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「Classic IntelliMouse」ミニレビュー。伝説的マウスの復刻版は2018年の新定番になれるか?
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印刷2018/01/25 00:00

レビュー

伝説的マウスの復刻版は2018年の新定番になれるか?

Microsoft Classic IntelliMouse

Text by BRZRK


 Microsoftが2002年に発売した「IntelliMouse Explorer 3.0」(以下,IE3.0)は,当時としては非常に高い追従性,そして何よりも,後に形状を模倣したマウスが多数登場し,それらを総称する「IE3.0クローン」という言葉が生まれたほどに優れた右手用形状で高い評価を得た,伝説的なワイヤードマウスだ。

 それだけに,2006年のリニューアル後,2010年には生産完了となっていたIE3.0が,「Classic IntelliMouse」(クラシックインテリマウス)として二度めの復活を果たすというニュースは,世界中のゲーマーから注目を集めた。それが2017年10月のことである。

Classic IntelliMouse
メーカー:Microsoft,問い合わせ先:Microsoftサポート
価格:4300円(税込4644円)
画像集 No.002のサムネイル画像 / 「Classic IntelliMouse」ミニレビュー。伝説的マウスの復刻版は2018年の新定番になれるか?

ケーブルはビニール皮膜タイプ
画像集 No.003のサムネイル画像 / 「Classic IntelliMouse」ミニレビュー。伝説的マウスの復刻版は2018年の新定番になれるか?
 あれからおよそ3か月が経ち,ついに,日本でも2018年1月26日に4300円(税込4644円)で発売となる“復活版IE3.0”だが,果たしてその実力は,2018年のゲーマーを満足させるだけのものになっているのだろうか。
 4Gamerでは発売に先立って,Microsoftの日本法人である日本マイクロソフトから,実機の貸し出しを受けることができた。実質的なテスト期間は数日というレベルだったため,今回は最も気になるセンサー周りに絞って,テスト結果をお届けしたい。

●Classic IntelliMouseの主なスペック
  • 基本仕様:光学センサー搭載ワイヤードタイプ
  • 搭載センサー:Microsoft「BlueTrack」
  • ボタン:左右メイン,センタークリック付きスクロールホイール,左サイド×2
  • 最大トラッキング速度:未公開
  • 最大加速度:未公開
  • フレームレート:未公開
  • 画像処理能力:未公開
  • トラッキング解像度:400〜3200 DPI(※200DPI刻み)
  • USBレポートレート(ポーリングレート):1000Hz
  • データ転送フォーマット:未公開
  • リフトオフディスタンス:未公開
  • LEDイルミネーション:搭載(※本体手前側底面部。白色)
  • 実測本体サイズ:69(W)×132(D)×43(H)mm
  • 実測重量:129.5g(※ケーブルを含む)
  • 公称重量:100g(※ケーブル含まず)
  • マウスソール:未公開
  • 実測ケーブル長:約1.7m
  • 対応OS:Windows 10・8.x・7
  • 発売日:2018年1月26日
  • 税込価格:4644円
  • 保証期間:1年間


厳密には違うかもしれないが,少なくとも見た目と握った印象はIE3.0そのもの


本体手前側のワンポイントは,IE3.0だとMicrosoftのロゴだったが,Classic IntelliMouseではWindows 10のロゴに変わった。本体底面手前側にあるLEDの色も赤から白に変わっている
画像集 No.004のサムネイル画像 / 「Classic IntelliMouse」ミニレビュー。伝説的マウスの復刻版は2018年の新定番になれるか?
 テストに先立って,ほんの少しだけ見た目の話をしておくと,Classic IntelliMouseの形状自体は,IE3.0とほぼ同じ。厳密には違う可能性もあるため「ほぼ」と書いたが,手元にあるIE3.0との間で違いはないように筆者は感じている。
 筐体の上面カバーは光沢感を抑え,IE3.0と比べると少し落ち着いた色合いになっているものの,手に持ったときのグリップ感もIE3.0と同じ印象だ。過去に愛用した時期のあった身としては,「そうそう,こんな感じだった」と,すんなり受け止めることができた。

いずれの写真も左がClassic IntelliMouseで,右がIE3.0だ。完全に同じかどうかまで断言はできないものの,形状やサイズに異なるところは見られない
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 Classic IntelliMouseとIE3.0を並べ,まじまじと見たところで感じられる違いは,筐体の色合いとLEDの色,底面部の発光ギミック,サイドボタンの表面加工といったところだ。操作感に最も影響するのは,左サイドボタンに滑り止め加工が施されたことではないかと思われるが,テスト期間が限られていたこともあって,明確な違いまでは確認できていない。

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左右メインボタン周りは押下感も含めてIE3.0から変わっていない印象
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サイドボタンには左側面と同じ滑り止め加工が入り,結果,色も変わった
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本体右側面のデザインはIE3.0と変わっていないように見える。今となっては小さいスクロールホイールも当時のままだ
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大きく変わったのは底面部。BlueTrackセンサーを囲むカバーは半透明ではなくなった。ただ,ソールは色以外,同じもののように感じる

 というわけでテストに入ろう。
 Classic IntelliMouseはWindowsのクラスドライバで動作する仕様ながら,ボタンへの機能割り当てを変更したり,DPI設定を変更したりするためには,Microsoftのダウンロードページから「Microsoft Mouse and Keyboard Center」(Microsoft マウス キーボード センター)というソフトウェアをダウンロードし,導入する必要がある。

 Microsoft Mouse and Keyboard Centerを起動後,各ボタンへの機能割り当てを行える設定項目の下にある「DPI 設定」をクリックすると,DPI設定を変更できるようになる。標準は1600DPIだが,スライダーを左右に動かすことにより,200刻みの変更が行える。ゲーマー向けマウスと比べると刻みが大きいものの,ここは製品の立ち位置からして致し方ないところだろう。

非常にシンプルな設定ソフトウェアから,ボタンの割り当てとDPI設定の切り替えを行える。逆に言うと,DPIの設定はここからしか行えない
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 それを踏まえての話となるが,テスト環境と,テスト時のマウス設定は以下のとおりとなる。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 7820X(8C16T,定格クロック3.6GHz,最大クロック4.3GHz,共有L3キャッシュ容量11MB)
  • マザーボード:MSI X299 TOMAHAWK(Intel X299)
    ※マウスのケーブルはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×4
  • グラフィックスカード:MSI GeForce GTX 1080 GAMING X 8G(GeForce GTX 1080,グラフィックスメモリ容量8GB)
  • ストレージ:Intel SSD 600p(SSDPEKKW128G7X1,NVM Express 3.0 x4,容量128GB)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows 10 Pro

●テスト時のマウス設定
  • ドライババージョン:9.12.107.0(※デバイスマネージャ上で確認)
  • Microsoft Mouse and Keyboard Centerバージョン:3.2.116.0
  • DPI設定:400/800/1600/3200 DPI(※主に800 DPIを使用)
  • レポートレート設定:1000Hz
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

 最初は,「MouseTester」を用いたセンサー性能検証だ。ここではClassic IntelliMouseをARTISAN製マウスパッド「飛燕 MID」と組み合わせ,400,800,1600,3200といった4つのDPIに設定したうえで,マウスを一定のリズムで左右に振り,その挙動ログを取っていく。
 その結果をまとめたものが,下に示した8枚のグラフだ。いずれのグラフもY軸のプラス方向が左への振り,マイナス方向が右への振り,横軸がms(ミリ秒)単位での時間経過を示している。
 青い点は実際にセンサーが読み取ったカウントで,DPI設定ごとに2枚ずつ並べた画像のうち,左における青い波線はそれを正規化したものである。波線が滑らかで,その上に青い点が並んでいるほどセンサー性能が優れているという理解でいい。一方,右における青線は,カウント同士をつないだものだ。どちらでも見やすいほうを参照してもらえれば幸いだ。

400DPI設定時。マウスを操作中,加減速が生じるあたりでカウントが若干不安定になっていて,正規化した線でもブレが生じている
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800DPI設定時。400DPIのときと変わらず,加減速し始めるタイミングでカウントが乱れている
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1600DPI設定時。400&800 DPI設定時と同じ乱れを確認できる
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3200DPI設定時。乱れ方はDPIの設定値に関わらず一貫している印象だ
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 というわけで,最新世代のゲーマー向けマウスと比べた場合,Classic IntelliMouseで得られる波形は少なくとも最良ではない。振り返しでの乱れ方が,チューニング不足か,搭載するBlueTrackの限界なのかは分からないものの,「センサーの追従性に不安は感じない」と言ったら嘘になる程度ではある。

 続いてはリフトオフディスタンスである。
 テスト方法はシンプルで,厚みの異なるステンレスプレートを重ねていき,その上に乗せたマウスの反応が途絶する高さを0.1mm単位で割り出すというものになる。
 その結果はのとおり。一番高いスコア
でも1.6mmで,それ以外は0.7〜1.3mmの間に収まっている。いずれにせよ,4Gamerで合格ラインとする2mm以内に収まっており,ここは上々の結果と言えるだろう。

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 最後に直線補正の確認だ。ここでは,Windows標準の「ペイント」で線を引き,入力に対して補正が行われているかを確認する。
 その結果が下の画像なのだが,特にカーソルが引っ張られるような感覚もなく,体感できるレベルの補正は入っていないと言っていい。

横線や斜めの線を引いても補正を受けたような感覚はなかった
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ゲーマー目線で言えば物足りないが,“オリジナルIE3.0”の復活はそれだけで価値がある


製品ボックス
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 以上,冒頭でお断りしたとおり,センサー性能のみに絞ったテスト結果をまとめてみた(※入力遅延が気になる読者もいると思うが,時間の都合で今回は断念した。いずれテスト結果はお伝えしたい)。
 キモであるセンサーの追従性は,トップクラスのゲーマー向けマウスと比べると明らかに一段落ちる。筆者の個人的な見解を述べさせてもらうと,当時のゲーマーにとって最高だったマウスを現代に蘇らせるのであれば,最新世代のセンサーを搭載し,文句なしにゲーム用途で使っていけるマウスに仕上げてもらいたかった。その意味では本当に残念であり,いま使っているIE3.0クローンを捨ててまで乗り換えるかと言われれば,正直「NO」と言わざるを得ない。

 ただ,そもそもオリジナルのIE3.0からして,純然たるゲーマー向けマウスではなかった。今回のClassic IntelliMouseもそうだ。一歩引いた立場から見てみれば,「少なくとも酷すぎる結果ではないわけだし,まあこんなモンだよね」という感じである。
 むしろ市場的には,IE3.0のクローンではない「ほぼオリジナル」が,税込5000円以下で購入できるようになったという,その事実こそがとても重要だと考えている。最終的にゲーマー向け製品ブランドのIE3.0クローンを手にすることになるとしても,若いゲーマーが「おっさん連中が騒いでるIE3.0ってどうなのよ?」と思ったときに,とりあえず低コストでオリジナルに触ることができるようになったことは,大いに歓迎すべきだろう。

画像集 No.024のサムネイル画像 / 「Classic IntelliMouse」ミニレビュー。伝説的マウスの復刻版は2018年の新定番になれるか?

 Classic IntelliMouseが商業的に成功し,それを受けてMicrosoftがセンサーをゲーマー向けのものに交換したバリエーションモデルを出してくれたりすると最高なのだが……。

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MicrosoftのClassic IntelliMouse製品情報ページ

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