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ソニー,両目に映像を投影する眼鏡型の透過式HMDを開発者向けに3月発売
発売日は2015年3月10日で,価格は10万円(税別)とされているので,単純計算した税込価格は10万8000円となる。
眼鏡のフレームにあたる部分には,緑色LEDと超小型ディスプレイ,および投射レンズが内蔵されており,ここから投射された映像は,レンズに組み合わされた厚さ1mmのガラス製導光板を通して目に届けられる仕組みなのだという。
ソニーは2014年12月に,HMD向けの「片眼用有機ELディスプレイモジュール」を発表しているが,SED-E1のディスプレイモジュールは,これとはまったく別の技術というわけだ。
表示される映像の解像度は419×138ドット。表示色は緑1色だが,256階調の表示が可能という。ディスプレイの輝度は1000cd/m2と,一般的な液晶ディスプレイなどと比べればかなり高めだ。
眼鏡部分には,300万画素のカメラを内蔵しており,静止画および動画(映像のみ)の撮影が可能。また,加速度センサーやジャイロスコープ,コンパス,照度センサーなども備えているという。
コントローラ側にはBluetooth 3.0やIEEE 802.11g,NFC機能も搭載されており,スマートフォンとペアリングしてアプリケーションを使うことが可能である。タッチ式のセンサーやマイクも搭載されており,アプリケーション次第ではあるが音声による検索やメッセージ入力も可能となるようだ。
なお,バッテリーもコントローラ側に内蔵されているのだが,駆動時間はカメラ未使用時で約150分しかない。
SED-E1はあくまでも開発者向けデバイスであり,このまま商品化されるわけではない。解像度や表示色数といった課題もある。しかしソニーでは,この技術を活用したHMDであるSmartEyeglassを2016年に一般ユーザー向けにも提供することを目指すとしており,この特徴を生かした今までにないゲームが登場してくるかもしれない。
また,Microsoftも,2015年内にゴーグル型の「HoloLens」を発売する予定である。拡張現実対応HMDは一気に盛り上がる可能性が出てきたといっても過言ではなさそうだ。
名古屋のソニーストアでは2月27日から,東京銀座のソニーショールームと大阪のソニーストアでは3月11日からSED-E1の実機が体験展示されるそうなので,興味のある人は足を運んでみてはいかがだろうか。
SED-E1 製品情報ページ
- ソフトウェア開発キット提供と合わせて幅広いアプリ開発を促進 -
ソニーは、対応スマートフォン※1と連携し、テキスト、シンボル、画像等の情報を視界に重ねて表示する、透過式メガネ型端末『SmartEyeglass(スマートアイグラス)』を開発※2し、商品化に向けた取り組みを進めています。さらなるアプリケーションの探索と充実のため、『SmartEyeglass Developer Edition(スマートアイグラス・デベロッパーエディション)』「SED-E1」を、日本、アメリカ、イギリス、ドイツにおいて、アプリ開発者に向けて本年3月より発売します。さらに産業用途のアプリ開発を促進するために、法人顧客に向けては、フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、スウェーデンでも購入が可能です。本製品は、アプリケーション開発支援サイト「Sony Developer World」のSmartEyeglass専用ページを通じて販売します。
さらにハードウェアの提供開始と合わせて、昨年9月より先行リリース版として提供をしているソフトウェア開発キット(SDK)を更新して、正式リリース版のソフトウェア提供を開始することにより、一層のアプリ開発を促進します。ソニーはウェアラブル端末の使用用途の拡がりを見据え、開発者に向けて本製品を発売することにより、開発者のユニークな発想と多様なアプリ開発を促進し、SmartEyeglassの提供する体験を向上していきます。
またソニーは、2016年内に一般ユーザーや法人顧客に幅広く『SmartEyeglass』を提供することを目指し、商品化に向けて今後開発を加速して参ります。
製品名 | SmartEyeglass (スマートアイグラス・デベロッパーエディション) |
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型番 | 「SED-E1」 |
発売日 | 2015年3月10日 |
価格 | 100,000円+税(日本) 840 USドル+税(アメリカ) 520 UKポンド+税(イギリス) 670 ユーロ+税(その他) |
“Sony Developer World”SmartEyeglass専用ページでは、本製品の購入手続きやSDKの入手が可能なほか、詳細な製品仕様、SmartEyeglass用アプリケーションや活用シーンの事例紹介など、アプリ開発に有用な情報を提供していきます。
<“Sony Developer World”SmartEyeglass専用ページ:
http://developer.sonymobile.com/ja/smarteyeglass/>
SmartEyeglassは連携するスマートフォンのアプリケーション次第で、様々な活用シーン※3が期待できる端末です。本機の特徴である、視認中の対象物から視線を逸らすことなく情報を確認できる重畳表示方式を活かして現実世界に情報を付加するAR(拡張現実)は、例えば製造現場での作業指示や警備現場での事故情報表示など、業務用途でも活用が期待できます。2015年1月に米国・ラスベガスで開催されたCES 2015での自社ブースでは、SAPのクラウドシステムを利用した倉庫での部品ピックアップや整備工場でのエンジンメンテナンス等の支援用アプリ(APX Labs社 開発)により、現場の作業指示に関する業務用途の活用例が展示されました。また民生用途の活用シーンでは、スポーツ観戦中に選手情報を得ることや、イベント会場での関連するSNSメッセージの表示、観光地でのガイド情報表示などにより、より便利に楽しくする情報が入手できます。
ソニーは、有益な情報を手軽に入手して業務領域や民生用途で活動の利便性を高めるウェアラブル端末の機能向上に向けて、様々なアプリケーションが提供される環境を構築していきます。
※1 動作環境:Android4.4以降。
※2 2014年9月19日に発表。(http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201409/14-090/index.html)
※3本製品の使用用途については、アプリ開発や市場調査、本機を用いた実証実験等を通して検討中です。記載する事例は現時点で検討されているものの一例であり、実際の使用に向けて安全性が確認されているものではございません。
『SmartEyeglass Developer Edition(SED-E1)」の実機展示について
「SmartEyeglass Developer Edition」の装着感や表示、アプリのデモンストレーションをご体験いただける実機展示を行います。
※ 混雑時はご要望に沿えない場合があります。予めご了承ください。
ソニーストア名古屋 5周年イベントコーナー参考出品
期間:2月27日(金)〜3月8日(日)
会場:ソニーストア名古屋
URL:http://store.sony.jp/store/nagoya/
ソニーストア常設展示
期間:3月11日(水)より約二ヶ月間(予定)
会場:ソニーストア直営店舗
(銀座ソニーショールーム、ソニーストア大阪、ソニーストア名古屋)
URL:http://www.sonybuilding.jp/
http://store.sony.jp/store/event/spring-fair2015/index.html
【SmartEyeglass Developer Editionの概要】
本機はCMOSイメージセンサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、電子コンパス、照度センサー、マイクなどの多彩なセンシング機能と、連携したスマートフォンのGPSによる位置情報などを活用して、ユーザーの状況に応じた情報を提供できる端末です。ソニー独自のホログラム光学技術により、視野を遮るハーフミラーを使わず、85%の高い透過性を持った厚さ3.0mmの薄型レンズを実現しました。また、単色表示のためカラーよりも低消費電力でありながら輝度が高く(最大1,000cd/m2)、両眼表示により様々な環境でもテキストが読みやすく視認性の高い表示が可能となります。
無線接続した本機とスマートフォンが相互にセンシングデータや画像データなど情報をやりとりすることにより、スマートフォンのアプリケーション次第で、多彩な活用シーンが期待されます。
SmartEyeglass Developer Edition(SED-E1)の主な構成要素
ソニー独自ホログラム光学技術による軽量・薄型ディスプレイモジュール
ソニー独自のホログラム導光板方式光学技術を用いた、透過式メガネ型端末専用の軽量・薄型のディスプレイモジュールを搭載しました。
ホログラム導光板技術とは、ガラス板の両端にホログラム光学素子を組み込むことで、光学エンジンから出射した映像光を、厚さ1mmの非常に薄いガラス板の中を伝搬して、目まで届ける技術です。これにより、透過率85%という高い透明率を持つ厚さ3mm※4のレンズを実現しています。
※4 導光板前後の保護プレートを含む。
SmartEyeglass Developer Edition(SED-E1)の主な仕様
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