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音声のみでプレイできるアクションアドベンチャー「The Vale」。盲目の剣姫となって,異世界を生き延びろ
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印刷2019/11/07 15:20

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音声のみでプレイできるアクションアドベンチャー「The Vale」。盲目の剣姫となって,異世界を生き延びろ

 音声だけでプレイするゲームは,珍しいものではない。同人ゲーム市場を眺めれば,多数の作品があるし,東京ゲームショウでは2018年,2019年と連続で「音声だけでプレイできるゲーム」が展示されている(関連記事)。とはいえ,総数を見れば「グラフィックスが表示されるゲーム」のほうが圧倒的に多いのは言うまでもないことで,視覚に障害のある人にとって,多くのコンピュータゲームはプレイするのに一定の困難が伴うものになっている。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 音声のみでプレイできるアクションアドベンチャー「The Vale」。盲目の剣姫となって,異世界を生き延びろ

「The Vale」公式サイト

Steam「The Vale」ストアページ


 そんな中,「視覚障害の有無にかかわらず楽しめる,音声だけでプレイできるゲーム」を目指して開発されているタイトル「The Vale」が,REBOOT Develop RED 2019のインディーズゲームコーナーに展示されていた。Falling Squirrelが開発中の本作がどんなゲームなのか,簡単に紹介したい。

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[2019/11/05 20:10]


盲目の姫君が主人公となるアクションアドベンチャー


作品の説明をしてくれた,Falling SquirrelのDave Evans氏
画像集 No.002のサムネイル画像 / 音声のみでプレイできるアクションアドベンチャー「The Vale」。盲目の剣姫となって,異世界を生き延びろ
 「The Vale」でプレイヤーは,ファンタジー世界のとある王国の姫君になる。この姫君は盲目だが,「将来,何が起こるか分からない」ことを危惧した彼女の叔父によって幼い頃から武芸を仕込まれていた。やがて王が崩御し,主人公の兄が玉座についたことにより,物語が動き始める……というのが本作の基本的な構図になる。
 ゲームとしてはアクションアドベンチャーで,ゲームパッドで操作するのが基本。左のアナログスティックで移動(ないし盾をかざす),右のアナログスティックで剣を振るう。

 アドベンチャーゲームなので,キャラクターが移動しなくても会話でゲームが進んでいく状況も多く,また,目の前で主人公に話しかける叔父に向かって剣を振ったら,うっかり殺してしまったという往年のオープンワールドRPGめいたことも起こらない。
 ただし,特定の状況においては,プレイヤーは音を頼りに移動しなくてはならないし,敵の攻撃を聞き取って身を守ったり剣で倒したりしなくてはならない。
 ゲームはリアルタイムで進行するので,プレイヤーには素早い判断とパッドさばきが要求される。

 上記のように,本作はすべてが音声のみで進行するので,プレイ中,画面には何も表示されない(一応,アンビエントな星空めいたものが表示されるが,ゲーム的な意味はない)。
 プレイヤーはヘッドフォンを装着してプレイすることが前提で,状況が変化したときは音声で把握できる。もちろん,周囲にそれを教えてくれるキャラクターがいないなら,何が起こっているのかほとんど分からないが,主人公の叔父をはじめ,会話を通じて全体的を説明してくれる登場人物は多い。
 このあたり,一般的なアドベンチャーゲームのメッセージや会話文がすべて音声で読み上げられる状況を想像してもらえばよいだろう。

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ぞっとするほどの「リアリティ」がプレイヤーを襲う


 本作をゲームとして面白くしているのは,立体音響を活用している点だ。戦闘シーンでは,足音や呼吸音,狼の吠え声や剣が空気を切り裂く音,こちらに殺意を向けている剣士の怒声といったものがプレイヤーの周囲を包む。そこでプレイヤーは音の方向を正確に聞き分け,攻撃に対しては盾をかざし,あるいは適切なタイミングと間合いを読んでカウンターの一撃を叩き込まねばならない。間合いについては,敵の武器が空気を切り裂く音か,敵が武器を振るときに放つ声を聞けば,ある程度まではつかめる。

 アクション的には,「敵を倒すにあたってカウンター攻撃が最も効率が良い」というのが大きなポイントだ。安全策を取るなら盾で受けて剣で切り返すほうが手堅いが,手際よく敵を倒さねばならない場合はカウンターのほうが早い。しかしカウンターは間合いとタイミングが合っていなくてはただの空振りになるため,ハイリスク,ハイリターンの行動になるわけだ。
 このあたりは,格闘ゲームの定番ともいえるリスクとリターンの構造だが,それがサウンドだけのゲームでも成り立っているところが興味深い。

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 探索パートでは,例えば「喉が乾いて水が飲みたい」場合には,遠くから聞こえる川のせせらぎに向かって進むといった操作が必要になる。その途中で野犬や狼に遭遇して戦闘に入るといった展開もあり得るので,細心の注意を払って周囲の物音を聞き続けねばならない。

 もちろん,本作はドラマとしても作り込まれている。ゲーム開始時から物語は急展開をとげており,ファンタジー好きならその世界に浸って楽しめるだろう。音しか聞こえないぶん,効果音や環境音がしっかりと作り込まれており,例えば,たくさんの矢が射掛けられるシーンでは,無数の矢羽の音と,矢が刺さる音が周囲を包むが,へたに映像で表現されるよりもずっとリアルで,恐ろしい。

 全体で5時間ほどのプレイ時間が想定されており,ボリュームが少ないと感じるかもしれないが,プレイにはかなりの集中力が要求されることもあって,「5時間もあるのか」というのが序盤を遊んでみた筆者の率直な感想だ。

 本作はまだ開発中で,2020年にはSteamなどでの発売が予定されている。
 残念ながら音声はすべて英語で,ローカライズされる可能性は非常に低いと言わざるを得ないが,使われている英語は難しいものではない。英語のヒアリングの練習を兼ねてプレイするというのも,本作の1つの楽しみ方として考えられそうだ。

本作はREBOOT DevelopのインディーズゲームアワードでSpecial Selection賞を受賞しており,オーディオ部門にもノミネートされていた
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