「NieR：Automata」の前日譚を描く「舞台 ヨルハ Ver1.3a」のゲネプロをレポート。キャストを男性陣で固めた大胆なアレンジに

　スクウェア・エニックスのアクションRPG「NieR：Automata」と世界観を共有する「舞台 ヨルハ Ver1.3a」の上演が，本日（2019年7月4日）東京・サンシャイン劇場を皮切りにスタートする。本稿では，公演に先駆けて行われたゲネプロ（通し稽古）の模様をレポートしよう。

　「舞台 ヨルハ Ver1.3a」は，2018年に上演された「音楽劇ヨルハ Ver1.2」をアップデートし，アレンジを加えたもの。もっとも大きな特徴はキャストの構成で，Ver1.2では女性キャストのみだったが，今回は男性キャストのみとなっているところだ。本舞台でも引き続き，原作・脚本をヨコオタロウ氏，音楽をMONACAの岡部啓一氏がそれぞれ手がけていることも，「NieR」シリーズファンなら見逃せないポイントだろう。


　「舞台 ヨルハ Ver1.3a」では，「NieR：Automata」の前日譚が描かれる。物語の舞台は，機械生命体に侵略され，地上を制圧された遠い未来。絶滅を避けるべく月へと移住していた人類は，機械生命体に対抗すべくアンドロイドを戦力として送り出したが，苦戦を強いられ，西暦1万1939年に勃発した第十四次機械戦争においても戦闘は膠着状態となっていた。


　そんな中，最新のアンドロイドによって構成されたヨルハ実験部隊による降下作戦（真珠湾降下作戦）を試みるが，機械生命体による予想外の攻撃を受け，二号，四号，十六号，二十一号の4機を残して壊滅状態に陥る。
　司令部に援軍を要請するも却下され，そのまま作戦を遂行するよう命じられた4機は，地上で機械生命体に抵抗しているレジスタンスと遭遇。機械生命体の排除という同じ目的を掲げたヨルハとレジスタンスは協力し，過酷な戦いに挑むこととなる。


　「舞台 ヨルハ Ver1.3a」の主人公である二号は，「NieR：Automata」でプレイアブルキャラクターの1人として登場する，A2ことヨルハA型二号のことだ。本舞台では，A2がゲーム中でなぜあのような振る舞いをするようになったのか，その知られざる過去が描かれていく。そして，壮絶な運命を強いられたA2をプロトタイプモデルとして生み出されたのが，「NieR：Automata」主人公の2B（ヨルハ二号B型）だと思うと，原作ゲームのプレイヤーにはいろいろ意味で感慨深い舞台となるだろう。


　同じくレジスタンスのメンバーであるアネモネも，「NieR：Automata」に登場するレジスタンスキャンプのリーダーその人。なぜアネモネ達がレジスタンスとして活動するようになったのかが描かれるのも注目のポイントとなっている。また，男性キャスト達によるアクションも見どころとなっており，とくにストーリーの終盤で見られる二号の立ち回りは圧巻だ。


　ゲネプロ終了後には，二号役の宮城紘大さんがキャストを代表して来場者に感謝の意を示すとともに，「僕自身，『舞台 ヨルハ』シリーズの大ファンで，こうして演じられることを幸せに感じます」「すごく濃い内容で，伝えることの多い舞台なので，キャスト一同，全公演を全力で演じていきます」と意気込みを語った。

　「舞台 ヨルハ Ver1.3a」は，7月4日から7日までサンシャイン劇場にて東京公演が，7月11日から14日までサンケイホールブリーゼに大阪公演が行われる。気になる人は，上演スケジュールやチケット情報を公式サイトやTwitter（舞台「ヨルハ」公式）を確認してみよう。

●出演キャスト（敬称略）
二号：宮城紘大
四号：綾切拓也
十六号：木村優良
二十一号：小南光司
ローズ：紅葉美緒
アネモネ：松原 凛
リリイ：古賀 瑠
ガーベラ：菅野勇城
ダリア：神坐 慶
デイジー：矢野たけし
司令官：笠原織人
ワカバ：佐藤智広
赤い少年：田中宏輝
アコール：須賀京介

アンサンブル：倉本晃良，野呂奏流，織田俊輝，飯原 優，太田達也，うえたす，掛川冬馬伊与田良彦，林 宏樹

ボイス（収録出演）：あきやまかおる，安元洋貴

●演奏
ギター：後藤貴徳
バイオリン：白須 今
パーカッション：福岡高次

●スタッフ
原作・脚本：ヨコオタロウ
演出：松多壱岱
音楽：岡部啓一（MONACA）
製作：舞台 ヨルハ Ver1.3a製作委員会

舞台「ヨルハ」公式サイト