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ハロー!Steam広場 第310回:デッキ構築×ローグライク。さまざまな要素がスマートにまとまった「Gordian Quest」
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印刷2020/12/18 12:00

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ハロー!Steam広場 第310回:デッキ構築×ローグライク。さまざまな要素がスマートにまとまった「Gordian Quest」

画像集#012のサムネイル/ハロー!Steam広場 第310回:デッキ構築×ローグライク。さまざまな要素がスマートにまとまった「Gordian Quest」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamで公開されている気になるタイトルを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ナイトシティのラジオからときおり流れてくる電波曲が頭から離れない上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

 ハロー!Steam広場 第310回は,「Gordian Quest」を紹介しよう。本作はキャラクターごとにカードのデッキを組み,バトルを行っていくタイプのRPGだ。プレイヤーは,キャラクターの中からひとりを主人公として選び,レンディアと呼ばれる呪われた大陸を冒険していくことになる。

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デッキ構築×ローグライク。さまざまな要素がスマートにまとまった「Gordian Quest」


 アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はシンガポールのデベロッパ,Mixed Realmsが開発を手がける「Gordian Quest」を紹介しよう。

画像集#001のサムネイル/ハロー!Steam広場 第310回:デッキ構築×ローグライク。さまざまな要素がスマートにまとまった「Gordian Quest」

 本作はキャラクターごとにカードのデッキを組み,バトルを行っていくタイプのRPGだ。プレイヤーは,剣士や聖職者といったステータスとデッキが異なるキャラクターの中からひとりを主人公として選び,レンディアと呼ばれる呪われた大陸を冒険していくことになる。大陸の各地は,突如現れたモンスターにより混乱状態になっており,その事態を収拾していくことが(将来の)英雄たるプレイヤーの目的だ。
 ゲームは複数のアクト(エリア)に分かれており,原稿執筆時点ではアクト2まで実装されている。

敵味方が入り乱れるターン制のバトルが,本作のメイン。デッキ,位置取り,バフやデバフなど覚えることが多めで若干複雑だが,慣れると楽しい
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 本作の一番の特徴といえば,やはりカードデッキを利用したバトルだ。プレイヤーは主人公を含む最大3人のパーティを組み,ターンごとに手札からカード(スキル)を消費して,敵の殲滅を目指す。

 戦闘には隊列と位置取りの概念がある。例えば剣士は,近接攻撃しかできないカードが多いので,前列が定石となる。逆に魔術師は,遠距離攻撃はお手の物だが本体の防御力と体力が低いので,中列か後列でないと,力を発揮できずに倒されてしまう……といった感じで,能力に合わせた運用が必要だ。
 ターン内での行動回数はAP(アクションポイント)で決まり,さらにカードによって消費するAPも異なる。もちろん,敵の種類や動きも考慮に入れなくてはいけないので,考えることは多い。

ボイス付きのオープニングムービーなど,演出面にも力が入っているのが本作の特徴。普通にプレイしている限りは,アーリーアクセス作品であることを感じさせない
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 能力アップは一般的なRPGと同じで,経験値によるレベルアップと装備の入手,そしてタレントと呼ばれるパッシブスキルの獲得に加え,スキルグリッドと呼ばれるスキル盤による能力獲得もあり,かなり幅が広い。とくにスキルグリッドは単にステータスをアップさせるだけでなく,戦闘のキモとなるカードの入手にも利用することになるため,取捨選択が非常に悩ましいところ。

 こういった幅広い強化の選択肢から,自分のスタイルに合ったパーティを編成するのはそれだけで楽しい。しかも肝心のスキルカードは,ランダムで選ばれた中からピックアップする必要があるので,どれが手に入るかは運にも左右される。「イベントでいいアイテムは入手できたが,カードの引きはイマイチだった」なんてことも良くあるので,一喜一憂しながら楽しめるだろう。

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新たなカード(スキル)を入手する一番簡単な方法は,スキルグリッドからカードをドローすること。もちろん,常に望みのものが手に入るとは限らない
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 運に左右されると言えば,道中の至るところで発生するイベントも印象的だ。本作はエリアマップから任意のポイントを指定し移動するシステムなのだが,その道中にはいくつも,イベントが発生する場所がある。ここでは単に選択肢を選ぶだけでなく,「ダイスを振って正否を決定する」というTRPGのようなシステムが採用されているのだ。

 こういったある種のばくち要素だが,運だけですべてが決まるわけではない。まず強さや器用さなどのメンバーのステータスで成功確率が決まり,さらにデッキからスキルチェックに応じたカードを消費することで,成功率が上乗せされるといった感じで,ある程度はプレイヤー自身の意思で干渉できる,かなり凝った仕組みになっている。

能力のチェックではステータスが高い者を選ぶのが基本だが,スキルを消費することによってさらに成功率を上げられる。使用したスキルは消耗状態になり,休息するまで戦闘では使えなくなるので気をつけたい
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 イベント中も状況を簡素に説明するだけのテキストか台詞だけで進み,場合によっては挿絵チックなイラストが表示されるなど,全体的な雰囲気はかなりTRPGに寄せたものになっている。失敗したときはなかなか手厳しい結果が待っているのだが,個人的には毎回ドキドキしながらダイスを転がしイベントをこなすことができた。

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 歯ごたえのあるゲームシステムと2Dながらクオリティの高いビジュアル,そして質の高いローカライズなど,アーリーアクセスの作品としてはすでに高いレベルで仕上がっている本作。あえて粗探しをするのなら,気になるポイントはやはり全体的にゲームルールが複雑で取っつきづらいという部分になるだろう。
 ヘルプ自体はカーソルを合わせれば至るところで表示されるのだが,いかんせん用語が多く理解にそれなりのカロリーを消費するうえ,スキルカードが大量にあるデッキシステムも相まって,ゲーム全体を見ればシステムはかなり複雑だ。とくにカードの説明は,単に一読しただけでは理解できないものも多々ある。

最初のステージとなるシルバーキープと,拠点になるその駐屯地。一見すごろくのようにも見えるマップだが,基本的に自由に移動できる
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 なので個人的には,最初にプレイするときは難度を易しいものに設定し,まずは“ルールに慣れる”ことから始めるのも悪くないと思う。本作にはゲーム自体の難易度として,簡単なイージーから最高難度のナイトメアまで用意されているが,それに加え「スタンダード」「ローグライト」「ローグライク」の3つのモードが用意されている。

情報量多めのステータス画面。とくにスキルやデッキの構築については,慣れるまでに一定の時間が必要だと思う
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 ローグライトでは戦闘で全滅すると冒険自体が終了し,ローグライクでは全滅すると前者と同様に冒険が終わるのはもちろん,死亡したキャラクターが復活できないという制限がかかる。それだけ緊張感がある戦いが楽しめるわけだが,初めのうちからこれを選ぶと,「ルールもわからないうちに死んだ」といった状態に陥る可能性も十分にある。というかたぶんそうなる。その点,スタンダードならバトルに負けても町に戻るだけなので,簡単にリカバリーが効くわけだ。

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 なお難度とモードは個別に設定できるため,「イージーでローグライクモード」や「ハード設定でスタンダードモード」といったプレイもできる。ゲーム自体に慣れてきたら,より歯ごたえのある設定に挑戦するのもいいだろう。

 何度か述べたように取っつきの悪さは間違いなくあるが,RPGが好きなら本作は文句なくおススメできる一作だ。冒頭でも触れたように,現在は4つあるアクトのうち2つしかプレイできないが,正式版になった暁には価格が上がることも示唆されている。興味があればぜひ,早めに入手して楽しんでほしい。

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