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「ゲーミファイ・ネットワーク 第12回勉強会」聴講レポート。観光全体を充実させる地方創生RPGの概要と作り方を紹介
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印刷2020/10/26 18:57

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「ゲーミファイ・ネットワーク 第12回勉強会」聴講レポート。観光全体を充実させる地方創生RPGの概要と作り方を紹介

 2020年10月23日,日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)の教育専門部会(SIG)は,「ゲーミファイ・ネットワーク 第12回勉強会」をオンラインで開催した。
 このセミナーでは,井桁屋の代表取締役 高久田洋平氏が,同社が展開している地方自治体を舞台にしたRPGシリーズを紹介するセッション「ゲーミフィケーションで地方創生アプリを制作!」を行った。

画像集#001のサムネイル/「ゲーミファイ・ネットワーク 第12回勉強会」聴講レポート。観光全体を充実させる地方創生RPGの概要と作り方を紹介

 井桁屋は,高久田氏によって2005年に設立された社員3名の会社で,もともとはファッション雑貨の輸入卸業を営んでいた。しかし,事情によりキャッシュフローがうまくいかなかったため,並行してモバイルコンテンツの開発に取り組むことになり,はじめはフィーチャーフォン向け事業を,2011年からはスマートフォン向けのアプリの開発・運営を手がけている。

高久田洋平氏
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 井桁屋のアプリ開発におけるテーマは,「ゲーミフィケーション──つまらないもの,つらいものを,たのしく」。本格的なゲームではなく,ダイエットやウォーキング,あるいは早起きといった実行や継続が難しいものをサポートするアプリの開発を目指しているそうだ。

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 そして2014年,井桁屋が10周年を迎えること,また社員全員が埼玉出身・在住だったことから,地域に貢献できるアプリとして地方創生RPGを企画・開発した。それが2016年5月に配信を開始した,「さいたま市RPG ローカルディア・クロニクル」である。
 高久田氏は,アプリが完成した2015年にさいたま市の観光課に「PRしてもらえないか」と掛け合ってみたところ,「『さいたま市ニュービジネス大賞』にエントリーして,何か賞を取ることができれば応援できる」という回答が返ってきたという。そこでコンテストに参加してみたところ,見事ビジネスプラン賞を受賞し,晴れてさいたま市公認アプリの座を獲得した。

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高久田氏が参考にしたという,地方自治体とコラボしているタイトルも紹介された
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 2016年からは,埼玉・行田市からのオーダーで「言な絶えそね -行田創生RPG-」を開発。2018年2月に配信が開始されたこのアプリでは,忍城や古墳群など行田市のさまざまな観光スポットが紹介されている。

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 以降も地方自治体からの依頼は続き,2019年4月には淡路島日本遺産をテーマにした「はじまりの島 -淡路島日本遺産RPG-」,2020年3月には江戸時代の千葉・佐倉藩を舞台にした「天倫の桜 -佐倉市サムライRPG-」をそれぞれリリース。
 現在は地方創生RPG第5弾の開発に取り組んでいるとのことで,近日,ある地方自治体から発表される予定だ。

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 これら地方創生RPGは,「物語」「マップ」「GPS&クーポン」という3つの柱を持っている。
 例えば「はじまりの島」は,文化庁によって2016年4月に日本遺産に認定された「『古事記』の冒頭を飾る『国生みの島・淡路』〜古代国家を支えた海人の営み〜」を,もっと多くの人に知ってもらおうという狙いで企画された。この日本遺産は,イザナギとイザナミの「国生み神話」,弥生時代に金属器をもたらす過程を描く「海の民」,塩作りと航海術で大和時代の王権を支えた様を描く「海人」,天皇の食膳を司ったことを示す「御食国」という4つの話で構成されている。そのため「はじまりの島」では,それら4つの「物語」と31の文化財を網羅するストーリーを作り上げた。

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セッションでは,文化財の登場例として塩壺西遺跡の鏃や狼煙を紹介するシーンが示された。例えば住人から鏃をもらうと攻撃力が上がるといったように,自然な登場を心がけているという
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キャラクターは,4つの物語に沿って設定
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淡路島と違って観光資源が少ない地域の場合は,その地の伝説を加えてストーリー性を強めているとのこと。高久田氏は全国各地の伝説をデータベース化しているという
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 「マップ」は,地理が郷土愛につながるという観点から,できるだけリアルに忠実になるよう作っている。またマップ上には,現存している歴史的な建造物を登場させるようにしているそうだ。これは「現在の興味から始まって,過去を手がかりにすることで,深い未来への展望を見出す」という歴史学の意義に基づいて行っているとのこと。

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 「GPS」は,アプリの中で指定された地点に行くと強いアイテムがもらえるという部分と連動させ,観光スポットを訪れてもらうという観光誘致の施策に使われている。
 加えて,公共施設や飲食店,コンビニなどと提携し,施設や店舗に訪れるとサービスを受けられるクーポンを発行する試みも行っている。

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 高久田氏は以上をまとめて,「地方創生RPGとは観光を誘致し,観光をお得に楽しめるようにし,さらにアプリで得た予備知識を使ってその地の理解度を高めることで,観光全体の充実度を高めるもの」と語っていた。

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 さらに話題は,プロモーションにもおよんだ。地方自治体にもよるが,なかなかプロモーションの予算を出せないところが多いとのことで,モンスターのデザインを公募したり,観光案内所や道の駅にポスターやキャラクターの等身大パネルを置いたりするなど,さまざまな施策に取り組んでいるという。

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 今後の課題としては,「予算」「品質」「広告」「敷居」「誘致」の5つが挙げられた。

「予算」……ゲームやアプリに高額な投資ができる地方自治体がまだ少ないため,少額でも開発できるようにすることや,「はじまりの島」のように複数の自治体や関連する団体などと一緒に取り組んでいくことが必要になってくるとのこと。

「品質」……アプリを遊んだ人から多くの指摘を受けているそうで,今後は操作性やシステム面などを改善していく予定。

「広告」……地方自治体の強みを活かして予算をかけないプロモーションを創出していく。

「敷居」……RPGだけでなく,もっと気軽に楽しめるコンテンツを企画・開発を進めていく。

「誘致」……目的が観光誘致なのか,それとも郷土理解なのかをもう一度見直す必要がある。

 また,昨今のコロナ禍の影響によって今後観光は以前の状態に戻るのか,戻らないのであれば代わりになる施策を考えていかなければならないと,高久田氏は話していた。

 さらに課題とは別に今後取り組みたいこととして,セッション中に紹介された全国各地の伝説をデータベース化したものをゲームまたはコンテンツ化することが挙げられた。
 そして,現在取り組んでいることとして,日本の歴史のゲーム化にも触れた。これは,各出版社が出している学習漫画の「日本の歴史」をRPGにしたようなもので,各時代ごとのエピソードに分かれているという。
 加えて課題にも挙げられていた,RPG以外の地方創生コンテンツも企画が進んでいるとして,高久田氏はセッションをまとめた。

井桁屋 公式サイト

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