舞台「斬劇『戦国BASARA』関ヶ原の戦い」のゲネプロの模様をレポート。徳川家康と石田三成を中心とした武将達の確執が描かれる

　2017年2月3日〜2月19日，舞台「斬劇『戦国BASARA』関ヶ原の戦い」の公演が，東京・天王洲 の銀河劇場および大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる（関連記事）。この舞台は，カプコンのアクションゲーム「戦国BASARA」シリーズを原作としたものだ。
　本稿で，舞台初日の公演前に行われた公開ゲネプロ（通し稽古）の模様をお伝えしたい。

「斬劇『戦国BASARA』関ヶ原の戦い」公式サイト

■出演（敬称略）
中尾拳也（徳川家康）
沖野晃司（石田三成）
眞嶋秀斗（伊達政宗）
松村龍之介（真田幸村）

椎名鯛造（猿飛佐助）
白又敦（長曾我部元親）
末野卓磨（風魔小太郎）
大山将司（大谷吉継）

河村唯（井伊直虎）
護あさな（雑賀孫市）

汐崎アイル（後藤又兵衛）
伊藤裕一（黒田官兵衛）

松田賢二（松永久秀）

※映像出演
井上正大（片倉小十郎）

　ゲネプロの前には，キャストとスタッフがステージに登壇した。徳川家康役の中尾拳也さん，石田三成役の沖野晃司さん，伊達政宗役の眞嶋秀斗さん，真田幸村役の松村龍之介さんら主演の4名を筆頭に，キャスト陣が本公演にかける意気込みや，人気の高い「戦国BASARA」シリーズに起用された喜びを語った。


　また，前回公演に引き続き，構成，演出，脚本を手がけているヨリコジュン氏は，「今回は最高のキャストがそろいました。ゲームを原作とした舞台ということで，芝居と物語をきっちり作ることにこだわって，キャスト陣と細かいディスカッションを重ねながら作ってきました。いい作品に仕上がったと思いますので，ぜひよろしくお願いします」とコメントした。

　また，企画，原作監修を務めたカプコンの小林裕幸氏は，「関ヶ原の戦いということで，久々に家康と三成が登場します。家康の中尾くんと三成の沖野くんは，二代目として素晴らしいキャラクターを作ってくれました。当然，二人のほかにも新キャストがいますし，新しい“斬劇”としての舞台『戦国BASARA』は，ゲームとも過去の舞台とも違う完全オリジナルのものとして作り上げてきました。
　2017年は，いろんなところで直虎の名前を聞くので，女性陣には直虎を起用しています。とても楽しいお芝居になっていると思いますので，笑うところは笑い，感激するところは感激し，泣くところは泣いていただければと思います」と話した。

　「戦国BASARA」の舞台といえば，ゲームのキャラクターを舞台のキャラクターとして違和感なくアレンジしていることが特徴であり，それは今回も同じだ。新たに主人公に加わった家康は“絆の力”を信じ，民の声に耳を傾けつつ天下泰平を目指し，こちらも新たな主人公となる三成は，あくまでも主君を重んじるという形の対比が描かれる。そうした彼らの姿勢は殺陣にも反映され，例えば家康なら，原作同様に武器を使わず，己の拳のみで戦うのだ。
　また，政宗と幸村も従来どおり，前者はクールに見えるが実は熱い男，後者はまっすぐすぎて滑稽に見えることすらある熱血男児として登場する。


　今回の舞台では，家康が豊臣秀吉を倒したあとのエピソードが描かれる。三成は，それまで友として歩んできた家康を主君の敵として激しく憎悪し，敵対関係に陥る。そこに政宗と幸村の間にある積年の確執，そして三成が唯一信頼する大谷吉継の策略が相まって，若き武将達は東軍と西軍に分かれて相対することになるのだ。
　そして，その裏では松永久秀が暗躍し……と，2時間以上にわたって，各武将の思惑が交錯した先の読めない展開が繰り広げられる。


　ステージのスクリーンに投影される映像や，大音量のBGM，SEに彩られた迫力の殺陣，ときにシリアスに，ときにコミカルになる武将達の演技も，これまでの舞台「戦国BASARA」シリーズ同様に，観る人を魅了するはずだ。
　本公演を鑑賞する予定の「戦国BASARA」シリーズのファンは，ぜひ期待してほしい。

「斬劇『戦国BASARA』関ヶ原の戦い」公式サイト