プレイレポート
[TGS 2019]メカニック少女がスパナを投げ,ネジのロボットがバリアで守る! 非対称型協力アクション「SPANNER」プレイレポート
「SPANNER」は,スパナを投げて戦うメカニック少女・スナップと,サポートロボットのオンちゃんが協力し合う,見下ろし型のドット絵アクションゲームだ。2人プレイ専用で,1人がスナップ,もう1人がオンちゃんを担当する。2人協力型のゲームだが,スナップとオンちゃんの能力・役割が著しく異なるところがポイントだ。
プレイヤーは,1画面・1部屋で構成されたダンジョンを巡り,敵を倒したり,お宝を回収したりして探検していく。オンちゃんを操作するプレイヤーは,スナップを守るため,バリアを張ったり周囲をライトで照らしたりして奮戦するのだ。
スナップは敵への攻撃が主な任務。飛び込み前転「ドッジロール」を使えば,床に開いた穴を飛び越えたり,敵弾を避けたりできる。また,本作の自機はライフ制となっており、ハートのアイコンが尽きるまで敵の攻撃に耐えられる。要はアクションゲームの主人公としてスタンダードな性能を持っているわけだが,彼女だけでは生き残れない。ダンジョンの中は闇に包まれているうえ,落とし穴が沢山仕掛けられている部屋もあり,1人では進もうにも進めない。敵の攻撃は激しく,スナップが攻撃できない斜め方向から撃ってきたり,弾幕シューティングのような大量の弾をばらまいてきたりもする。スナップ1人ではすぐにゲームオーバーになってしまうだろう。
ここで役に立つのがオンちゃんの能力だ。「オンライト」で辺りを照らすことができ,暗い部屋も安心。宙に浮いているので針の山や落とし穴がある床も平気で通行可能。落とし穴で囲まれた先にポツンと置かれたアイテムを入手するとき,スナップは間合いを計ったドッジロールを駆使する必要があるが,オンちゃんなら楽に回収できる。また,完全無敵の身体を持っているので敵弾を食らっても一切平気で,球状の「オンバリア」を発動すれば広範囲の敵弾を消してスナップを守れる。なかなかブッ飛んだ性能のオンちゃんだが,1体ではステージをクリアできない。攻撃手段を持っておらず,敵を倒すことができないからだ。
「オンライト」は暗闇を照らす,暗いダンジョンを進むには必須の能力だ |
「オンバリア」は広範囲の敵弾を消すが,張りっぱなしにはできないのでタイミングが重要 |
ダンジョン攻略にはプレイヤー2人の協力が不可欠で,プレイ中は自然と声を掛け合うことになる。「あのアイテム取ってきて!」「バリア張って!」「ライト点けて地形を確認するから,動かないでちょっと待ってて!」なんてコミュニケーションを取りつつ遊んでいると,ファミコン時代に友達の家で協力プレイをしていた日々が思い出される。
とくに楽しいのがオンちゃん側でのプレイだ。部屋が暗ければ,スナップが少し先に位置取りしてオンライトで照らす。落とし穴の向こうにアイテムがあるなら,自分が率先して回収し,リスクを減らす。バトルではスナップの動きを先読みし,常に敵とスナップの間に移動し,弾を消していく。弾幕が張られたら,オンバリアの中にスナップを入れて守る。厄介な敵が複数体いるようなら,片方をスナップに任せ,自分はもう片方の敵に密着して弾を消すことで無力化するという立ち回りもアリだ。オンラインゲームやアクションRPGでサポート系のキャラクターが大好きな筆者としては,とても楽しかった(個人的には,オンちゃんを操作して,AIが担当する上手なスナップや下手なスナップをお世話する1人用モードが欲しいとも感じられた)。
実はビジネスデイと一般公開日ではバージョンが異なり,2日目までの反応を見て,多くの試遊者が引っかかっていた意地悪な落とし穴を削除したり,[A]ボタンを押しての回復アイテム取得を接触での自動取得にするなど,改良を行ったそうだ。とくに落とし穴の削除は,プレイヤーの反応を直接見ていたからこそできた調整。アンケートではなかなかフォローしきれないところであり,インディーズゲーム開発におけるイベント出展の重要性を再認識させられた。
現在「SPANNER」は開発中で,発売は2020年の予定。東京ゲームショウ2019出展バージョンはPCで動作していたが,まずはNintendo Switchでリリースされるとのことなので,続報を楽しみに待ちたい。
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