「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON5 STAGE1」は36名のプロが参戦。2022年シーズンの開幕戦はdelta選手が3シーズンぶりの優勝に

　セガは2022年4月29日，「ぷよぷよeスポーツ」（PS4 / Nintendo Switch / PC）の公式プロ大会「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON5 STAGE1」をセガサミー本社内TUNNEL TOKYOにて無観客で開催した。


　SEASON5の開幕戦となるこの試合には，史上最多の36名のプロが参戦。今年3月に行われたプロ選抜大会でプロ選手となった4名もエントリーされ，新人からベテランまで入り乱れての激戦が展開した。本稿ではその模様をお届けする。

実況席左からMCの椿 彩奈さん，解説のmomoken氏，ALF氏，MCの前島亜美さん

　前哨戦として，今年1月に開催された「第1回 ぷよぷよレディースカップ」上位入賞の2名と女性プロによるエキシビションマッチが実施された。一般選手のあかじこう選手とのたこ選手が，プロのTema選手とめいせつ選手に勝利する波乱が起き，決勝では2セットを連取したあかじこう選手が勝利を収めている。

のたこ選手（右）にセットを取らせずに勝利したあかじこう選手（左）

　今回のチャンピオンシップには，むー選手，やまたけプロ選手，リッキー選手，reoru選手，マッキー選手が新たにプロとして参戦している。中でも，マッキー選手はSEASON1〜2で“最強の高校生”として2度の大会優勝を含む活躍を見せるも，突如引退。そして先日の選抜大会でプロ選手へと返り咲いたうえで今大会へ出場しており，ファンや関係者から大きな注目を集めた。

プロ選抜大会で圧倒的な力を見せ，プロに返り咲いたマッキー選手

当日のトーナメント表。左枠のcoo選手は欠場となった

中継卓と並行して行われた試合の卓。当日はこちらの試合は中継されなかった

　今回は新人の活躍が目覚ましく，現役最年少のリッキー選手はMATTYAN選手に，むー選手は前シーズンSTAGE3優勝者であるfron選手に対し，それぞれジャイアントキリングを達成。マッキー選手も順当に準決勝まで勝ち上がっている。reoru選手とやまたけプロ選手は残念ながら初戦で敗れ，次回以降の活躍に期待がかかった。

　強豪でもあっさり敗退してしまうのが，2本2セット先取トーナメントの恐ろしいところだ。前回四天王のSAKI選手やTom選手は初戦で，MGR選手も3回戦で敗北を喫し，準決勝まで進んだのはdelta選手のみであった。
　下馬評通りに勝ち上がったマッキー選手は準決勝に進出。そして準々決勝で好調なわっふる選手をストレートで破ったざいろ選手と，ともくん選手に競り勝ったlive選手がそれぞれ四天王入りしている。

準決勝までのトーナメント表がこちら

　準決勝第1試合はマッキー選手とlive選手の対決だ。ブランクを感じさせない調子の良さをみせるマッキー選手だが，“覇王”live選手も上り調子で，シーソーゲームの展開を見せつつも，live選手が常にポイントを先行し，4−4から大きな1セットをものにした。
　2本目もlive選手優勢で進行。リーチをかけた状態から，攻守完璧な盤面を組み上げたlive選手が2セット目を連取し，決勝へと進出した。

準決勝第1試合，左からlive選手とマッキー選手

勝利の手応えを掴んだlive選手（右）

　準決勝第2試合は，ざいろ選手対delta選手の顔合わせに。前回のチャンピオンシップで準優勝をおさめ，かつての強さを取り戻してきた印象のあるdelta選手に対し，久しぶりにベスト4入りしたざいろ選手がどこまで成績を伸ばすかに注目が集まる。
　試合はdelta選手が“巨人の火力”を持つ連鎖本線を生かす柔軟な対応で，ざいろ選手に開幕4連勝。そこから1本を取り返されるも，直後に繰り出した13連鎖ダブル10万点オーバーの大連鎖は，ざいろ選手のセカンドをもろともせず，1セット目を勝ち取った。ざいろ選手も持ち味の“疾風迅雷”で速攻を仕掛けるが，delta選手はうまく対応し，2セット目も勝利を収めて決勝に進んだ。

準決勝第2試合，左からざいろ選手とdelta選手

“巨人の火力”を見せつけたdelta選手（右）

　共に準決勝で非常にいい勝ち方をしたdelta選手とlive選手による決勝戦は，史上稀に見る激戦となった。2−1で先行するdelta選手は好調なlive選手に対して，16連鎖12万点というプロ同士の大会でもほとんど見られることのない大連鎖を繰り出し，視聴者を大いに湧かせる。大火力の連鎖を決められたことでlive選手は迷いが生じたか，1セット目をdelta選手に先行されてしまう。

決勝戦，左からdelta選手とlive選手

12万点オーバーをたたき出したdelta選手（左）の16連鎖

　しかし，ここであっさり崩れないのがlive選手だ。2セット目では先行こそ許したものの，運も味方に付けながら破竹の4連勝でイーブンに持ち込んだ。

　3セット目，大連鎖のみに偏らず臨機応変の対応を見せるdelta選手は，1−1の状況から3連勝し，ついに優勝にリーチをかける。しかし，live選手も負けじと本線の大連鎖勝負で打ち勝ち，4−4のフルセットフルカウントとなる。

後がない状況から3連勝で望みを繋いだlive選手（右）

　いよいよ最後の勝負。先に仕掛けたのはlive選手だったが，delta選手もすかさず対応する。そのおじゃまぷよが降る前に2連鎖ダブル→3連鎖ダブルと反撃したlive選手は，delta選手の本線を早めに発火させることに成功。その7連鎖に対してlive選手が本線8連鎖を発火させ，優勝への手応えを掴む。「ぷよぷよの神様がliveに勝てと言っている！」と解説のmomoken氏も興奮する中，delta選手が冷静に組んだセカンドは，live選手のセカンドの連鎖数を上回り，おじゃまぷよを2段降らせた。着実に攻めてくるdelta選手への対応を急ぐlive選手だったが，最後は反撃のぷよをツモれずに万事休す。delta選手が3シーズンぶりの優勝に輝いた。

live選手は1/16の確率となる紫ぷよ×2を引いて，本線8連鎖の発火に成功

それを返したdelta選手。live選手も反撃したが，おじゃまぷよ2段が降る

delta選手の追撃に対応が及ばず，ついにゲームセット

試合中は常にポーカーフェイスだったdelta選手も，最後は立ち上がって喜びをあらわにした

　「足がガクガクになるほどの熾烈な戦いだった」と試合を振り返るdelta選手は「あれだけいい試合ができてでも楽しかった」と感想を述べ，「ここまで練習してくれた方や，縁があって関わってくれた方に感謝の気持ちでいっぱい」と感謝の言葉を伝えた。

delta選手には賞金100万円が贈られ，SEASON5ファイナルズへの出場権も授与された

　また，delta選手は今回のベスト4のメンツを「懐かしい顔ぶれ」と評し，新旧の強者が台頭してくる今シーズンになることは間違いなく，「次回優勝は難しいかもしれませんが，自分の実力はまだまだ高められると思っています。どの試合も安定して勝てるよう，努力はしていきたい」と，激戦が予想されるSEASON5への意気込みを語った。

優勝の喜びを目でアピールしたdelta選手

「ぷよぷよeスポーツ」公式サイト