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印刷2017/07/27 00:00

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移動しても途切れず表示遅延が少ない無線LAN技術が実現? Wi-Fi Allianceが2020年に向けた展望を語る

Kevin Robinson氏(Vice President of Marketing,Wi-Fi Alliance)
 2017年7月26日,無線LAN技術と対応機器の普及促進を図る業界団体のWi-Fi Alliance(ワイファイ アライアンス)は,東京都内で記者説明会を開催し,無線LAN技術における最新の取り組みについて説明した。説明を担当したのは,Wi-Fi Allianceでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるKevin Robinson(ケビン・ロビンソン)氏だ。

移動しても途切れず表示遅延が少ない無線LAN技術が実現? Wi-Fi Allianceが2020年に向けた展望を語る
 説明会のメインは,Wi-Fi Allianceが現在注力している2種類のプログラムや,2020年頃の実用化が見込まれる次世代の移動通信サービス「5G」(ファイブジー)と無線LAN技術の関係を説明するというもので,直接ゲームに関わる話題ではないし,技術についての詳しい説明があったわけでもない。とはいえ,2種類のプログラムに対応する製品やサービスが広がってくれば,スマートフォンや携帯ゲーム機によるゲームライフにも恩恵がありそうなので,その内容を簡単にまとめてみたいと思う。

Wi-Fi Allianceに加盟する代表的な国内企業を示したスライド。全世界で700社以上が加盟しており,任天堂やソニーもそのメンバーである
移動しても途切れず表示遅延が少ない無線LAN技術が実現? Wi-Fi Allianceが2020年に向けた展望を語る


移動しながらでも途切れない無線LANローミングを実現する「Wi-Fi CERTIFIED Vantage」


 Wi-Fi Allianceが取り組んでいる1つめのプログラムは,「Wi-Fi CERTIFIED Vantage」(以下,Wi-Fi Vantage)というものだ。これは単一の技術や規格の名称ではなく,将来および既存の無線LAN技術や規格を組み合わせて,今よりも利便性の高い無線LANをするための認定プログラムだという。

 Wi-Fi Vantageの目標は「最高の接続状態を常に維持すること」で,具体的には,

  1. 混雑する無線LAN環境でも,質の高い通信を実現する
  2. 移動しながらでも通信の中断を最小限に留める

ことがターゲットとなっている。
 1.では,無線LANネットワークや,それに接続するユーザーが大勢いるような状況でも,最適な接続を自動的に選び出して,ユーザーからは透過的にそれらを選択する仕組みの構築を目指すとのことだ。

 鉄道の駅やイベント会場といった,混雑する環境で無線LANをつなげようとしても,うまくつながらなかったり,つながっても通信速度が遅かったりということを経験したことのある人は多いだろう。Wi-Fi Vantage対応の端末やサービスでは,そうした問題点を解消すべく,自動で最適なアクセスポイントや周波数帯域を選択して,それらに自動で接続する仕組みを実現できるようになるそうだ。

Wi-Fi Vantageが目指すもの。重要なのは「最適化されたコネクティビティ」「常に最高の接続状態」といったポイントだ
移動しても途切れず表示遅延が少ない無線LAN技術が実現? Wi-Fi Allianceが2020年に向けた展望を語る

 2.のほうは,たとえば電車で移動して駅で降り,改札を出て別の建物に移動するといったように,接続するアクセスポイントが随時切り替わるような環境でも,通信の中断を最小限に留めるというもの。Robinson氏は,ボイスチャットを例に挙げて,「移動しながらアクセスポイントが次々と切り替わっても,音声を中断させないといったことが可能になる」と述べていた。

 Wi-Fi Vantageは,基本的にIEEE 802.11acや自動接続規格「Passpoint」といった既存の技術を利用するプログラムである。すでにLG Electronicsや富士通コネクテッドテクノロジーズは,対応スマートフォンをリリースしているなど,実現するための要素は整いつつある状況だ。遠くない将来には,携帯電話系ネットワークのデータ通信残量を気にすることなく,無線LAN接続を使いながら移動中でもオンラインゲームをプレイし続けることができるようになるかもしれない。


スマートフォンの画面を無線LANでテレビに飛ばす「Miracast」がより使いやすく


 Robinson氏が取り上げた2つめのプログラムは,「Wi-Fi CERTIFIED Miracast」(以下,新しいMiracast)というものだ。
 簡単に説明しておくと,Miracastはすでに存在するワイヤレスディスプレイ技術で,この規格に対応するPCやスマートフォン,タブレットの映像と音声を,同じく対応するレシーバーやレシーバー機能内蔵のテレビなどにワイヤレスで伝送するというものだ。ものすごく大雑把にいえば,HDMIやDisplayPortといったワイヤードのデジタル伝送技術を,ワイヤレスに置き換えたようなものである。すでに対応製品が多数存在する技術であるので,利用したことのある人もいるだろう。

 Robinson氏によると,新しいMiracastは,既存の規格をアップグレードしたもので,新たに4K解像度コンテンツの伝送に対応したとのこと。また,映像と音声のコーデックに新しい規格を導入することで,伝送速度を向上しただけでなく,ワイヤレス伝送に要する消費電力の低減にも成功したそうだ。

新しいMiracastの特徴を示したスライド
移動しても途切れず表示遅延が少ない無線LAN技術が実現? Wi-Fi Allianceが2020年に向けた展望を語る

 だが,ことゲーム用途に関して言えば,新しいMiracastで表示遅延の低減を実現したというのが注目のポイントになる。

 既存のMiracastは遅延が大きすぎて,ワイヤレス伝送後の映像を見ながらゲームをプレイするというのは非現実的である。そのため,誰かがプレイしている様子を大画面で鑑賞するといった使い方がせいぜいだった。Robinson氏は,「新しいMiracastで,既存の規格と比べてどれくらい表示遅延が短くなるのか」は語らなかった。ただ,表示遅延の低減を果たし,ワイヤレス伝送後の映像を見ながらゲームのプレイも可能なレベルになるのであれば,(タイミングのシビアなリズムゲームは無理としても)スマートフォン用ゲームを大画面テレビに表示しながらプレイするというのが,今まで以上に現実的になるかもしれない。


IEEE 802.11adからIEEE 802.11axへと進化する無線LAN


 Robinson氏による講演では,5G時代の無線LANについても簡単に触れられた。
 5Gでは,10Gbpsを超える通信速度や低遅延の実現,大量のデバイスによる接続の対応など,現在の4G(LTE)をはるかに超える使い方が可能になると言われている。ただ,5Gの時代が来たとしても,無線LANのニーズがなくなることはなく,むしろ,5Gの想定する用途を実現する基盤技術が無線LANであるとRobinson氏は主張する。
 いわく,「5Gで必要としている技術的な要素は,無線LANがすでに実現している」(Robinson氏)とのことだ。

5G時代でも,無線LANの必要性はなくならないと主張するスライド
移動しても途切れず表示遅延が少ない無線LAN技術が実現? Wi-Fi Allianceが2020年に向けた展望を語る

 無線LANの高速化は,今後も進んでいく。現在主流の技術はIEEE 802.11acだが,さらに高速な規格としては(IEEE 802.11acの後継ではなく,より狭い範囲をターゲットとした別の規格として)60GHz帯の電波を使う「IEEE 802.11ad」が登場しており,2017年から対応製品の販売もスタートしている。さらに2020年頃には,現在策定中の規格である「IEEE 802.11ax」に対応した製品が出てくる見込みだとRobinson氏は述べている。

 IEEE 802.11axは,IEEE 802.11acやそれ以前の無線LAN規格と同じ2.4GHz帯や5GHz帯を使う通信技術で,ユーザー数が多い混雑した環境であっても,高い通信速度を維持することに重点を置いている。ここだけ聞くと,Wi-Fi Vantageと関連する,あるいは発展系の技術なのかと思う人もいるかもしれないが,そうではない。Wi-Fi Vantageは,既存の無線LAN規格やアクセスポイントへの接続規格をベースに,最高の接続状態を実現しようというプログラムであり,IEEE 802.11axは,電波の使い方を改善して混雑した環境での速度を向上させる技術である。方向性がまったく異なるわけだ。

 話を戻すと,IEEE 802.11acでは,1ストリームあたり433Mbpsのデータレートを備えていたのに対して,IEEE 802.11axではデータレートが600.4Mbpsまで向上する。理論的には最大9.6Gbpsの通信速度も実現できるそうだ。

 2020年頃のノートPCやスマートフォンでは,IEEE 802.11axを使って,今よりも高速で快適な無線LAN環境が実現しているのではないだろうか。1日でも早く,そうした環境が実現することを期待したい。

Wi-Fi Alliance 日本語公式Webサイト

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