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歴代RPGの名曲や「UNDERTALE」のBGMがさまざまなアレンジで奏でられた「東京ゲームタクト2018」をレポート
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印刷2018/05/15 12:00

イベント

歴代RPGの名曲や「UNDERTALE」のBGMがさまざまなアレンジで奏でられた「東京ゲームタクト2018」をレポート

画像集 No.001のサムネイル画像 / 歴代RPGの名曲や「UNDERTALE」のBGMがさまざまなアレンジで奏でられた「東京ゲームタクト2018」をレポート
 ノイジークロークは2018年5月4日と5月5日,音楽イベント「東京ゲームタクト2018」を東京都の大田区民ホール・アプリコにおいて開催した。

 2014年にの「沖縄ゲームタクト2014」から始まったゲームタクトは,吹奏楽やオーケストラ,室内楽やアコースティックバンドなど,あらゆる音楽形態でさまざまなゲーム関連の名曲を演奏するというイベント。
 特に目玉となっているのは,全国から公募で集まった有志の演奏家で構成されるゲームタクトオーケストラのステージで,曲によっては著名アーティストが指揮や演奏という形で参加するのも,ファンにとっては嬉しい見どころとなっている。

 今回の東京ゲームタクト2018では,大田区民ホール・アプリコの大・小ホールでさまざまなコンサートが行われたほか,展示室でゲーム音楽CDの即売やトークショーも開かれるなど,バラエティに富んだ内容となっていた。朝から夜までさまざまな催し物が詰め込まれた,いわば“ゲーム音楽の祭典”というわけで,多くの来場者が詰めかけた。
 本稿では初日の「オーケストラで奏でる名作RPGの音楽」「サカモト教授 ピアノ四重奏 スペシャルコンサート」の模様をレポートしよう。

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 「オーケストラで奏でる名作RPGの音楽」は,新旧RPGの印象深い曲をオーケストラ編成で演奏するという趣向だ。

「オーケストラで奏でる名作RPGの音楽」セットリスト(敬称略)

出演者:ゲームタクトオーケストラ
指揮:後藤正樹
MC:溝口謙吾 / 森本未来

●「クロノ・トリガー」より
「予感」
「クロノ・トリガー」

●「クロノ・クロス」より
「CHRONO CROSS 〜時の傷痕〜」

●「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」より
「はてしなき空」
「はじまりの村」
「旅立ち」
「怪物の輪舞」
「命の水」
「年に一度のお祭り」
「笑顔いっぱいの時間」
ゲスト:谷岡久美

●「ペルソナ」シリーズより
「全ての人の魂の詩」

●「WILD ARMS 2nd IGNITION」より
「ワイルドアームズ2メドレー」
「荒野の果てへ」
「WILD ARMS 2nd IGNITION〜どんなときでも,ひとりじゃない〜」
「1st IGNITION」
指揮:なるけみちこ
ゲスト奏者:谷岡久美/中條謙自

●「グランディア」より
「世界の果て」
「うみねこ亭リリィ」
「リーン愛のテーマ」
「グランディアのテーマ」
指揮:岩垂徳行

●「大神」より
「始まり」
「両島原 其の一」
「両島原 其の二」
「シャチ丸のテーマ」
「Reset」〜「ありがとう」バージョン〜
「太陽は昇る」
ゲスト奏者:ファミ箏

●「MOTHER2」より
「平和のテーマ (Because I Love You)」
「オネットのテーマ (Sunrise & Onett Theme)」
「ツーソンのテーマ (Boy Meets Girl (Twoson))」
「スリークのテーマ (Threed, Free at Last)」
「フォーサイドのテーマ (The Metropolis of Fourside)」
ゲスト奏者:サカモト教授

●「ラジアントヒストリア」より
「-HISTORIA-」
ゲスト:下村陽子
ヴォーカル:霜月はるか

●「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」より
「落花流水」
ゲスト:下村陽子
ヴォーカル:霜月はるか

●「ポケットモンスター 赤・緑」より
「〜オープニング〜」
「マサラタウン」
「トキワへの道-マサラより」
「戦い(VSジムリーダー)」
「自転車」
「チャンピオンロード」
「ラストバトル(VSライバル)」
「〜エンディング〜」
ゲスト:増田順一

●「ファイナルファンタジー」シリーズより
「メインテーマ」

アンコール
●「ライブ・ア・ライブ」より
「MEGALOMANIA」

●「MOTHER」より
「エイトメロディーズ」

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 「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」のセクションは,谷岡久美氏がメドレーの選曲をし,さらにソプラニーノリコーダーで演奏に参加した。「WILD ARMS 2nd IGNITION」は,なるけみちこ氏が指揮を務め,同シリーズの楽曲に欠かせない口笛は谷岡氏が,ギターは中條謙自氏が担当。

 「グランディア」では,ゲームの名場面がスクリーンに流れる中,人気投票の上位4曲が,作曲者である岩垂徳行氏自身の指揮で演奏された。

左から谷岡久美氏,なるけみちこ氏,中條謙自氏
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 「大神」メドレーは,和楽器でゲーム音楽を奏でるグループ,ファミ箏が参加,「MOTHER2」はチップチューンで知られるサカモト教授が編曲とピアノを担当した。和洋や時代を問わないバラエティ豊かな音作りに,観客も大喜びだ。

ピアノはサカモト教授が担当
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 ファミ箏の代表者である沖政一志氏が「ゲームミュージックを楽器で演奏するのは難しく,特に和楽器は制約が大きいですが,(うまく演奏できて)自分がゲームをやっている気分になれると爽快です。今日はこれだけ多くのお客さんがいる中で演奏できて,(舞台上から見ると)まさに“絶景”ですね」と,演奏の苦労と喜びを大神のリマスター版のタイトル名に例えると,満場の観客から大きな拍手が起こった。

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左から霜月はるかさん,下村陽子氏
 「ラジアントヒストリア」と「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」のセクションでは,作曲者の下村陽子氏と,ボーカルの霜月はるかさんが登場し,制作秘話を明かした。ともに印象的なフレーズとして挙げていたのは,「落花流水」の「その指先で選ぶ未来は 誰のためだというのでしょう」という一節だ。実はこの歌詞,ゲームの中にいる主人公のことだけでなく,これを操作するプレイヤーの存在も含めて下村氏が考えたものなのだという。

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 ゲームはプレイヤーの操作で変化するインタラクティブなものであり,プレイヤー1人1人が自分で結末を選ぶ……という意味を“指先で選ぶ未来”という表現に込めたのだという。同作はさまざまな時間軸を渡り歩いて歴史を正しく導いていくという特異なシステムを持つが,こうした点が歌詞にも反映されているというわけだ。
 霜月さんは,こうした意味合いを下村氏から直接教えられたことで,この一節が心に残っていると語った。

増田順一氏
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 霜月さんが「-HISTORIA-」と「落花流水」を歌い上げた後は,「ポケットモンスター 赤・緑」のセクションがスタート。同作のサウンドを手がけた増田順一氏がゲストとして招かれた。

 同作はゲームボーイ用ソフトとして開発されたが,音源はパルス波2チャンネル+波形メモリ音源1チャンネル+ノイズ1チャンネルと少なく,音色も選べないという制限が多い中での開発だったと増田氏は語る。そんな中で氏がこだわったのは音量で,単に一本調子の音を鳴らし続けるのではなく,一連の音の中で音量を変化させていくことによって音に表情を加えたのだという。この職人芸には,来場者たちも感心することしきりだった。

 RPGの音楽を特集するコンサートにふさわしい締めくくりとして「ファイナルファンタジー」の「メインテーマ」,そしてアンコールとして「ライブ・ア・ライブ」の「MEGALOMANIA」と,「MOTHER」の「エイトメロディーズ」が演奏され,万雷の拍手の中でコンサートは幕を閉じた。

会場には寄せ書き用の旗が用意され,来場者たちが思い思いに書き込んでいた
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展示室では,ゲーム音楽CDの販売やトークショーなどが行われた
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ゲーム音楽CDの販売コーナーも盛況
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コンサートの合間に飴が無料配布されるなど,会場はカジュアルな雰囲気
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スリックが開発した「ベルナール」。鈴木楽器の「ベルハーモニー」に自動演奏システムを組み込んだもので,展示室では15分ごとに異なるゲーム音楽を演奏していた
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「KORG Gadget for Nintendo Switch」を実演展示したDETUNEブース。音楽制作ソフトなのだが,最大4人が同時に曲を編集可能で,協力するだけでなく,相手の譜面を消してしまうパーティーゲーム的な遊び方もできる。来場者たちも手に手にJoy-Conを握って作曲体験を楽しんでいた
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 「サカモト教授 ピアノ四重奏 スペシャルコンサート」は,サカモト教授のピアノと,青柳 萌氏のバイオリン,松宮茉希氏のヴィオラ,神野洋平氏のチェロという4人編成で行われた。

「サカモト教授 ピアノ四重奏 スペシャルコンサート」セットリスト(敬称略)
出演者:サカモト教授 / 青柳 萌 / 松宮茉希 / 神野洋平

●「ICO」より
「You were there」

●「NiGHTS」より
「Dreams Dreams」

●「MOTHER」より
「SNOW MAN」
「WISDOM OF THE WORLD」
「POLLYANNA (I BELIEVE IN YOU)」

●「UNDERTALE」より
「むかしむかし…」
「心の痛み」
「雪景色」
「Bonetrousle」
「正義の槍」
「コア」
「華麗なる死闘」
「アズゴア」
「フィナーレ」
「夢と希望」
「SAVE the World」
「MEGALOVANIA」
「UNDERTALE」

 サカモト教授は1曲めの「You were there」の演奏を終えた後,「普段はコンピュータ上で作曲をしているのですが,今回のゲームタクトでは半年ほど前から練習に参加できて勉強になりました。この曲は僕も好きな曲の1つで,今回の編成ではボーカルが入らない代わりに,バイオリンに“歌ってもらう”ような構成としました」とアレンジについて語った。
 また,音楽とドラマ性に定評がある「UNDERTALE」の楽曲では,来場者も演奏を聴きつつ,ゲームの名シーンに思いを馳せているようだった。

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 ゲーム音楽のコンサートというと,1つのタイトルやシリーズに絞ったセットリストになるのが一般的だが,東京ゲームタクトにはいい意味で“ごった煮”的な魅力がある。自分の知らないゲームの音楽に触れるいい機会になると思うので,興味を持った人はぜひ次回開催時に足を運んでみてほしい。

東京ゲームタクト公式サイト

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