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任天堂の2018年3月期第3四半期決算資料が公開。Nintendo Switchの販売数は累計1300万台を突破
まずはNintendo Switchのビジネスについて。2017年3月に発売されたNintendo Switchにとって初となるホリデーシーズンに備えて,任天堂は生産体制を拡充してきたという。その結果,世界各地でNintendo Switchの普及の勢いがさらに加速し,全世界における累計販売数は12月上旬に1000万台を突破,足下では1300万台を越えているとのこと。
とくに北米市場では,Wiiを上回る過去最速ペースでの立ち上がりで,ヨーロッパ市場や日本市場においても,ホリデーシーズンで販売数を大きく伸ばしている。
ソフトについては,販売本数600万本のタイトルがすでに3つも生まれている。「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザワイルド」が600万本(Wii U版との合算では750万本),「マリオカート8 デラックス」が650万本,「スーパーマリオ オデッセイ」が750万本以上(1月31日の決算短信では907万本とされている)という具合だ。「スプラトゥーン2」も,前作を上回る450万本のセールスを達成し,とくに日本市場においては,本体に対する装着率が約60%と,ハードの販売を牽引した。
こうした自社の有力タイトルを,新ハードの立ち上げ時期に複数用意できたことは,特定のソフトが一定数売れたということ以上に意義があると考えているとのこと。
Nintendo Switchビジネスの今後の展望としては,本体購入者と未購入者,両方へのアプローチが必要と考えているという。
また,Nintendo Switchのオンライン機能を拡充する有料サービス「Nintendo Switch Online」の正式サービス開始時期が2018年9月に決定している。
ニンテンドー3DSについては,販売推移は前年を下回るものの,Nintendo Switch発売後も大きく販売ペースを落とすことなく安定して売れているとのこと。今後は,価格帯や遊び方でNintendo Switchと棲み分けを行い,並行して展開していくという。
スマートデバイス事業については,「任天堂IPに触れる人口の最大化」「収益の柱の1つとして育成」「ゲーム専用機事業との相乗効果」という3つの目的があるという。「スーパーマリオ ラン」(iOS/Android)が任天堂IPに触れる人口の拡大に貢献したように,アプリごとの特徴と狙いは異なっており,複数のアプリを展開して,こうした目標を達成していく方針だ。
なお,スーパーマリオ ランは,2017年10月の決算説明会の時点で累計2億ダウンロードを達成したことが伝えられていたが,その後も引き続きダウンロード数は伸びており,月間アクティブユーザー数も2000万人前後を維持しているとした。
「どうぶつの森 ポケットキャンプ」(iOS/Android)も任天堂IPに触れる人口の拡大に貢献しており,とくに女性ユーザーの割合が高いという。今後は継続的なアップデートや毎週のイベントを通じて,日常的に遊んでもらえるサービスを目指したいとのこと。
「ファイアーエムブレム ヒーローズ」(iOS/Android)は,2017年11月のアップデートで,アクティブユーザー数が拡大。売上も継続的に伸びている。2月2日には配信1周年を迎え,これにちなんだキャンペーンなども展開される予定だ。
最後は任天堂IPの活用について。日常的な生活空間の中でも,任天堂のキャラクターを目にする機会を増やしていくことで,より身近なエンターテインメントとして任天堂が創り出すゲームの世界観を感じられるようにしていくという。
2017年の事例としては,ユニクロと実施したTシャツデザインコンペで,任天堂キャラクターデザインのTシャツが全世界で販売されたり,マリオがパッケージに採用されたケロッグのシリアルが北米で販売されたりといったものが紹介された。
任天堂IP活用の新たな取り組みとして紹介されたのが,「怪盗グルーの月泥棒」「ミニオンズ」などを手掛けたイルミネーションと展開する,「スーパーマリオ」を扱ったアニメ映画の企画だ。イルミネーションの創業者・代表であるChris Meledandri氏,そして任天堂のの代表取締役フェローである宮本 茂氏が共同プロデューサーを担当し,任天堂とUniversal Picturesが共同出資したうえで,Universal Picturesが配給するとのこと。映画の公開時期などは,映像が用意できた段階で改めてアナウンスされる予定だ。
平成30年3月期第3四半期累計期間の連結業績及び通期の連結業績予想の説明(PDFファイル)
プレゼンテーション資料(PDFファイル)
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