Xbox Series Xの最新情報が公開。12 TFLOPSのGPUを搭載し，新しい機能やサービスが実装予定に

　Microsoftは，2020年内のローンチを予定している次世代ゲーム機「Xbox Series X」についての詳細を発表した。これは，同社の公式サイトならびに公式ブログの1つであるXbox Wireに，Xbox部門を率いるフィル・スペンサー（Phil Spencer）氏の名義で投稿されたものだ。


　12 TFLOPSという演算性能を持つGPUを搭載し，Variable Rate Shading（VRS，可変レートシェーディング）やハードウェアアクセラレーションによるリアルタイムレイトレーシング「DirectX Raytracing」といったテクノロジーの採用が目を引くXbox Series X。今回のアナウンスでは，複数のゲームで中断した箇所を記憶する“クイック・レジュ―ム”機能や，Xbox OneとXbox Series Xでクロスバイができるという“スマートデリバリー”といった機能およびサービスが明かされており興味深い。以下はブログエントリーを翻訳したものとなる。

■パワーとスピードの優れたバランス
　前世代と比較してXbox Series Xは，コンソールデザインにおいてパワーと速度の優れたバランスを実現し，すべての技術面で進化しているだけでなく，驚くほどダイナミックで生き生きとした世界を提供し，ゲーム体験を阻害するような事象を最小限に抑えます。
　我々の仕事は，ハードウェアの開発チームが持つ野心を達成し，コンソール機のパワーを効率的に活用するために必要なツールを提供することです。Xbox Series Xの底力は，そのようなストーリーのほんの一部に過ぎません。

●次世代カスタムプロセッサ
　Xbox Series Xは，AMDのZen 2およびRDNA 2アーキテクチャを活用したカスタムデザインのプロセッサを搭載し，これまでで最も強力なコンソール機です。 Xbox Oneの4倍の処理能力を提供し，ソフトウェア開発者は12 TFLOPSのGPU（グラフィックスプロセッシングユニット）性能を活用できます。
　これは，Xbox One Xの2倍，オリジナル版Xbox Oneの8倍以上に及びます。Xbox Series Xは，最先端の技術により処理とグラフィックスにおいて世代を超える真の飛躍を実現しており，より高いフレームレート，より大きくて洗練されたゲームの世界，そして過去のコンソールゲームではあり得なかった没入感をもたらします。

●Variable Rate Shading（VRS）
　我々が特許を取得済みのVRSは，開発者がXbox Series Xのフルパワーをより効率的に利用できるようにします。GPUサイクルを画面上のすべてのピクセルに均一に費やすのではなく，特定のゲームキャラクターや重要な環境オブジェクトに対する個々の効果に優先順位を付けられます。この手法により，最終画像の品質に影響を与えることなく，より安定したフレームレートと高解像度を実現できます。

●ハードウェアアクセラレーションによるDirectX Raytracing
　コンソールゲーム史上初めてとなる，ハードウェアアクセラレーションによるDirectX Raytracingで強化された，よりダイナミックで現実的な環境を期待できます。これは，ゲームの世界を探検しながら，リアルな照明，正確な反射，リアルな音響をリアルタイムで体験できることを意味します。

■瞬間的な没入体験
　次世代コンソールのゲーミングは，待機時間を減らしてプレイ回数を増やすように定義されます。ゲームを遊び始めると，多くのゲーマーが可能な限り没頭しながら正確にプレイするための，超低レイテンシを要求することを知っています。この目的のために，Team Xboxは，コントローラからコンソール，ディスプレイまで，プレイヤーとゲームの間のすべてのステップを分析し，どのように高速化できるかを探求したのです。

●SSDストレージ
　次世代のSSDにより，ゲームプレイのほぼすべての側面が改善されます。ゲームの世界はより大きくダイナミックとなりながら，ローディングは瞬時で終わり，ファストトラベルはまさにファストなものになるでしょう。

●クイック・レジューム
　新たに導入するクイックレジューム機能を使用すると，長いロード画面を待たずに，中断状態から複数のゲームをほぼ瞬時に続行し，以前プレイしていた場所に戻ってプレイを再開できます。

●ダイナミックレイテンシインプット（DLI）
　Xboxワイヤレスコントローラに始まり，プレイヤーからコンソールへのパイプラインにおける遅延を最適化します。Xboxワイヤレスコントローラは，コンソールに接続したときに，独自の高帯域幅ワイヤレス通信プロトコルを活用します。ダイナミックレイテンシ入力（DLI）を使用することで，入力を表示内容と即座に同期させる新しい機能により，ゲーム操作はさらに正確となり，反応も向上します。

●HDMI 2.1による革新
　HDMIフォーラムおよびテレビメーカーと提携し，Auto Low Latency Mode（自動低遅延モード，ALLM）や可変リフレッシュレート（VRR）などの機能を通じて最高のゲーム体験を実現しています。ALLMを使用することで，Xbox OneおよびXbox Series Xに接続したディスプレイを最小の待機時間モードに自動的に設定できます。 VRRは，ディスプレイのリフレッシュレートをゲームのフレームレートに同期させ，ティアリングを発生させることなく滑らかなビジュアルを維持します。最小限の遅延と，最も応答性の高いゲーム体験を保証します。

●120fpsのサポート
　Xbox Series Xでは最大120fpsをサポートしているため，ソフトウェア開発者は標準の60fpsを超える出力を実現させて，リアリズムを高めたり，速いアクションを追求できるようになります。

■次世代ゲームとの互換性
　次世代コンソールの利点はあらゆる方向に広がっており，新しいゲームに加えて，旧世代のゲームでも視覚的な忠実さとローディング時間の短縮をもたらします。 Xbox Series Xとの互換性への取り組みを継続し，世代を超えてゲームの所有権を容易にするテクノロジーに投資しているのです。

●4世代にわたるゲームソフト
　我々の互換性への取り組みは，既存のXbox One用ゲームだけでなく，下位互換性のあるXbox 360やオリジナルのXboxゲームの外観とプレイ体験を，かつてないほど向上させることを意味します。
　Xbox Game Passのタイトルを含むお気に入りのゲームは，安定したフレームレート，高速なローディング，改善された解像度と視覚的な忠実性の恩恵を受けます。これらすべてを実現させるために，開発者の余分な作業は必要ありません。 Xbox One向けに発売されているゲーミングアクセサリーも引き続きご利用できます。

●スマートデリバリー
　このテクノロジーにより，ゲームソフトを1度購入するだけで，Xbox OneでもXbox Series Xでも，プレイしているXboxでそのゲームの適切なバージョンを入手できます。「Halo Infinite」を含むXbox Game Studiosが開発したエクスクルーシブタイトルで，このスマートデリバリー機能を活用することを確約しており，プレイするXbox本体で利用可能な最高のバージョンを再生するために，タイトルを1回購入するだけで済みます。このテクノロジーは，すべての開発者とパブリッシャが利用でき，Xbox Oneで最初にリリースされ，後にXbox Series Xに登場するタイトルに使用することも選択できます。

●Xbox Game Pass
　皆さんがすでにお持ちの4世代コンソールからのゲームに加えて，当社の主要なゲームサブスクリプションサービスであるXbox Game Passには，「Halo Infinite」などのファーストパーティタイトルが引き続き含まれます。


■プレイヤーを中心に据えた次世代ゲーミング
　Xbox Series Xは，史上最速かつ最も強力なコンソールであり，あなたを中心に据えたコンソール世代向けに設計されています。これは，静かで大胆なデザインに囲まれた忠実度の高いゲーム体験を意味し，4世代にわたる何千ものゲームを発見できます。

　Xbox Game Studio傘下にある15のスタジオで素晴らしいクリエイターを支援し，Xbox Game Passでゲームの発見を促進し，Project xCloudでプレイできるものと場所を拡大するかどうかにかかわらず，Team Xboxはプレーヤーとゲームの間に摩擦を感じさせない経路を追及しながら，この注目すべき芸術形態の最高の体験を提供します。 Xbox Series Xは，これまで以上に見た目も操作性も優れたゲームにすぐに没頭したいプレイヤーという皆さんと同じ，我々の思いを表しているのです。

　今後数か月以内に，Xboxについての新しい詳細をご紹介します。

「Xbox Series X」に関するアナウンス