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ハロー!Steam広場 第144回:デッキを効率よく回して戦うコマンドバトルRPG風のカードゲーム「Card Quest」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,初見殺しを全力で回避した後で,雑魚にやられる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第144回では,RPGのコマンドバトルに対戦型カードゲームのエッセンスを取り入れた「Card Quest」をメインに紹介しよう。このほか,腕利きのハンターとなってオークの軍勢を迎え撃つVR向けシューティングゲーム「Deadly Hunter VR」もあるので,お見逃しなく。
どこまで俺のターンを続けられるか。デッキを効率よく回して戦うコマンドバトルRPG風のカードゲーム「Card Quest」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回は,WinterSpring Gamesが手掛ける「Card Quest」を紹介しよう。
本作は,RPGのコマンドバトルに対戦型カードゲームのエッセンスを取り入れた作品だ。従来のRPGでいうコマンドメニューが手札という形で置き換わっており,プレイヤーはデッキから引いてきたカードを駆使してモンスター達と戦うことになる。
現在のバージョン(0.51a)では,「CURSED CITY」と「DWARVEN MOUNTAINS」という2つのマップが用意されており,マップを選択して職業を決めたらあとはひたすら戦闘を繰り返すという流れだ。
職業は,戦士,盗賊,魔法使いの3つが実装されており,それぞれが,「Style」「Primary」「Secondary」という3つの装備枠を持っている。この枠にカードパックを1パックずつ装備してデッキを構築していく感じだ。なお,パックを装備しないという選択肢はないので,強いパックだけを装備するということはできない。このようにパック単位でしかデッキをいじれないので,構築の自由度は低いが,それによってゲームのバランスが取れているともいえる。
戦闘はターン制になっており,毎ターンカードを1枚ドローできる仕組みだ。攻撃側のときはカード使用時に消費するスタミナが尽きるまで,好きなだけ手札のカードをプレイできる。基本的に攻撃中はアタック系カードを,敵のターンではデフェンス系カードを使うことになるが,手札の制限は5枚までなので,手札すべてがアタック系カードで敵のターンを迎えると,HPを削りきられてしまうこともある。いわゆる手札事故というやつだ。
ただし,本作には手札事故の確率を減らす仕掛けとして「チェイン」と呼ばれるシステムが用意されている。これは,ほかのカードに続けて次のカードをプレイすると,そのカードに書かれたチェインという項目の効果が発動するというもの。
チェインの効果は,消費コストが少なくなったり,ダメージが増加したりと強力なものばかり。そして,大抵のカードにはそれらに加えてドローするという効果も付いてくるので,チェインを積極的に狙っていけば新しいカードをバンバンと引いてこられるわけだ。
このチェインを頭に入れてどのような順番でカードを使っていくかが,プレイヤーの腕の見せどころになる。
例えば,戦士でプレイしていて手札に「Dull Stab」と「Feint Attack」というカードがあったとしよう。Dull Stabは敵に4ダメージを与えるアタックカードで,チェイン時に使うとコスト−1,ダメージ+4,ドロー+1という効果が追加される。一方のFeint Attackは,2ダメージを与えつつ敵をスタンさせ,次の攻撃時に与えるダメージを+4させるアタックカードだ。こちらのチェイン効果は,ドロー+1のみ。
チェインは,続けてプレイするカードに発生するコンボのようなものなので,当然ながら1枚目となる最初のカードでは発生しない。それを考慮すると,チェイン効果の薄いFeint Attackを最初に出して,Dull Stabにチェインを乗せるというプレイが善手である。
もっとも今回の例の場合だと,Feint Attack“の次の攻撃時にダメージを+4”という基本効果を考えれば,いずれにせよ最初に出しておくのが懸命なわけだが,場にあるカードのチェイン効果がどれも強力なものばかりだと,どのチェインを切り捨てるかにいろいろと思い悩むことにもなるだろう。
またカードの中には,スタミナを大量に回復したり,追加で3枚ドローしたりと,自分のターンを継続するのを支援してくれるものも存在する。その効果だけを見れば強力なのだが,そういったカードには必ずといっていいほど“CHAINBREAKER”の記述がされており,チェイン中に使用するとそこでチェインが途切れてしまうのだ。
こういったカードの使いどころを見極めることも重要で,いかに自分のターンを継続していくかが攻略のカギになる。
全体的に見ると,やはり自分で好きなようにデッキを作れないのは残念な部分だが,そこに目をつぶればカードゲームとしての完成度は高いといえるだろう。職業のレベルを上げて新しいパックを手に入れたり,ステージクリアの報酬としてもらえるアイテムやパックでデッキ全体を強化したりと,やり込み要素もしっかりとカバーされており,対戦型カードゲームが好きな人であれば,現バージョンでも十分に楽しめるはずなので,ぜひ遊んでみてほしい。
「Card Quest」Steamストアページ(798円)
腕利きのハンターとなってオークの軍勢を迎え撃つVR向けシューティングゲーム「Deadly Hunter VR」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は中国のインディーズ系デベロッパ,Leiting Interactiveが手掛ける「Deadly Hunter VR」を紹介しよう。
本作は,腕利きのハンターとなったプレイヤーが,自分の故郷を侵略しようと攻めてくるオークの軍勢に立ち向かうという,VR向けのシューティングゲームだ。ハンターであるプレイヤーの武器はもちろん弓であり,ゲーム中はさまざまな種類の矢を撃ち分けて戦うことになる。また,自分をサポートしてくれるトラップも10種類ほどあるようなので,これらを適切な場所に設置していくのも重要な要素になりそうだ。
開発者が本作のウリとしているポイントの1つは豊富なゲームコンテンツである。数あるVRゲームのほとんどが,1時間ほどで遊び尽くせてしまうショートデモ的な作品であることに開発者は言及しており,それらと比べて本作は少なくとも4時間以上は遊べるうえ,オンライン協力プレイにも対応するなど,アップデートで遊びの幅を広げていくという。
そんな本作は,すでにGREENLIGHTを通過しており,2か月後にはアーリーアクセス版をリリース予定とのこと。弓を扱うシューティングゲームは,VRにおいて人気のあるジャンルの1つであり,その中でもボリュームをウリにした作品の登場は喜ばしい限り。興味のある人はフォローボタンを押しつつ,今後の動向に注目しておこう。
「Deadly Hunter VR」GREENLIGHTページ
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