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「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた
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印刷2017/04/19 00:00

イベント

「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた

 ノイジークロークが2017年5月6日に東京都・大田区民ホール・アプリコで開催するゲーム音楽イベント「TOKYO GAMETAKT 2017」(以下,ゲームタクト)。「参加型ゲーム音楽フェスティバル」というコンセプトを掲げたこの催しは,コンサートだけでなく,講演やゲーム作曲家が参加するアフターパーティーが行われるなど,ユニークな内容となっている。
 そんなゲームタクトの出演者が集った懇親会にお邪魔して意気込みを聞いてきたので,その模様をお届けしよう。


「ゲーム音楽の素晴らしさを伝え,コンサートへの固定概念を崩したい」


 まずはゲームタクトのコンセプトについて,音楽監督の坂本英城氏(代表作:「討鬼伝」シリーズ,アニメ/3DS版「モンスターストライク」)と総合ディレクターの後藤正樹氏(琉球フィルハーモニック チェンバーオーケストラ“イオ”指揮者,那覇ジュニアオーケストラ指揮者,アレグレット交響楽団常任指揮者)に聞いた。

「TOKYO GAMETAKT 2017」音楽監督の坂本英城氏(左)と,総合ディレクターの後藤正樹氏(右)
画像集 No.001のサムネイル画像 / 「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた 画像集 No.002のサムネイル画像 / 「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた

――よろしくお願いします。まずはゲームタクトのコンセプトについて聞かせてください。

坂本英城氏(以下,坂本氏):
 ゲームタクトのコンセプトは「ゲーム音楽を文化として後世に残したい」というものです。売上の事情でサウンドトラックが出なかったり,サービスが終了すると聴く手段がなくなったりと,さまざまな事情でゲーム音楽が闇に葬られている現状を何とかしたいと考えました。
 ほかのゲーム音楽コンサートと一番違うところは,作曲家が指揮や演奏,コーラスをするなど「作り手側が積極的に関わっている」というところです。音の出し方や強さなど,作曲家の頭の中にしかない細かいニュアンスを反映した「本物の音楽」を演奏できるわけです。
 例えば,クラシックの作曲家は既に亡くなっているので,遺された譜面から解釈・想像するしかありませんが,ゲーム音楽の作曲家は生きていますから,音楽が最終的に出力されるところまで責任を持てます。

後藤正樹氏(以下,後藤氏):
 ゲームは自分でプレイするものですから,聴く人が演奏に入り込めます。そんな音楽はほかにないですね。
 僕のような指揮者にとって,作曲家は神様のような存在です。作曲家が存命のゲーム音楽では,そんな神様とやりとりしながら曲を作れるのが嬉しいですね。

坂本氏:
 ゲームタクトのもう一つの目的は「ゲーム音楽を,もっと一般に開かれたものにしたい」というところにあります。そのためにスマートフォンゲームの楽曲を取りいれたり,作曲家が講演を行うなどの取り組みをしています。

後藤氏:
 演奏されているゲームを知らなくても楽しめるような場にしたいですよね。

坂本氏:
 ゲームタクトは今後も継続的に開催したいと考えています。ゲーム音楽の素晴らしさを知っていただけるよう,メーカーの枠にとらわれず,また,単純な人気の高さによらない選曲をしていきたいです。

――選曲にあたっては,参加される作曲家の意向が反映されているのでしょうか。

坂本氏:
 はい。今回はそういった曲が多いですね。

――では,今後の抱負をお願いします。

坂本氏:
 ゲーム音楽の良さを伝えるのにオーケストラコンサートという形式にこだわる必要はないと考えています。作曲家自身が曲について語るような機会を設けたり,お子さんが一緒に演奏するような,参加型の取り組みを通して間口を広げていきたいですね。老若男女を問わず,ゲームに興味のある人が行きやすいイベントにしたいです。

後藤氏:
 コンサートへの固定概念を崩し,いろいろな試みをしていきます。


それぞれの思いを込めて歌う,3人のシンガーたち

 続いて,ゲームタクトを彩るシンガーの3人,エミ・エヴァンスさん(「ニーア レプリカント/ゲシュタルト」「NieR:Automata」「消滅都市」などに参加),SAK.さん(「消滅都市2」「湾岸ミッドナイト マキシマムチューン 5DX PLUS」などに参加),霜月はるかさん(代表作:「アルトネリコ」「サージュ・コンチェルト」)に意気込みを聞いた。

左から,霜月はるかさん,SAK.さん,エミ・エヴァンスさん
画像集 No.003のサムネイル画像 / 「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた

――皆さんが歌われる曲と,ゲームタクトへの意気込みをお願いします。

エミ・エヴァンスさん(以下,エヴァンスさん):
 「消滅都市」の「世界の終わりと最後の言葉」を歌います。私が日本語で歌うのはあまりないことなので,オファーをいただいたときは,自分でいいのかと思いました。
 メロディが美しく,実際に歌ってみるととても気持ち良い曲なんです。ゲームタクトではフルオーケストラで歌えるということで,興奮しています。

SAK.さん:
 「エースコンバット04 シャッタードスカイ」の「Blue Skies」を歌わせていただきます。光栄なことに,作曲された大久保 博さんからご指名をいただきました。今年はシリーズ最新作の「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン」が発売されるスペシャルイヤーなので,そんな大事なときに歌わせていただくことも光栄に感じています。

霜月はるかさん(以下,霜月さん):
 私がサウンドをプロデュース・作曲した「猛獣たちとお姫様」の楽曲をメドレーにし,自分で指揮して歌います。ゲームタクトはスタッフの皆が熱意を持って作り上げていくイベントなので,そうしたポジティブなパワーを感じながら頑張っていきたいです。

――実際にオーケストラと合わせてみて,いかがでしたか。

エヴァンスさん:
 オーケストラの方々と最初に合わせたのは2月だったんです。練習の前に外で撮影して身体が冷えていたんですが,いざ室内に入ると,オーケストラの方々の熱気と相まって温泉のように心地良かったのを覚えています。普段も口ずさんでしまう位にリラックスできる曲なので,あまり緊張せずに歌うといいのかもしれませんね。

SAK.さん:
 普段はバンドやDJスタイルが多くて,オーケストラをバックに歌うのは初めてです。「Blue Skies」はオーケストラならではの重厚なアレンジになっていて,普段とは音の感じ方も違うので,試行錯誤しています。大久保さんに納得していただけるように頑張ります。

霜月さん:
 指揮をするのは人生で初めてのことなので,日々勉強ですね。とても貴重な体験です。奏者の方々も熱意があるので,練習も楽しいです。


20年越しの夢が叶った「LUNAR2」メドレーなど,さまざまな曲が演奏される大ホール


 大ホールで指揮や演奏を行う,岩垂徳行氏(代表作:「グランディア」シリーズ),大久保 博氏(代表作:「リッジレーサー」シリーズ),川越康弘氏(代表作:「ポケモン不思議のダンジョン 〜マグナゲートと∞迷宮〜」),桑原理一郎氏(代表作:「モンスターストライク」),谷岡久美氏(代表作:「ファイナルファンタジーXI」),なるけみちこ氏(代表作:「ワイルドアームズ」シリーズ)にも話をうかがった。

左から川越康弘氏,大久保 博氏,桑原理一郎氏,谷岡久美氏,なるけみちこ氏,岩垂徳行氏
画像集 No.004のサムネイル画像 / 「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた

――ご自身が参加される曲についてお話を聞かせてください。

岩垂徳行氏:
 「LUNAR2 ETERNAL BLUE」の「LUNAR2 ETERNAL BLUEメドレー」と,「逆転裁判6」の法廷で使われる曲をメドレーにした「法廷組曲 逆転裁判6」の指揮をします。
 「LUNAR2」に関しては,ゲームを作っていた頃から,スタッフの間でオーケストラコンサートをやりたいという声があって,それが20年越しで叶いました。
 メドレーはシナリオの重馬 敬さんと打ち合わせをし,ゲームの流れに沿って沢山の曲を入れる構成にしました。

大久保 博氏:
 自分が作った「Blue Skies」の演奏に参加します。これまではエレクトリックな曲を作ることが多く,生演奏を考慮していなかったんですが,今回はオーケストラ用に素晴らしいアレンジをしていただいたので,演奏が楽しみです。

川越康弘氏:
 打楽器チームの一員として,「消滅都市」の「世界の終わりと最後の言葉」に参加します。

桑原理一郎氏:
 「モンスターストライクシンフォニー 第6楽章〜爆絶〜 ゲームタクトバージョン」の指揮をします。また,ほかの曲でも第2バイオリンとして演奏します。「爆絶」は難しい言語で歌詞を書いてしまったので,歌われる方を苦労させてしまっていますが,凄くいい感じに仕上げていただたので,嬉しいです。

谷岡久美氏:
 「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」の「約束のうるおい」を指揮します。この曲が生演奏されるのを期待している方が多いのは知っていたんですが,民族音楽の楽器を多用していることもあり,機会がありませんでした。今回はオーケストラにアレンジしていますので,聴いていただければ嬉しいです。

なるけみちこ氏:
 「ワイルドアームズ」シリーズの街で流れる曲をメドレーにした「街曲メドレー」を指揮します。自分でアレンジしてスコアを書き,さらに指揮するのですが,奏者の皆さんにじっくりと時間をかけてスコアを見ていただく機会はめったにありませんし,凄く勉強になりますね。大変ですけれど楽しいです。
 また,「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」の「今あたしがつむぐ日々」を弦楽四重奏にアレンジしました。当日の演奏では,ゲームタクトらしい演出をしたいですね。


レジェンドコンポーザーのトークや「MOTHER」コンサートなど,さまざまな催しが展開


 小ホールでもさまざまな催しが行われる。植松伸夫氏(代表作:「ファイナルファンタジー」シリーズ)の「植松伸夫トークショー(仮)」。そして,慶野由利子氏(代表作:「ディグダグ」)や,Hiro氏(セガ・インタラクティブ所属,代表作:「アウトラン」),国本剛章氏(代表作:「スターソルジャー」)らが苦労話を語る「レジェンドコンポーザーズ」。
 そしてサカモト教授さん(代表作:「勇者と1000の魔王」)らがピアノ四重奏で「MOTHER」シリーズの曲を奏でる「MOTHER スペシャルコンサート performance by サカモト教授」など,実にバラエティ豊かだ。ここでは慶野由利子氏,Hiro氏,国本剛章氏,サカモト教授氏にお話を伺った。

左から国本剛章氏,慶野由利子氏,Hiro氏
画像集 No.005のサムネイル画像 / 「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた

――「レジェンドコンポーザーズ」ではどんなお話をされるんでしょうか。

Hiro氏:
 コアな話をします。昔の濃い話がメインになるんじゃないでしょうか。

国本剛章氏(以下,国本氏):
 昔の話をできる範囲でしたいですね。

慶野由利子氏(以下,慶野氏):
 今の話も端々に出るかもしれませんね。今日も打ち合わせの時点で盛り上がりましたよ。お互いの情報を知れば知るほど,驚きと感動がある(笑)。

Hiro氏:
 打ち合わせでも,カセットテープを使って曲を納品していたという面白いお話が出てきましたね。続きを聞きたいのを抑えて,本番まで我慢しています。

慶野氏:
 私たちにとっての共通言語でお話をするつもりですが……。

Hiro氏:
 時代が離れすぎていて,分からない人も出るかもしれませんね(笑)。

慶野氏:
 大御所の古代祐三さん(代表作:「イース」)もトークショーに参加されますが,メンバーの中では一番若いんです(笑)。

Hiro氏:
 そんな僕らが盛り上がれるトークをしようと思います(笑)。

国本氏:
 Hiro師匠とお会いするのは初めてですが,とても素敵な方だと思いました。古代さんとお会いするのも楽しみで,今からドキドキしています。

――レトロゲームファン必聴のトークになりそうですね。では,サカモト教授のコンサートはどんなものになるのでしょうか。

サカモト教授:
 コンサートではグランドピアノを弾きます。今は編曲中ですね。僕は「チップチューンの人」というイメージで捉えられているところがありますが,実際にはクラシックピアノを10年ほどやっていたり,管弦楽を学んでいたりもします。今までとは違ったサカモト教授をお見せできればと思います。

――演奏する際はやはりファミコンを頭に乗せたいつもの格好なんでしょうか。

サカモト教授:
 そうですね。ゴーグルを着けてしまうのでアイコンタクトができないんですが(笑)。

――トークゲストとして「MOTHER」の音楽を手がけた鈴木慶一氏が来場されるそうですが。

サカモト教授:
 「ほぼ日刊イトイ新聞」の企画でご一緒したご縁で,おそるおそるオファーしたら,快諾していただきました。僕の演奏の後に当時のお話を伺う予定です。ステージは朝10時からですが,こんなに早い時間からライブ演奏をするのは初めてですね(笑)。


血液型談義から,作曲家のお気に入り曲まで,ユニークな講演も目白押し


 会場の展示室では,血液型がAB型の作曲家を集めた「AB型作曲家座談会『AB’s』〜坂本英城の『AB’s』〜」や,作曲家のお気に入り曲にまつわるエピソードを聞く「佐野電磁の『ど〜してこの曲がイイの!?』」といった講演が行われる。
 懇親会に参加していた坂本英城氏上倉紀行氏(代表作:「タクティクスオウガ運命の輪」),加藤浩義氏(代表作:「消滅都市」),佐野電磁氏(代表作:「リッジレーサー」),高田雅史氏(代表作:「ダンガンロンパ」シリーズ)に見どころを聞いた。

左から加藤浩義氏,佐野電磁氏,高田雅史氏,上倉紀行氏
画像集 No.006のサムネイル画像 / 「TOKYO GAMETAKT 2017」ではコンサートからトークショーまで,さまざまな催しが展開。豪華な顔触れの出演者に意気込みを聞いた

――まずは「AB型作曲家座談会」について教えてください。

坂本氏:
 トークに参加される細江慎治さん(代表作:TVアニメ「ノーゲーム・ノーライフ」)がナムコにおられた時代,AB型の作曲家が多かったと言うお話を伺ったのがきっかけです。

上倉紀行氏(以下,上倉氏):
 AB型の作曲家が集まること自体があまりないので,レアな座談会になるでしょうね。

佐野電磁氏(以下,佐野氏):
 AB型の人ってどんな特徴があるんでしょうね。

高田雅史氏(以下,高田氏):
 二面性じゃないですかね。自分を常に客観視して「もう一人の自分」がいるようなところがあります。例えば,曲を作っていても,客観的にリスニングしてどうなのかを考えているとか。

坂本氏:
 今日の打ち合わせで分かったんですが,「AB型は打ち合わせが終わる頃には内容をほとんど覚えていない」んです(笑)。

上倉氏:
 「AB型あるある」的なところをネタ出ししようとしたんですが,共通点が出てこなかったですね。

高田氏:
 打ち合わせではA型とB型の方に同席してもらったんですが,僕たちAB型があるあるネタで盛り上がっていると「いや,それA型とかB型でもありますよ」って。特にAB型だけのあるあるじゃなかった(笑)。

佐野氏:
 こういう人に聞いてほしい,という希望はありますか。

坂本氏:
 AB型以外の人ですね(笑)。AB型の素晴らしさを知ってほしいです(笑)。

──では,座談会への意気込みをお願いします。

坂本氏:
 AB型は,B型,A型,O型の人に勝っている……ということをゲーム音楽を通じて伝えたいです(笑)。

高田氏:
 AB型ならではの楽曲を作れたらいいですね。ほかの血液型の人から吸収していきたい。

上倉氏:
 頑張りたいですね(笑)。AB型は多くを語らないので,意気込みもシンプルに。

――では佐野さんと加藤さんの「佐野電磁の『ど〜してこの曲がイイの!?』」について聞かせてください。

佐野氏:
 その人が好きな曲のリストを見ると,その時の思い出と共に人生が浮かび上がってくる。「プレイリストは人生の棚卸し」であるということです。
 加藤さんらゲストからお気に入りの曲を1つ出してもらい,「なぜこの曲が好きなのか」「この曲を聴いていた当時の思い出」などを伺いたいです。

加藤浩義氏(以下,加藤氏):
 どの曲をピックアップしようか凄く迷いますね。4曲まで絞り込んだんですが,「なぜこの曲が好きなのか」を言語化しようとしてもなかなかできなくて。

佐野氏:
 でしょう? ゆくゆくはオンリーでイベントをやりたいですね。作曲家だけでなく,いろいろな人にお話を聞きたい。その人が現在の職業につくきっかけとか,いろいろなドラマを掘り出してみたいですね。

加藤氏:
 楽しみな反面,ちょっと怖いですね(笑)。

 ゲームタクトの前売り券は2017年4月25日18時までイープラスにて販売中。この記事で興味を持った人は早めに押さえておこう。

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