洗練された世界観とクールな電子音楽が融合。iOS向けアプリ「Last Voyage」を紹介する「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」第922回

スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが，「じゃあ，どれが面白いの？」「そもそも，数が多すぎて好みのタイトルが探せない！」と思っている人も少なくないはず。そんな問題を解決すべく，スタートした連載が「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで，スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして（ほぼ）毎日お届けする。

　本日の「（ほぼ）日刊スマホゲーム通信」では，シンプル極まりないユーザーインタフェースや洗練された世界観が特徴のiOS向けアプリ，「Last Voyage」を紹介しよう。プレイヤーを選ぶ作品かもしれないが，高品質なグラフィックスとBGMは一見の価値ありだ。

アプリは240円（税込）で配信中。広告や課金要素はない

「Last Voyage」公式サイト

「Last Voyage」ダウンロードページ

　ゲームは全10章で構成されており，それぞれに「空洞」「マインド」といったワードが設定されている。ユニークなのは，章ごとにプレイスタイルが大きく変わる点だ。例を挙げると，第1章「星の」は，画面に登場するお手本に合わせて模様を揃えていくパズルゲーム。第4章「道」は，青いラインからずれないよう，フリック操作で進路をキープしつつ一定距離を進むというランニングアクションになる。

章ごとにグラフィックスのテイストも変化。落ち着いたトーンからサイケデリックなものまで多種多様だ

　以上のように，1つのアプリでパズルやランニングアクションなど複数のジャンルを楽しめるため，本作を「こんな作品です」と一言で表現するのは難しい。物語性もなく，突き放した作りになっているため，初めてプレイするときは「何をどうすればいいのか分からない」場面に遭遇することもあるだろう。
　手探りで進める必要があるところや，プレイヤーの想像力を試すような世界観については，好き嫌いが分かれそうだが，個人的には新鮮で楽しかった。章ごとに変わる遊び方を理解し，正解に近づいていく様は，ある意味脱出ゲーム的とも言えるかもしれない。

ヒントらしいヒントはないが，画面をタップしたり，スワイプしたりして，仕掛けがどのように動くか調べていこう

　「Last Voyage」は，さまざまなタイプのゲームが盛り込まれ，章ごとに異なるプレイフィールを味わえるユニークな作品だ。いわゆる“雰囲気ゲー”のように見えるかもしれないが，なかなか難度は高く，なめてかかると結構苦戦するかもしれない。トレイラーやスクリーンショットを見て琴線に触れるものがあれば，購入を検討してみるといいだろう。

「Last Voyage」では，テクノやエレクトロニカなど，いわゆる電子音楽がBGMとして使われている。こういった楽曲が好きな人にもオススメしたい。ちなみに，本作のサントラはiTunes Storeで販売されている

著者紹介：トリスター/目代将規
　ゲームやアニメの書籍企画，編集，シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや，一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。

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