数々の謎を解いて地下室に到着すると，ゲーム全体の雰囲気が一変する。そこは地下室というよりも，複雑に入り組んだ防空壕のようになっており，風が吹き抜ける音なのか分からないが，時折うめき声のようなものが聞こえてくる。回れ右をしようにも，地上への扉は不思議な力で閉ざされてしまっているという，お約束の状況なので，ランタンを片手にどんどん奥へと進むしかない。


　地下室はエリア制になっており，次のエリアへ進むための扉を開くには，キーアイテムが必要になる。それを探すために迷路のような地下を探索することになるのだが，屋敷とは違ってパズル的な仕掛けは用意されていない。その代わり，というにはあまりにも釣り合いがとれていないのだが，この地下室では悪霊が猛スピードで徘徊しており，それに捕まると即ゲームオーバーとなる。


　地下室の道幅はとても狭いので，悪霊に遭遇してしまった場合は後ろに逃げるしかない。前述したとおり，悪霊は猛スピードで移動しているので，少しでも足を止めようものなら画面が赤く染まることになる。
　そしてなにより恐ろしいのが，悪霊のしつこさだ。何度角を曲がっても，プレイヤーを見失うことなくひたすら追いかけてくる執念深さで，振り切ったかと思ったら今度は正面からやってくるという，ホラー映画みたいな展開になることもしばしば。先ほどまでの屋敷探索があくまでも前菜だったことが分かる。まあ実際，メインディッシュになるのはこちらなのだが。


　不幸中の幸いといっていいのかは分からないが，本作はまだアーリーアクセスの段階なので，3階層ほど進むとゲームクリアとなる。ちょうど精神的にヘトヘトになるあたりでComing Soonと表示されるので，なんだか助かった気分にもなるが，それぐらい悪霊はしつこいのだ。
　屋敷編と地下編は別ゲーなのではないかと思えるほど，ゲーム性が一変するので，背筋が凍り付くような体験がしたいという人は，ぜひ地下編まで頑張って進めてみてほしい。

「Vernon's Legacy」Steaｍストア（980円）

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武者や騎士までもが入り乱れる剣闘士アクション「Versus: Battle of the Gladiator」

　「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して，ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は韓国のインディーズ系デベロッパ，Netkerが手掛ける「Versus: Battle of the Gladiator」を紹介しよう。


　本作は，Claderanと呼ばれる帝国に捕らえられてしまった各国の剣闘士達が，闘技場でしのぎを削る対戦ゲームだ。剣闘士と聞くと，古代ローマの兵士のようなイメージが強いが，本作ではさまざまな国の戦士達が一堂に会するというだけあって，公開されているムービーでは，甲冑を身に着けた武者や，フルプレートアーマーの騎士なども確認できる。


　戦闘は，一発一発の重さが感じさせるような重量感のある斬り合いではなく，アクションゲームであることを意識させるような華やかさとスピード感を重視した作りになっている様子だ。また，装甲破壊システムも採用しているとのことで，プレイヤーの防御力は，装甲が破壊されるたびに変動することになる。


　戦いの舞台となる闘技場では最大で16人のプレイヤーが入り乱れることになり，8人ずつに分かれて戦うチーム戦や，協力して強敵に挑むようなモードも用意されているとのこと。そんな本作は，アーリーアクセス作品として2016年内にリリースされる予定なので，興味のある人はお気に入りに登録しておこう。

「Versus: Battle of the Gladiator」GREENLIGHTページ