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ハロー!Steam広場 第110回:足を止めたら減点。ストイックに打ち込めるアスリート思考のパルクールゲーム「Welkin Road」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,地面のテクスチャを見ただけでなんのゲームか当てられる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第110回は,「Welkin Road」をメインに紹介しよう。本作は,雲の上に浮かぶオブジェを飛び回ってパルクールの腕を磨いていくゲームだ。クリアタイムはもちろん,平均移動速度なども評価項目に含まれており,プレイヤーにはストイックに打ち込む姿勢が求められる。このほか,物理ベースの対戦ゲーム「SWORDY」もあるので,お見逃しなく。
※お知らせ:次回(2016年5月17日)のハロー!Steam広場は,筆者取材のため休載いたします。次の更新は5月24日となりますので,ご了承ください。
ストイックに打ち込むほど爽快感が増していくパルクールアクション「Welkin Road」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はスロベニアのインディーズ系デベロッパ,Gregor Panicが開発し,Nkidu Gamesが販売を行う「Welkin Road」を紹介しよう。
本作は,雲の上に点在するオブジェを飛び回って,パルクールの腕を磨いていく一人称視点のランアクションゲームだ。プレイヤーは,壁を走ったり,高所から飛び降りたりしながら,最短スピードでゴールを目指すことになる。
一人称視点のパルクールゲームといえば「ミラーズエッジ」が有名どころだが,本作はもっとシンプルなゲームデザインになっており,プレイヤーキャラクター以外の登場人物もいなければ,ストーリーも存在しない。とにかくパルクールに打ち込んで,ステージクリア時のスコアを伸ばしていくという,アスリート思考な作品だ。
ステージの評価は,クリアタイムや,ゴールまでにかかった距離,ミスをした回数などで判定される。ここで面白いのが,「移動時の平均スピード」も評価対象に入っているという点だ。要する最高評価を目指すならば,一瞬たりとも足を止めずに,走りながらギミックの突破方法を考えなければならない。
とはいえ,初見で突破するのは難しいギミックも多いので,最高評価を得るには何回も同じステージに挑んで,自分のプレイをリファインしていくことになるだろう。ゲーム中は,失敗しても数歩手前ですぐに再開するので,リプレイが苦にならないのが嬉しい。
ステージ1で最初に叩きだしたスコア。62回もミスをしている |
10回目の挑戦でようやくA評価を得られた。平均スピードも上がっているのが分かる |
そして,本作における最大の特徴といえるのが,グラップリングフックを使ったスイングアクションだ。プレイヤーの両手にはめられた手袋には,それぞれビームのようなロープが射出される仕掛けが施されており,これを空中に浮かぶボールに引っかけることで,遠くにあるオブジェまでスイングで移動したり,遠心力を利用して曲がり角にある次の足場に着地したりと,まるでターザンのように空中を飛び回れるのだ。
この,グラップリングフックを使ったギミックとパルクールアクションの組み合わせが,ゲームに絶妙なテンポを生み出しており,ただ走り回っているだけなのに,アドレナリンがどばどばと吹き出してくるような感覚が味わえる。浮遊感のあるテクノポップなどをバックグラウンドで流しならプレイすれば,ゲーム内の雰囲気とマッチしてよりハイテンションで楽しめるはずだ。
ゲームとしての土台は完成している様子で,アーリーアクセス期間中は,各ステージの難度調整やバグフィクスを行っていく模様である。現時点では8レベルまで実装されており,初見ならば30分以上かかるステージも多い(主に足を滑らせすぎて)。
百聞は一見にしかずと言うが,本作の何が面白いのかは正直,SSやムービーで伝えるものでもないように思う。ちょっと地味目には映るが,リプレイを通して自分のアクションが洗練されていくことをしっかり感じ取れる面白い作品なので,何か打ち込めるゲームを探している人は,ぜひ挑戦してみてほしい。
「Welkin Road」Steamストアページ(1280円)
遠心力を利用して大剣やハンマーを振り回す対戦アクション「SWORDY」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回はニュージーランドのインディーズ系デベロッパ,Frogsharkが手掛ける「SWORDY」を紹介しよう。
本作は,最大8人のプレイヤーが狭い闘技場で剣戟を繰り広げる対戦アクションゲーム……なのだが,ゲーム内では俯瞰視点を採用しており,1つの画面にほとんどのプレイヤーが収まるという,パーティーゲームのようなビジュアルになっている。
操作方法は,全方位シューティングゲームでもよく採用されているツインスティック形式(片方が移動,片方が方向転換)なのだが,肝心の攻撃アクションが用意されていない。では,どのようにして相手を斬り付けるのだろうか。まずはプレイムービーを見てほしい。
ムービーを見ると,キャラクターがゴムでできた人形みたいな動きをしているのが分かるかと思うが,本作のキャラクターは武器をちゃんと構える筋力を持っていないようで,攻撃するときは,方向転換時の遠心力を利用して,剣やハンマーをぶん回すことになる。
本来ならばかっこよく描かれる剣戟が,コミカルに展開されていくので,友達とコントローラを持ち寄れば,大いに盛り上がりそうな雰囲気だ。
そんな本作は,今のところローカル対戦にのみ対応する予定となっている。オンライン対戦については,物理学的な処理をネットワークで同期させるのが難しいとのことで,現状では実装する予定になっていないようだ。
ゲームのリリースは,2016年6月に予定されているので,興味のある人はお気に入りに登録しておこう。
「SWORDY」GREENLIGHTページ
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