オススメ機能
Twitter
お気に入り
記事履歴
ランキング
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2018/08/23 11:00

インタビュー

セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた

 京都の若林が展開する和装ブランド「SOU・SOU」で,セガゲームスの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」とコラボした地下足袋が本日(2018年8月23日)発売された(関連記事)。
 このコラボ足袋は,セガゲームスと立命館大学映像学部の産学連携プロジェクトによって生まれたもので,セガゲームス協力のもと,学生が企画を提案し,プロモーションを行ったのだという。

(左)高砂足袋 いろは底 SONIC×SOU・SOU 8000円+税,(右)足袋下(普通丈) SONIC×SOU・SOU 550円+税
セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた

 今回4Gamerは,京都の立命館大学衣笠キャンパスにうかがい,インタビューを実施。プロジェクトの立ち上げから関わっている立命館大学映像学部教授の中村彰憲氏と,セガゲームス 国内アジア事業部副事業部長の宮崎浩幸氏,そしてコラボ足袋をデザインし,販売する若林代表取締役の若林剛之氏に詳しい話を聞いた。

ソニックチャンネル

立命館大学映像学部 公式サイト

SOU・SOU 公式サイト


左から,立命館大学映像学部教授 中村彰憲氏,若林代表取締役 若林剛之氏,セガゲームス 国内アジア事業部副事業部長 宮崎浩幸氏

 また,今回のインタビューは,ソニックとのコラボ足袋の企画立案をしたグループメンバーの1人である西口 司さん,そして本プロジェクトのプロモーションに携わった8名の学生にも参加してもらった。

プロジェクトに携わった学生の皆さん
上段左から,中村広大さん,吉村将哉さん,関島匠海さん,長尾亮虎さん,西口 司さん
下段左から,長谷川涼香さん,北野瑛利子さん,河合麻佑さん,谷 姫莉さん
セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた

4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。まず,本プロジェクトの始まりとここに至るまでの経緯をお聞かせください。

中村彰憲氏(以下,中村氏):
 このプロジェクトは,2017年の9月末に始まった映像学部の「プロデュース実習II」という授業の一環として始まったものです。
 最初は「ソニックまたはぷよぷよを使って京都を盛り上げる」というテーマのもと,地元の企業や特産品とコラボさせるアイデアを,学生からコンペ形式で出してもらい,最終選考で選ばれたのが,今回の企画でした。
 その後,セガさんに企画を社内に持ち帰って実現するかを判断していただき,GOサインが出た後に,2018年4月から新しく「企業連携プログラム」が立ち上がり,企画を引き継ぐ形でプロモーションを展開し,7月の発表に至りました。

4Gamer:
 コンペのお題はソニックとぷよぷよということでしたが,この2つにされたのは何か理由があったのでしょうか。

セガゲームス 宮崎浩幸氏(以下,宮崎氏):
 弊社のIPはほかにも「ファンタシースターオンライン2」や「龍が如く」などいろいろありますが,前提としてあったのは,「学生がアイデアを出しやすいIPは何か」ということでした。
 ソニックとぷよぷよは,過去にもいろいろなコラボ実績がありますし,学生にも取り扱いやすい題材だと思い,今回お題として出させていただきました。

4Gamer:
 見事コンペで最終案として選ばれたソニックとのコラボ足袋ですが,選出の決め手となったのはどこでしたか。

宮崎氏:
 まず地に足がついていて,現実に仕上げられる企画だなと思ったことです。コンペで発表されたアイデアの中には「これ本当に実現できるのかな」という企画も正直あったんです。
 あと,「現実に仕上がったときに面白いのか」というのもポイントでした。京都とキャラクターのコラボを考えると,やはり「神社・仏閣」「京菓子」といったように発想が似てくるんですよね。

4Gamer:
 確かに京都と言われるとそちらの方向に行ってしまいそうです。

宮崎氏:
 そういう中でSOU・SOUさんとのコラボ足袋というのは,とても面白いなと思ったんです。ソニックは走るキャラクターで,親和性も高いですし。

4Gamer:
 ソニックとSOU・SOUさんのコラボ足袋という発想はどこから生まれたのでしょうか。

西口 司さん(以下,西口さん):
 私たちは,京都という場所が,他の都道府県に比べて「和」の文化が根付いているというのをポイントにしてアイデアを探していきました。
 そこで,グループの人たちが持っていた案の1つである「地下足袋」がいいのではないかということになり,京都を中心として地下足袋を販売している会社を調べ,SOU・SOUさんに行き当たったという形です。

4Gamer:
 コンペでアイデアを発表するときにはもうSOU・SOUさんとコラボすると,企画では決めておられたわけですか。

西口さん:
 はい。企画の段階ではまだSOU・SOUさんにオファーもしておらず,快諾いただけるかも分かりませんでした。
 ただ,ホームページを見た瞬間に,SOU・SOUさんなら僕たちが思い描いている商品を形にしていただけると思い,決め打ちで提案しました。

宮崎氏:
 「絶対オファー取れますよ!」って自信満々でしたよ彼(笑)。

西口さん:
 発表のときはかなり強気だったかもしれません(笑)。

4Gamer:
 若林さんはコラボ足袋のお話を聞いたときどう思われましたか。

若林剛之氏(以下,若林氏):
 今回のコラボ企画は,最初にセガの方が来られて経緯の説明と,しっかりした打ち合わせをしていただけたので,単なる思いつきではなく,実現に向けてしっかり動いているんだなと思い,お受けしました。

4Gamer:
 コラボ足袋はSOU・SOUさんがデザインしたのでしょうか。もしくはある程度草案が決まっていた形で引き受けたのでしょうか。

若林氏:
 ソニックの素材だけいただいて,あとはこちらですべてデザインしました。

4Gamer:
 地下足袋というと,一般的に大工の棟梁や職人が履いているイメージがあります。一方SOU・SOUさんが展開しておられる足袋はデザイン性が高く,オシャレなアイテムとして展開されているように思います。
 今,地下足袋というのはどういった方をターゲットに展開しているアイテムなのでしょうか。

若林氏:
 弊社が展開している地下足袋はファッションアイテムとして展開していて,私たちはオシャレ履きを提案しています。例えば,バスケットボールシューズやテニスシューズは,競技目的だけではなく,オシャレ目的で履く人も多くいらっしゃいます。
 現在,棟梁や職人の方は鉄板の入った安全靴を履いている人が多く,地下足袋を履かれる機会というのは,お祭りのときがほとんどなんです。

4Gamer:
 なるほど。

若林氏:
 ただ,地下足袋というのは日本特有の履物ですし,機能性とデザイン性も高いので,後世に伝えていきたいと思っていました。そこで,「これをオシャレな履物にしたらどうだろう」と思い立ち,かれこれ15年ぐらい商品を展開し続けています。
 今回のコラボでは,地下足袋とソニックというキャラクターが合わさることで,今まで興味のなかった方にも反応してもらえるかもしれませんし,そうなれば嬉しいですね。

4Gamer:
 反響はいかがですか。

若林氏:
 今の段階で予約の初回生産分は8割売れていて,反響はかなり大きいですね。
 8月23日からは一般販売も予定していますので,ぜひお買い求めいただければと思います。

ソニックをイメージした赤と青のコントラストがまぶしいコラボ足袋。ソールにはSOU・SOUオリジナルの“いろは底”が使用されている
セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた


セガと学生が密に連携を取り実現したコラボ足袋


4Gamer:
 先ほど,企画にGOサインが出た後に,2018年4月から「企業連携プログラム」としてプロモーションが始まったとお聞きしましたが,そこからはどのように企画を進めていったのでしょうか。

中村氏:
 商品化するにあたり,次に彼らへ与えられた課題は「ソニックのコラボ足袋を盛り上げるためのプロモーションを立案し,それに合わせて予算を組み立てる」というものでした。

4Gamer:
 予算までですか!

中村氏:
 はい。このプロモーションにいくらかかるか,どれぐらいの宣伝効果があるかをしっかりと想定して挑んでもらいました。その企画をコンペ形式でセガさんに見てもらい,最終案としてSNS班とPV班に分かれて宣伝を行うことになりました。

4Gamer:
 西口さん以外の学生の方は,「プロデュース演習II」の企画立案から携わっているわけではなく,「企業連携プログラム」のプロモーションから関わり始めているとお聞きしていますが,受講前にプロジェクトの内容は明かされていたのでしょうか。

長尾亮虎さん(以下,長尾さん):
 セガさんと何かをすることは聞いていましたが,プロジェクトの内容は,まったく聞いていませんでした。

4Gamer:
 受講前はどういったプロジェクトだと思っていましたか。

長尾さん:
 セガさんといえばゲームのイメージが強いので,ゲームタイトルのグッズなどをプロデュースするプロジェクトなのかなと思っていました。
 自分が所属しているゼミがゲームを作っているのもあって,セガ=ビデオゲーム関連の何かという先入観があり,まさか自分たちがプロデュースするものが,地下足袋だとは思っていませんでした。

中村氏:
 NDA(秘密保持契約)があり,そのときはまだ話せなかったんです。授業が始まってプロジェクトの全容を知ってからも,7月12日の発表までは外部に情報を漏らさないようにと彼らには伝えていますし,NDAにサインもしてもらっています。

4Gamer:
 なるほど。かなり実践的なものなんですね。
 学生の皆さんは,そんな今回のプロジェクトで特に大変だったことは何でしたか。

関島匠海さん(以下,関島さん):
 私は渉外担当として,セガさんやSOU・SOUさんといった外部の方とやり取りをしていたのですが,最初は相手に対する配慮が足りていなかったですし,その点が大変だったなと今振り返ると思います。

4Gamer:
 と言いますと。

関島さん:
 例えば,今回PVを撮影するにあたって,SOU・SOUさんにお邪魔することがありました。そのときに本来は,訪問時間や人数はもちろん,先方に準備していただく機材などを事前にお伝えしておく必要があります。
 ただ,私はそういったことに意識が向いておらず,先方に共有する情報も不十分でした。そのときセガさんの担当者の方から「こういったことを事前に伝えておかないと駄目だよ」ということを指摘され,「相手に配慮し,今伝えるべき情報は何なのか」を意識するようになりました。

4Gamer:
 なるほど。
 ほかの方はいかがですか。

河合麻佑さん:
 私はPVの撮影と編集を担当したのですが,とにかくキャストのスケジュールを調整するのが大変でした。PVには,立命館大学の2017年度ミスキャンパスの方を起用したのですが,ご多忙でスケジュールにほぼ空きがない状態でした。
 また,映像制作サークルGREENSにも撮影協力をお願いしていたので,その人たちとの日程調整も行わなければならず,苦労しました。

北野瑛利子さん(以下,北野さん):
 結局空いているのが7月4日と8日だけしかなく,そこで撮影を行い,すぐに編集を行うというタイトなスケジュールで進めることになりました。

4Gamer:
 コラボ足袋の発表があったのが7月12日なので,相当厳しい日程で進められていたんですね。

北野さん:
 はい。セガさんやSOU・SOUさんに映像チェックをしていただく必要もあったので,撮った次の日の昼には編集を終えなければいけない状況でした。

宮崎氏:
 傍から見ていたんですが,よくあのスケジュールで収めたなと思いましたよ(笑)。



※2018年8月23日17:00ごろ,ロングバージョンを追加しました

4Gamer:
 SNS担当の方はいかがでしたか。

中村広大さん:
 私たちはTwitterで,「京都を旅するソニック」と題し,ソニックのぬいぐるみが京都の観光名所を旅するという企画を6月17日から7月31日まで行っていました。
 SNS班は,とにかく企画段階で考えることが多く,京都を旅するソニックも,バックグラウンドをしっかりと考えて「どういうストーリーに沿ってツイートしていくのか」を詰めていきました。そのほかにもSOU・SOUさんの店舗でSNSパネルの展示を行うなど,複数の企画を考えながら進めていくのが大変でした。


4Gamer:
 中村教授や宮崎さんから見て,学生の皆さんの姿はどのように映りましたか。

中村氏:
 最初の段階では,彼らが立てるスケジュールというのは正直かなり甘いもので,そこにセガさんが入って「そのままだと実現できないよ」ということを直接伝えていただくことで,うまくプロジェクトが進んでいきました。実際の社会で企画を詰めていく流れを,しっかりと学生たちは学んで進めていたなと思います。

宮崎氏:
 今回の企画は,学生の皆さんにやり切ってもらうということが大切だと思っていましたので,「予算やスケジュールの見積もりを間違ったから企画がとん挫してしまった」というような挫折はしてほしくなかったんです。
 なので,現場で経験のある人間が「プロジェクトのためにはこれが必要だ」「ここは無理だからやめておこう」という具体的な実現に向けたアドバイスをさせていただいたつもりです。結果として,プロジェクトをやり切れたというのは見事だなと思いました。
 学生の皆さんには,社会では自分の任された仕事をやり切らないとプロジェクトが進まないんだよということを学んでいただけたと思いますし,やり切った結果としてゴールにたどり着いたというのはいい経験だったのではないかと。

プロモーションの撮影を行う学生たち(出典:立命館大学映像学部 EIZOVOICE 2018年6月25日掲載記事より)
セガと立命館大学の産学連携により生まれた「ソニック」のコラボ足袋。プロジェクト発足のきっかけや歩みをキーマンと学生に聞いた

4Gamer:
 いろいろなハードルをクリアされたことと思います。

宮崎氏:
 昨今YouTubeや,SNSで誰でも情報を発信できる時代になっていますが,それが企業広告だったり,自分1人ではない誰かと一緒に何かを作ったりするとなると途端にハードルが上がりますよね。
 動画のクオリティも意識しなければいけませんし,IPものなので制約もある。また,実際に商品として売るわけですからそこも考えなくてはいけません。学生の皆さんには,こういったプロモーションが,個人で行う情報発信と何が違うのかということを学び取っていただけたのではないかなと思います。

中村氏:
 中には,プロジェクトの企画を出しても,経営会議で却下されて実現しない場合もあるんです。今回はセガさん,SOU・SOUさん共に大変ご助力いただけたので,実現に至りましたし,学生たちも責任を持って取り組んでくれました。
 こういった取り組みが,来年,再来年の産学連携にもつながっていくといいなと思っています。

4Gamer:
 セガと立命館大学の次なるプロジェクトはあり得るのでしょうか。

中村氏:
 もちろん,セガさんが「ぜひ!」ということでしたらやりたいですが,今回のプロジェクトで相当ご苦労をおかけしたので,しばらくは休憩していただく必要があるかなと思っています(笑)。

宮崎氏:
 実は今回のプロジェクトは,立命館出身のセガの宣伝部にいる中村先生の教え子が「ぜひやらせてください」と言ったのが,そもそものきっかけだったりするんです。セガの中で「やりたい!」という意欲のある人間がいるなら第2弾も十分あり得ると思います。

4Gamer:
 今後のプロジェクトにも期待させていただきます。
 では,最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

宮崎氏:
 ソニックというのはセガのコーポレートキャラクターであり,アメリカ,ヨーロッパで非常に人気の高いキャラクターです。
 そんな中,京都の伝統を重んじつつモダンな切り口で商品を展開しているSOU・SOUさんとコラボさせていただけたのは,非常にありがたいと思っています。ぜひ商品化されたコラボ足袋を色んな人に履いていただきたいと思います。

若林氏:
 学生の皆さんの発案でステキなコラボ足袋が完成しました。日本の方だけでなく,海外の方にもぜひ購入して楽しんでいただければと思います。

中村氏:
 今回のコラボ足袋は国内だけでなく海外でも話題になっていて,世界の人に「新しい京都」の一面を見せることができたなと思っています。今後もこういう取り組みをさらに広げていけたらいいなと思います。

長尾さん:
 今回はPVやSNSでプロモーション活動を行ってきました。SOU・SOUさんの足袋はデザインはもちろん,お店もすごくかっこいいので,ぜひ京都に来た際は足を運んで,ソニックのコラボ足袋を手に取っていただければありがたいです。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

―インタビュー収録日:2018年7月30日

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
トピックス
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:11月12日〜11月13日
タイトル評価ランキング
81
KENGOHAZARD2 (PC)
76
鬼ノ哭ク邦 (PC)
74
2019年05月〜2019年11月