連載
そうだ アニメ,見よう:第124回は「SK∞ エスケーエイト」。内海紘子氏とボンズが描く“スケボー×バトル=青春∞”
スケートボードを題材にしたオリジナルTVアニメ「SK∞ エスケーエイト」が,2021年1月よりABCテレビ・テレビ朝日系列の深夜アニメ枠「ANiMAZiNG!!!」にてスタートしている。本作は,「Free!」や「BANANA FISH」を手掛けた内海紘子氏と,「コードギアス 反逆のルルーシュ」の大河内一楼氏,「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の千葉道徳氏が,アニメスタジオのボンズとタッグを組んだ意欲作だ。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第124回のタイトルは「SK∞ エスケーエイト」。シリーズ構成・脚本は大河内氏,キャラクターデザインを千葉氏,監督を内海氏が務めている。
「SK∞ エスケーエイト」
歴は,カナダから転校してきたばかりの帰国子女・ランガ(CV:小林千晃)を「S」に誘うが,ふとしたことからスケーターのシャドウ(CV:三宅健太)とのビーフにランガが巻き込まれてしまう。シャドウはダーティなトリック使いで歴とも因縁のある相手。
スケートボードに乗ったことのないランガでは勝負にならないと思われたが,両足をボードに固定する特異なスタイルでシャドウに勝利する。実は,ランガはスノーボードの経験者だったのだ。
このビーフをきっかけに,スケートボードの魅力に惹かれたランガは歴からスケートボードのレクチャーを受けるようになる。そんなランガの前に,「S」の有名スケーター・Cherry blossom(CV:緑川 光)やジョー(CV:松本保典),フリースタイルの日本代表候補のMIYA(CV:永塚拓馬)ら実力派スケーター達が現れ,ついに「S」の伝説のスケーターと呼ばれる愛抱夢(CV:子安武人)からビーフを挑まれるのだった。
主人公のランガはスケボー初心者
“スケボー×バトル=青春∞”と謳われる本作は,スケートボードに情熱を燃やすキャラクター達を描いた作品だ。バトルの舞台となるのは廃鉱山の斜面を下る危険なコース。スケーター達はそこで,互いの誇り(プライド)を賭けたスピード勝負“ビーフ”に挑み,しのぎを削っている。
本作では,このビーフでの戦いを軸に,歴とランガの挫折と成長,シャドウやMIYAら個性的なスケーター達との交流を,時にはコミカルに,時にはシリアスに描いている。
物語の主人公となるランガは,スノーボードの経験はあるが,スケートボードに関してはまったくの初心者。はじめはボードの上で満足に立つこともできなかったが,歴の熱心な指導により徐々にその才能を開花させる。この過程がじっくりと描かれ,スケートボードのなんたるかを知らない筆者でも,その魅力に引き込まれてしまった。
例えば,スケートボードのジャンプに「オーリー」と呼ばれるトリック(技)がある。板が足に吸い付くように見えるジャンプのテクニックなのだが,以前から「あれはどうやるのだろう」と不思議に思っていたところ,これはスケートボードの登竜門となるトリックで,テコの原理を応用しているのだとか。
もちろんランガもトライするが,なかなか上手くいかない。何度も転んで手をすりむき,腰を打ちながらひたすら練習し,数週間かけてようやく,オーリーに成功する。普段はあまり感情を表に出さないランガの会心の笑みに,思わず「やった!」と声をあげた人も多いのではないだろうか。
ビーフで超人的な滑りを披露するランガもいいが,こうした彼の努力の積み重ねを見られるのも本作の魅力だろう。
手に汗握る滑走シーンに注目
そして,肝心のスケートボードの滑走シーンでは,アクション作画に定評のあるボンズの“らしさ”が十二分に発揮されている。オープニングの滑走シーンも疾走感と躍動感にあふれたパワフルな演出で見ごたえ十分だが,ビーフでのそれは,スピード感とヒリつくような緊張感に満ちていて,画面に目が釘付けになった。その緊張感の中,鮮やかなトリックをランガや歴が決めた時の爽快さは,ひとしおだ。
第1話のランガとシャドウの対決以降も,滑走シーンのアクションのキレは冴えている。「交響詩篇エウレカセブン」や「僕のヒーローアカデミア」で見せた,異次元のアクションシーンは本作でも健在だ。
現在,第6話まで放送され,歴とランガを取り巻くキャラクター達も出そろってきた。シャドウをはじめ,個性的なメンバーばかりだが,中でも愛抱夢のインパクトは随一。その超人的なテクニックはもちろん,異彩を放つコスチューム,人を惑わす言動など,彼の見どころを挙げるときりがない。愛抱夢がどうランガ達に絡んでくるのか,ますます目が離せなくなりそうだ。
今後,「S」を巡るスケーター達の物語がどう展開していくのか。そして,歴とランガの滑りがどう進化していくのか。まさに興味が尽きないが,スケートボードに情熱を燃やす2人の青春を最後まで見届けたい。
「SK∞ エスケーエイト」公式サイト
「SK∞ エスケーエイト」公式Twitter
放映データ |
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2021年1月〜 |
キャスト | |
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暦(レキ):畠中 祐 | |
ランガ:小林千晃 | |
MIYA:永塚拓馬 | |
シャドウ:三宅健太 | |
Cherry blossom:緑川 光 | |
ジョー:松本保典 | |
愛抱夢(アダム):子安武人 | |
菊池 忠:小野賢章 |
スタッフ |
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原作:ボンズ・内海紘子 |
監督:内海紘子 |
シリーズ構成・脚本:大河内一楼 |
キャラクター原案:内海紘子 |
キャラクターデザイン:千葉道徳 |
総作画監督:千葉道徳 ・菅野宏紀 |
スケートボードデザイン:Studio No Border |
色彩設計:後藤ゆかり |
美術監督:近藤由美子 |
3DCG監督:安東容太 |
撮影監督:池上真崇 |
編集:山岸歩奈美 |
音響監督:三間雅文 |
音響効果:倉橋静男・西佐知子 |
音楽:高橋 諒 |
アニメーション制作:ボンズ |
■Blu-ray&DVD情報
■SK∞ エスケーエイト Vol.1
発売日:2021年3月24日(水)
収録話数:#01 PART・#02 PART 収録
価格・品番:Blu-ray(完全生産限定版):¥6,800+税(品番:ANZX-12881〜12882)
DVD(完全生産限定版):¥5,800+税(品番:ANZB-12881〜12882)
○完全生産限定特典(DISC2枚組:本編DISC+特典DISC)
「SK∞ エスケーエイト 愛の仮面舞踏会(マスカレード)」
チケット優先販売申込券(昼公演)
開催日:2021年7月4日(日)
会場:戸田市文化会館
出演:畠中 祐・小林千晃・永塚拓馬・三宅健太・緑川光・松本保典
◆ キャラクターデザイン・総作画監督 千葉道徳描き下ろし三方背BOX&デジケース仕様
◆ 特典CD:オリジナルドラマ「シンデレキ」
昔々あるところにシンデレキという、それはそれはかわいそうな娘がいました。クレイジーロック城で“舞踏会”が開かれる夜も、意地悪な継母のシャドウと姉のMIYAとCherry blossomに掃除や洗濯をさせられるかわいそうなシンデレキ。そこに現れたのは魔法使いのマッスルマジック・ジョーでした。ガラスのスケボーを持つシンデレキに、ランガ王子との運命の出会いが訪れる──?!
◆特製ブックレット
◆オーディオコメンタリー
出演:畠中 祐・小林千晃・大河内一楼・瓜生恭子
◆特典映像:#01 PART予告
◆「S K ∞ エスケーエイト」オリジナルサウンドトラック 発売決定!
■SK∞ エスケーエイト オリジナルサウンドトラック【通常盤】
発売日:2021年2月24日(水)
価格・品番:¥3,850+税(品番:SVWC-70517〜70518)
CD2枚組
収録内容
・「SK∞ エスケーエイト」劇伴(曲:高橋諒)
・劇中歌
「Seize the Moment!!」
歌:ユウスケ(ex. HIGH and MIGHTY COLOR)
「Dimensions of the Wind」
歌:ASH DA HERO
・劇中歌日本語詞カバー
「Seize the Moment!! -Reki ver.-」
「Dimensions of the Wind -Langa ver.-」
※仕様・収録内容は告知なく変更になる場合がございます。
◆TVアニメ「SK ∞ エスケーエイト」スペシャル イベント開催決定 !
3月24日発売の「SK∞ エスケーエイト」Blu-ray&DVD第1巻に、 イベントチケット優先販売申込券(昼公演)を封入。
「SK∞ エスケーエイト 愛の仮面舞踏会(マスカレード)」
チケット優先販売申込券(昼公演)
開催日:2021年7月4日(日)
会場:戸田市文化会館
出演:畠中 祐・小林千晃・永塚拓馬・三宅健太・緑川光・松本保典
※公演日時、 会場、 時間、 申し込み方法などは後日お知らせいたします。
※新型コロナウイルス感染拡大に伴う、 政府や自治体等からの指示や要請により、 急きょ公演内容を変更、 または公演の延期や中止をさせていただく場合がございます。 ご理解のほど、 何卒よろしくお願いいたします。公演に関する詳細や公演内容の変更、 延期・中止等は、 作品公式サイトやTwitter公式アカウントを通じてお知らせいたします。
(C)ボンズ・内海紘子/Project SK∞
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