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プラチナゲームズ 稲葉敦志氏と神谷英樹氏がゲーム作りへの思いを語る。BitSummit Vol.6で行われたトークイベントをレポート
プラチナゲームズと言えば,アクションゲームの開発に定評のあるデベロッパだが,「完璧だと思うアクションゲームとは何か」というテーマでは両氏の回答が見事に分かれた。
完璧かどうかは分からないと前置きをしつつ,神谷氏が挙げたのはファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト「悪魔城ドラキュラ」。当時,ポップなドット絵が多いなか,フォトリアルなグラフィックスを目指しているところに感銘を受けたという。
一方,稲葉氏は「完璧なものを味わってしまったら,プレイするのも作るのも終わってしまうのではないか」としつつ,「自分でプレイするときも作るときも,完璧なゲームを求めるのではなく,面白い,新しいといった感覚を重視する」と語った。
では,こうしたコンボシステムを作るコツはどこにあるのだろうか。プラチナゲームズのクリエイターは日夜,コンボについて考えているようなイメージを持っていたが,意外なことに「すごいコンボのあるゲームを作ろう」というコンセプトで企画を進めることはないという。「自分がキャラクターになり切り,カッコ良さを味わえるようにゲームを作っていくと,自然とそうなっていく」(神谷氏)とのこと。コンボシステムは“目的”ではなく,キャラクターのカッコ良さや強さを表現する“手段”であるというわけだ。
終盤,稲葉氏は「プラチナゲームズではいろいろなアイデアを生み出しており,プロジェクトに付ける通し番号も何十番という数になっています。コンボ主体とか,アクションゲームでなければいけない,ということを考えていたのでは,ここまで増えるわけはありません。また,作りかけては止めるということも繰り返しています」と同社の創作への姿勢を語った。そして,会場に詰めかけたクリエイターに対し,「皆さんも新しいアイデアを出すことを恐れず,とにかく作っていってほしい」と檄を飛ばした。
なお,稲葉氏によると「アクションゲームの概念が変わるんじゃないか」というプロジェクトが進行中とのこと。今後の発表に注目したい。
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