古代祐三氏の手がけた「アクトレイザー」全楽曲の楽譜化を目指す。クラウドファンディング企画がKickstarterでスタート

　古代祐三氏が楽曲制作を手がけた代表作の一つとして知られる「アクトレイザー」。そんな本作の全楽曲を楽譜化して後世に残すというクラウドファンディングプロジェクトが，Kickstarterで始まった（リンク）。目標は150万円。All or Nothing形式で，このプロジェクトは2019年9月2日23：59までにゴールを達成した場合のみファンディングされる。本稿執筆時点で，約60万円が集まっているという状況だ。


　日本のゲーム音楽プロオーケストラ・新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団（関連記事）で代表と指揮者を務める市原雄亮氏が起案者となった今回のクラウドファンディングは，「ゲーム音楽を一つの音楽作品と捉え，楽譜としてアーカイブしていく」というがその目的だ。ゲームプレイに付随する音楽であるゲーム音楽は，ゲーム自体が遊ばれなくなれば時代に埋もれていくのを待つのみであり，楽譜が発売されるのは一部のタイトルに限られる。ゲーム音楽の原曲を公式でスコア化していくことでこの流れを変え，ゲーム音楽の文化的発展，そして芸術としての理解も高まっていくものと期待する，というわけである。

古代祐三氏

　VGM Complete Score Seriesプロジェクトとしての今回の楽譜化は，新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団で数多くの楽曲を手がける羽田二十八氏が制作，そして古代祐三氏が監修，という形で行われる。市原氏は楽譜のチェックや意見出しに加わるため，楽譜は3人体制での制作になるという。ピアノやオーケストラ用に編曲した楽譜ではなく「元の楽曲をそのまま完全楽譜化する」というスタイルだ。

楽譜サンプル ※画像は制作中のもの

　支援は，古代氏，羽田氏，市原氏からの「御礼のメール」と楽譜の進捗報告を受け取れる1000円からとなっている。リワードとして楽譜完成後のPDFファイルを受け取れるのは3000円以上の支援から。そのほかにも，上記3人の出席する食事会に招かれるものや，「あなたのためだけに弦楽四重奏がアクトレイザーの楽曲を奏でます」といったものなど，高額の支援プランも用意されている。ストレッチゴールは，200万円でコンデンススコア，250万円でピアノ編曲譜作成，300万円でトークイベント開催という3種類だ。
　プロジェクトが成立した場合の制作スケジュールは，2019年9月に制作開始，2020年8月に完成，同年9月に発送，という形になっている。

　市原氏によれば，本プロジェクトが大きな成功を収めた場合は，アクトレイザーのみにとどまらず，無数に存在する名作ゲーム音楽の楽譜化を「コンプリートスコアシリーズ」として進めていきたいと考えているとのこと。アクトレイザー楽曲のファンや，“楽譜化”のコンセプトに賛同するという人は，ぜひ支援を検討してみよう。

Kickstarterの「ActRaiser（SNES） VGM Complete Score / アクトレイザー（SFC）コンプリートスコア」ページ

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