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レジ袋で炒飯を作り,手を羽ばたかせて空を飛ぶ!「BitSummit 7 Spirits」からユニークなインディーズゲームをピックアップ
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印刷2019/06/04 16:50

プレイレポート

レジ袋で炒飯を作り,手を羽ばたかせて空を飛ぶ!「BitSummit 7 Spirits」からユニークなインディーズゲームをピックアップ

 2019年6月1日〜6月2日に京都で開催された「BitSummit 7 Spirits」では,レジ袋で炒飯を作る,手に翼を付けて空を飛ぶなど,“これぞインディーズゲーム”とでもいうべき,かなりユニークな作品も出展されていた。本稿では,そんな作品を紹介しよう。


コンビニ袋で炒飯を作る「音効炒飯」


 “レジ袋で炒飯を作る”と書くと料理系ライフハックのようにも思えるが,「音効炒飯」はれっきとしたゲームだ。プレイヤーがやるべきことは,食材の用意でも,分厚い中華鍋を買うことでもなく,マイクの前でレジ袋を揉んで“わしゃわしゃ”とやるだけ。レジ袋の音が炒飯を炒めている音に聞こえてくるから不思議だ。画面内では“わしゃわしゃ”に合わせて料理人が鉄鍋を振って炒飯を作る。単に大きい音を出すだけではなく,リズミカルにレジ袋を揉めば評価も上がっていくのだが,この感覚もリアル炒飯作りっぽい。

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 プレイすると,とにかくお腹が空いてくる。この日,ブースの近くには食べ物の屋台があり,香ばしい油の香りが漂っていたため,臨場感も抜群だった。

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 タイトルの「音効」とは,場面に合わせた効果音を流して臨場感を出すこと。馬の蹄を表現するために伏せたお椀をパカパカやるように,小道具を使うこともある。炒飯作りでレジ袋を揉むのはこうした音効ノウハウの応用……かと思いきや,開発者である中野 亘氏が自力で発見したものだという。
 中野氏はかつて炒飯作りのアニメーションを作った際,たまたまレジ袋で音を作ったことがあり,自宅で溜まったレジ袋の処分も兼ねて本作を作ったそうだ。ちなみに炒飯の評価は,マイクからレジ袋を揉んだ音量を毎フレーム計測し,最も大きな音量と2番目に大きな音量の差から算出しているという。もっと複雑な評価方式を考えていたものの,ラグなどの問題もあって現在の形になったとのこと。レジ袋と炒飯という意外な組み合わせがインディーズゲームらしくて面白い。

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うまくポーズを取って,“にんげんタワー”を積み上げる「にんげんタワーバトル」


 動物を積み上げていくスマートフォンゲーム「どうぶつタワーバトル」をオマージュしたのが「にんげんタワーバトル」だ。
 本作で積み上げていくのは,カメラで撮影された“にんげん”たち。言い換えれば,カメラの前でポーズを取ると,その姿がゲーム内にそのまま登場し,落ちものパズルのブロックのように積み上がっていく。高いタワーを作るには,バランスが崩れないように安定性の高いポーズを取るのがコツだ。

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 会場では来場者の注目を集め,親子連れや友達同士など,多くの人々がタワー作りに励んでいた。タイの寝仏のように寝転んだり,大地を支えるアトラスの如くに両手を広げたり,安定性を追求する方法もいろいろ。それでもバランスが崩れる時は崩れてしまい,コロコロと“にんげん”たちが転がり落ちる様が笑いを誘っていた。

カメラで撮影された姿が,そのままゲーム内に登場
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次々と積み上がってタワーになる
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 筆者も挑戦してみたが,自分の姿が画面内に登場するのは,恥ずかしいものの面白い。安定性を重視したはずが数段で崩れてしまい,再チャレンジしたくなる。技術を使い,直感的に楽しめるゲームを作り出しているというわけで,イマ風の楽しさを持つコンテンツと言えるだろう。


「にんげんタワーバトル」公式サイト



リアルに羽ばたいて空を飛べ!鳥の苦労が味わえる「鳥川鳥三」


 「鳥川鳥三」は,手に翼を取り付けてリアルに羽ばたき,宙に浮かぶコインを集めていくゲームだ。早く羽ばたくほどにスピードが上がり,身体を傾ければ飛行コースが変化する。

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 翼はセンサーユニットと新聞紙で作られており,羽ばたくとバッサバッサと音がして心地よい。素早く羽ばたくほどに翼にかかる風の抵抗も強くなり,腕が疲れてしまう。空を飛ぶ鳥を眺めて自由をうらやむことも多いが,その影にはこういう苦労があったのかと感慨深い。もうなんというか理屈抜きに楽しく,会場でも小学生くらいのプレイヤーが大喜びしていたのが印象に残った。翼が新聞紙で作られている手作り感といい,良い意味でインディーズらしいゲームだ。

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助けを求めて伸ばした手が,そっと握りかえされる「Symbio」


 「Symbio」は,2人協力型の横スクロールアクションに,“手を触れあわせる”というフィーチャーを取り入れたエモーショナルなゲームだ。

「Symbio」のゲーム台。2人のプレイヤーは仕切りで隔てられている
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 2人のプレイヤーは,白いヤギと黒い猫になり,互いに協力し合いながら旅をしていく。ステージには,不安定な足場や周囲が見えなくなる闇のエリアといった障害があり,プレイヤーが寄り添って助け合わなければならない。しかし,2人の間には仕切りがあるため,互いの画面を見ることはできない。備え付けのマイクでコミュニケーションを取る必要があるのだ。
 とくに印象的なのが,足場から落ちそうになった仲間を助けるという要素である。キャラクターを近くに移動させて,2人のプレイヤーが手と手を合わせれば,仲間を引っ張り上げることができるのだ。手を合わせる,というのはゲーム中の要素ではない。仕切りに開いた穴から,向こうのプレイヤーの方へ手を伸ばし,リアルで触れあうのだ。

仲間が足場から落ちそうになった時は,近くに寄って,互いの手を触れあわせる
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 実はジョイスティックからは弱い電気が流れており,手を触れあうことで互いの身体に通電しているのをゲーム側で感知している(電気といっても,わずか5ボルトほどなので,通電の感覚はない。もちろん,罰ゲームのようにショックを与えるものではない)。言葉にするとシンプルだが,助けを求めて伸ばした手が握りかえされると,肌の暖かみを感じられると同時に,意志が通じた喜びもあるし,相手のことを積極的に助けようという気分になる。

ジョイスティックから電気が流れていて,手が触れあっているかどうかを検知する
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 また,ゴール地点には巨大なクリスタルがあり,これを起動するにも手を触れあう必要がある。デジタルゲームに肌の触れあいという感覚的な要素を取り入れ,エモーショナルな体験を生み出しているのだ。本作を作ったのはスウェーデンの学生グループで,アーケードゲームとして展開してみたいと語っていた。

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「Symbio」(Facebook)

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