ハロー！Steam広場 第224回：インドネシアの民間伝承をテーマにしたホラーアドベンチャー「Pamali：Indonesian Folklore Horror」

「すちーむ」ってなぁに？というよい子のみんな集まれー！　「ハロー！ Steam広場」は，PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを，筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する，とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば，冬は部屋の窓を全開にして半裸でSkyrim VRをプレイする上級ドラゴンボーンにジョブチェンジできるかも。

　ハロー！Steam広場 第224回は，インドネシアの民間伝承をテーマにしたホラーゲーム「Pamali：Indonesian Folklore Horror」を紹介しよう。プレイヤーは，誰も住まなくなった実家を売り払うために，家の掃除をすることになるのだが，そのさなかでさまざまな怪奇現象を体験する。

4Gamer公式キュレーター

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インドネシアの民間伝承をテーマにしたホラーアドベンチャー「Pamali：Indonesian Folklore Horror」

　今回は，インドネシアのStoryTale Studiosが手がける「Pamali：Indonesian Folklore Horror」を紹介しよう。

　Indonesian Folklore Horror――その名のとおり本作は，インドネシアの民間伝承をテーマにしたホラーアドベンチャーだ。プレイヤーは，誰も住まなくなった実家を売り払うために，家の掃除をすることになるのだが，そのさなかでさまざまな怪奇現象を体験する。


　本作にはフラグがたくさん用意されており，何に触ったか，何を見たかなどによって，その後に起こるイベントが変わってくる。何も起こらず一日が終わることもあれば，いらぬことをして幽霊を呼び寄せてしまうこともある。
　適当なタイミングで片付けを切り上げてベッドで寝ると1日が経過し，4日間その家で過ごすとエンディングとなる。エンディングは35種類もあり，その4日間でプレイヤーがどういう行動をしたかで結末が変わるわけだ。

エンディングはテキストのみというあっさりとしたもの。筆者のように，いらぬことをして幽霊に遭遇するくらいなら，片付けもせず寝てすごそうとかやっていると，「Overslept（寝坊）」という結果になる

　いくつかのエンディングを見ると，この家にはある秘密が隠されていることに気づく。そのカギとなっているのが「White Lady」の存在だ。
　民間伝承におけるWhite Ladyとは，白い衣装を着た女性の霊のことである。White Ladyの伝承自体は世界中に存在し，痴情のもつれで自殺した女性の亡霊として描かれることが多い。国や地域によっては，固有の名前が付けられていることもあり，日本でも都市伝説に詳しい人ならばいくつか思い浮かぶだろう。ちなみに，タクシーの運転手が語る怖い話として有名な「消えるヒッチハイカー」は，タイやフィリピンでもっともポピュラーなWhite Ladyものである。


　では，インドネシアにおけるWhite Ladyとは，いったいどういう存在なのか。インドネシアの民間伝承に登場する白装束の女性というと，背中に大きな穴が空いた“Sundel bolong”や，妊娠中に死亡した女性の亡霊Pontianak”などが有名だが，家の中でおきる怪奇現象の内容から察するに，このどちらかで間違いはなさそうだ。
　Sundel bolongとPontianakのことを知っていると，本来ならばびっくりするだけの怪奇現象も，違った視点で見ることができて面白いので，プレイする前に調べておくことをオススメする。

Sundel bolongは，「零」に影響を受けたというインドネシア産ホラーアドベンチャー「DreadOut」にも登場する

　本作は「White Lady」のほかにも，「The Tied Corpse」「The Little Devil」「The Hungry Witch」という，別の怪異をテーマにしたダウンロードコンテンツもリリースされている。また，そのすべてを同梱した「Folklore Anthology」もあるので，インドネシアの民間伝承に興味のある人は，ぜひ遊んでみてほしい。