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eスポーツ運営の人材を育成する「eスポーツマネジメントコース」が2020年に開設。JAPANサッカーカレッジとeスポーツジャパンが業務提携を発表
JAPANサッカーカレッジは,日本で唯一となるサッカーの専門学校。選手だけでなく,「コーチ・審判コース」など運営側の人材を育成するカリキュラムも存在しており,Jリーグの48クラブに卒業生を輩出しているという。
一方,業務提携が発表されたeスポーツジャパンは,元・名古屋グランパスエイトの岡山哲也氏が代表取締役を務めている会社で,eスポーツチームの運営や参入ソリューションサービスを提供している。まずはサッカーゲームで世界に通用するeスポーツチームを作るという目標を掲げ,活動を続けているとのことだ。
今回の業務提携により,2020年度からJAPANサッカーカレッジにて「サッカービジネス科」の中に「eスポーツマネジメントコース」が開設される。このコースではeスポーツ大会の運営や,eスポーツチームのマネジメントに携わる人材を育成し,eスポーツジャパンのスタッフによる指導も行われるという。なお,詳細は改めて発表が行われるとのこと。
●発表会登壇者一覧
学校法人国際総合学園JAPANサッカーカレッジ学校長:中村 勉氏
eスポーツジャパン代表取締役:岡山哲也氏
eスポーツジャパン取締役:秋田 豊氏
eスポーツジャパン執行役員 CMO:立川光昭氏
eスポーツジャパン執行役員:内田宝寿氏
発表会では,まず中村氏が「eスポーツジャパン様と提携させていただくことになりました。広がりを見せるeスポーツにJリーグの多くのクラブも興味を持たれるのではないかということで,学生の学びの場と卒業生への情報発信の場を作っていければと思います」と挨拶を行った。
続いて岡山氏は「JAPANサッカーカレッジ様にはJリーグの48クラブに卒業生を輩出している実績があり,プレイヤーだけでなくコーチやクラブスタッフを育成するノウハウをお持ちです。Jリーグの運営は海外からも高い評価を受けているもので,今後eスポーツにもそうしたマネジメントスタッフとしての人材が必要になっていくと思います」と,eスポーツを運営する人材の重要性と,教育機関としてのJAPANサッカーカレッジと提携する意義を強調した。
また,元サッカー日本代表のセンターバックとして活躍し,現在はeスポーツジャパンの取締役を務める秋田氏は「eスポーツも,選手だけでなくスタッフを育てていかないと大きなイベントはできないでしょう。eスポーツが認知されるためのイベントを開き,日本の選手やスタッフが世界に通用すると言うことを示したい」と,今後の目標を明らかにした。
記者会見の後には質疑応答が行われた。興味深い質問をピックアップして,本稿の締めくくりとしたい。
――どんな人にeスポーツマネジメントコースに来てほしいですか?
中村 勉氏(以下,中村氏):
サッカーのみならず,色々な形でスポーツ業界に携わりたいという人に来てほしいですね。海外からの留学生もあり得るでしょうし,教育機関としてやるべきことをすべて行いたいです。
――eスポーツマネジメントコースで教員を務めるのはどういった人なのでしょうか。
中村氏:
サッカービジネスに携わったスタッフが担任を務めるのに加え,eスポーツジャパンのスタッフさんに学校へ来ていただいたり,eスポーツイベントで実習したりといったカリキュラムを考えています。
――現在,JAPANサッカーカレッジでは,どれくらいの学生がサッカーゲームを遊んでいるのでしょうか。
中村氏:
8割以上の学生がサッカーゲームを遊んでいますので,eスポーツマネジメントコースのニーズはあると思います。
岡山哲也氏:
僕は中京大学附属中京高等学校サッカー部の監督をしているんですが,9割の学生がサッカーゲームをしています。来年の茨城国体では文化プログラムとして「ウイニングイレブン」の大会が行われますが,サッカー部員のもう一つのチャレンジとしてエントリーさせようと考えています。
――JAPANサッカーカレッジでは「審判員」や「日本サッカー協会公認ライセンス」といった公的資格を得られますが,eスポーツマネジメントコースではどういった資格を取れるのでしょうか。また,卒業後にeスポーツに携われる保証はあるのでしょうか。
中村氏:
eスポーツマネジメントコースを受講することによる,公的な資格の取得については現時点では考えていません。
卒業後に関してですが,本校はJリーグさんから色々な求人をいただいています。東京ヴェルディさんがeスポーツ部門を設立しているように,今はJリーグのクラブチームがeスポーツに関心を寄せています。こうした状況において,eスポーツについての知見があることは,就職にあたっての強みになるのではないかと考えています。
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