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模型展示会「16bitModels」第4回の出展作品を紹介。“アーケード”をテーマに,エレメカから架空のビデオ筐体までいろいろなゲームを立体化
「16bitModels」は,ゲームを題材にした入場無料のファンイベントだ。第1回は「ゲーム」,第2回は「家庭用8bit」,第3回は「セガ」をテーマとして行われており,今回は「アーケード」をテーマに作品が集められた。
みっくす氏「ビッグコア」
みっくす氏は,KONAMIの「グラディウス」シリーズおなじみのボス・ビッグコアを3Dプリンタ出力で造形。ゲームのビッグコアは,基本的に真横を見せてばかりのキャラクターなので(「グラディウスV」では回転していたが),角度をつけて見られるのは結構新鮮だ。
野内秀彦氏「斑鳩」
野内氏は,トレジャーの「斑鳩」から,コトブキヤが発売した1P自機「斑鳩」と2P自機「銀鶏」のプラモデルと,ガレージキットでリリースされた「白鷲」(設定上,主人公が斑鳩の前に搭乗していた機体)を制作。黒い斑鳩は光沢ブラック,白い斑鳩等にはパールホワイトで仕上げ,“飛鉄塊”(「斑鳩」に登場する兵器の総称)らしい金属的な重厚感が強調されている。
マスクド13氏「急いては事を仕損じる」
マスクド13氏は,カネコの「ギャルズパニック」をオマージュした“解きかけ”の様子を表現。解放されたフィールドにはグラマラスな身体が見えているが,隠された顔も見たくなるのが人情というもの。そんなわけで斜めからチラ見すると,マスクド13氏自身をモデルにしたらしいゲジマユ&アゴヒゲが出迎えてくれる。ゲームで絵柄が“チェンジ”となったときの衝撃も思い出させてくれる設計だ。
なお,よく見ると背景パネルに用いられているイラストは美女風のテイストとなっていて,より不思議な気持ちにさせてくれる。
柳生圭太氏「異世界ダンスでレボリューション!」
柳生氏は,KONAMIの初代「Dance Dance Revolution」をモチーフにした土台を作りつつ,その上に乗せたのは美少女系プラモデルをベースに制作した幻夢戦記的な女性戦士。いろいろツッコミたくなる組み合わせだが,「固定観念に囚われず好きなものを詰め込むのは大事!」ということだろう。
鳥山とりを氏「セガテトリス」
鳥山氏は,セガのアーケード版「テトリス」にインスパイアされたヴィネットを制作。テトリミノとサルが戯れる様子と風景写真で,テトリスを表現した。テトリスのように抽象的なゲームを模型で表現するとなると,目指すべき方向性を見定めるのが大変だが,それをこのようにまとめられるのも“模型作りのうまさ”の一つだろう。
あさみほとりさん「星のいのちに何想う」
声優にして模型製作やゲームも趣味とするあさみさんは,スクウェア・エニックスの「 星と翼のパラドクス」から,アニメPVで印象的な,高い建築物の上に座り込むレイカを立体化。レイカのベースにコトブキヤのメガミデバイスが用いられている。
フジロイ氏「“盛れる”プリ機!〜花鳥風月〜」
フジロイ氏は,2003年にリリースされたナムコのプリントシール機「花鳥風月」を1/20スケールで立体化。カーテンに覆われた筐体なので一見すると平坦なのだが,カーテンの下から女子高生の脚が見えたり,撮影ブースのフラッシュが光ったりと,中の様子について想像を掻き立てさせられる設計だ。
ヘルメッツ「インベーダーハウス」
X68000型Raspberry Piケースや1/12スケールのアップライト筐体ミニチュアなどで知られるヘルメッツは,タイトー「スペースインベーダー」のテーブル筐体版を専門とするゲームセンター・インベーダーハウスの一角をジオラマ化。窓にUFOが突き刺ささるというファンタジックな要素こそあるが,すごく“ありそう”な雰囲気が出来上がっていて,「行きたい!」という気持ちが沸いてくる。
Yodachin氏「ハイカラシティのイカ筐体」
Yodachin氏はWii U用ソフト「スプラトゥーン」から,ゲーム内のハイカラシティにあるアップライト筐体を立体化するという変化球で攻めていた。画面は第6世代iPod nanoを組み込んで表現しているという。
清水 圭氏「元日本バンタム級6位 中華料理KO軒店主 山田三郎の密かな闘い」
清水氏は,プロボクサーを引退して中華料理店を営む男が,出前の途中にナムコの「ノックダウン90」と出会うといったワンシーンを表現。このあと筐体へコインを投入するであろう山田が味わうのは,「それほど衰えちゃいない」という充足感なのか,「ここまで鈍ったか」という失望感なのか……そんなドラマまで考えさせてくれる設計だ。
イフェメリス氏「新製品! 子供のアイドル ロボットマシン登場!!」
イフェメリス氏は,こまやのエレメカ「合体ロボ☆Vファイブ」をプラ板でスクラッチ。Vファイブはバンダイの1/100「バルディオス」をベースに,見栄え重視(筐体パネル,ルーレット絵柄,パンフレット挿絵でデザインが統一されていないため)で設計したとのこと。
越沼真司氏「ゲームセンターMVS」
越沼氏は,SNKのPnPゲーム機「NEOGEO mini」を軸として,それで遊ぶ「キング・オブ・ザ・モンスターズ2」のアトミックガイを制作した。NEOGEO Mini自体はそのままながら,そこにネオジオタイトルのキャラクターが並ぶと,不思議な雰囲気が醸し出される。
田中冬志氏「春麗(劇場版)」
田中氏は,1994年に上映されたアニメ映画「ストリートファイターII MOVIE」バージョンの春麗を立体化。このアニメでキャラクターデザインを務めたのは村瀬修功氏で,同氏の描くキャラクターは複雑な内心を感じさせる表情が印象的なところ,それが見事に表現されている。
Rocket氏「七夕決戦」
Rocket氏はタイトーの「ダライアスバースト アナザークロニクル」から,2012年に開催された「七夕大戦!敵戦力合流を阻止セヨ!第5回シルバーホーク杯」のイメージビジュアルを元にデュアルスピンを立体化。デュアルスピンの口には,バーストビームをイメージしたLEDが仕込まれている。
射尾卓弥氏「FIRE FOSSIL」
「Gダライアス」をやりすぎて,ホームにしていたゲームセンターの店員から「Gダラにーさん」というあだ名で呼ばれていたという射尾氏は,巨大なうえにクイーンフォスルの強化型ということでプレイヤーに強烈なインパクトを与えたファイアーフォスルを立体化した。背景用に空のエフェクトも作られており,プロジェクタでの投影を想定していたようだが,照明の関係で難しかったらしく,ノートPCの画面に表示されている。
佐藤哲夫さん「僕らはゲームセンターで少しだけ大人の階段を登ったような気持ちになった」
よしもとプラモデル部の部長である佐藤哲夫さんは,かつて浅草花やしきを運営していたトーゴから発売された,エレメカ「腕相撲」をミニチュアで再現。と言うか,「腕相撲」にインスパイアされたビキニ姿の女性バージョンを先に作っていたものの,元ネタが伝わらない可能性を感じてオリジナル版「腕相撲」も作ったのだとか。それにしても,ビキニ女性の腕相撲マシンなんてあったら,アーケード業界の伝説になっていただろう。
吉本プラモデル部は,YouTubeチャンネルでレポート動画を掲載したりもしている。
「16bitModels」公式Twitter
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