お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
Google,ディープラーニングにより“自ら学ぶ”囲碁プログラムでプロ棋士に初めて勝利。3月には“世界最強”と目されるイ・セドル氏との対局へ
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2016/01/28 14:57

ニュース

Google,ディープラーニングにより“自ら学ぶ”囲碁プログラムでプロ棋士に初めて勝利。3月には“世界最強”と目されるイ・セドル氏との対局へ

 Googleの研究グループが開発した,ディープラーニングにより“自ら学ぶ”コンピュータシステム「AlphaGo (アルファ碁)」が,2015年10月に非公開で行われた囲碁の対局にて,なんとプロ棋士を5対0で破ったという。こう書くとあっさりとしてしまうが,実はコンピュータプログラムが囲碁のプロ棋士に勝利したのはこれが初めて。これはすごいことだ。


 プレイヤーが考えうる囲碁の打ち手は,将棋やチェスに比べて桁違いに多く,チェスと比較するとグーゴル倍(10の100乗倍)にもなるという。「将棋電王戦 HUMAN VS COMPUTER」などでコンピュータ将棋に興味を持った人なら直感的に分かると思うが,この圧倒的な検討パターンの多さにより,可能性のあるすべての手をコンピュータプログラムが“総当たり”で検討する方式では,どうしても限界があるわけだ。

 しかしアルファ碁は,従来からあるモンテカルロ木探索(※1)ディープニューラルネットワーク(※2)を組み合わせたシステムを採用し,この問題を突破した。具体的には,囲碁の達人達による3000万を超す打ち手を用いたトレーニング,そしてアルファ碁自らのニューラルネットワーク間での対局によって,アルファ碁自身が新たな戦略を学びとり,強くなっていくというアプローチがとられたわけだ。

※1 筆者自身が詳しくないため詳細は省くが,大雑把にいうと“コンピュータ囲碁において非常に有用”とされるアルゴリズム
※2 こちらも同様に詳細は省くが,多層化されたニューラルネットワークのことで,これを利用した機械学習のことをディープラニーングと呼ぶ


画像集 No.003のサムネイル画像 / Google,ディープラーニングにより“自ら学ぶ”囲碁プログラムでプロ棋士に初めて勝利。3月には“世界最強”と目されるイ・セドル氏との対局へ

画像集 No.004のサムネイル画像 / Google,ディープラーニングにより“自ら学ぶ”囲碁プログラムでプロ棋士に初めて勝利。3月には“世界最強”と目されるイ・セドル氏との対局へ
樊麾(ファン フイ)氏
 その後アルファ碁は,ほかのコンピュータ囲碁プログラムとのトーナメント形式での対局にて500戦499勝という成績を残し,前述のとおり,2015年10月に非公開で行われた囲碁の対局にて,過去3回ヨーロッパチャンピオンに輝いた中国のプロ棋士の樊麾(ファン フイ)氏(二段)に勝利した。次回は,国際棋戦で10数回の優勝経験を持ち,“世界最強”と目される韓国の李 世乭(イ・セドル)氏(九段)と,ソウルで3月に対局する予定となっており,その結果が注目されている。

画像集 No.005のサムネイル画像 / Google,ディープラーニングにより“自ら学ぶ”囲碁プログラムでプロ棋士に初めて勝利。3月には“世界最強”と目されるイ・セドル氏との対局へ
李 世乭(イ・セドル)氏

 今回の成果としてGoogleが強調するのは,アルファ碁が,特定の問題を解決するためのアルゴリズムだけでなく,「普遍的な機械学習技術によって囲碁を自らマスターした」という点である。ディープニューラルネットワークによる機械学習技術には汎用性があり,将来的には,気候モデリングや,複雑な疾病分析に応用できるかもしれないというわけだ。

 いずれは,こういった技術の恩恵を強く受けたゲームも登場することだろう(最後にとってつけたようで恐縮だが)。未来的な技術に関心の高いゲーマーは,3月に行われる頂上決戦も含め,技術の動向に注目しておくといろんな未来が見えてきて楽しめるかもしれない。

Google Japan Blogのエントリ「AlphaGo: マシンラーニングで囲碁を 」

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:04月23日〜04月24日